表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます  作者: あまうい白一
第5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

153/177

31話 結集

どうにか腰の治療&リハビリを終えて戻ってきました

少しずつ再開していければと思います。よろしくお願いいたします。

ウロボロスの首に乗っていた俺はは、いきなり、自分たちを囲うようにして現れた半透明の光を見て。

 更にその光によって形作られた闘技場を見て、有難みを感じていた。


「ああ、これが、ローリエの言っていた戦場か。足場が出来てくれるのは、助かるな」


 半径数十メートルの円形をしたその戦いの場に、俺は着地する。

 久しぶりの安定した足場だ。

 

 踏んだ感触も程よく固く、動き回るには十分な感触がある。

 

 ……動きの制限もいらないな。

 

 そして目の前には、空から垂れるように落下してきた、ウロボロスの頭がある。

 首の延長線上である体を闘技場の地にのせた状態で、

 

「グ……ゥゥゥ……!」

 

 鎌首をもたげたまま、こちらに殺意を向けてきていた。 


 更には、大きな顎からは涎が垂れている。

 やはり龍にとって、俺は餌になりえるようだ。そう思いながら俺は装備していた剣を構える。

 その瞬間、


「オオオオ!」


 ウロボロスの第一頭。

 その八目から光の乱打が来た。


 四本の光鞭と、四つの巨大な光弾が、一気に俺に向かって降り注いできたのだ。


「広範囲の打撃と爆撃か。街に行ったらどうするんだ」


 その攻撃に対し、俺は剣を構えて、一歩前へ進む。


 そして、向かってくる光鞭を切り裂いた。

 四本とも、まとめてだ。

 

「――!?」


 まず、そのことに驚いたのか、ウロボロスは目を細めた。

 だが、それだけでは止まらない。


「光弾は、お前に返そう……!!」


 俺は、向かってくる光弾を、剣の腹で撃ち返した。

 

 そして、打ち返された光弾はそのまま、ウロボロスの顔面に直撃する。

 

「グガアッ……!?」


 直撃を受けたウロボロスの第一頭は、煙を上げて、悶え始めた。

 

 自分で作った攻撃の割に、だいぶ聞いているようだ。

 そう思っていると、

 

「グオオオオオ…………!!!」


 再び、ウロボロスの第一頭は光弾を放った。

 今度は、細かいものを、八つ、高速で。

 

 それを見て、俺は再び剣を振るおうとしたが、

 

「ここはオレがやるぜ」


 デイジーが懐から飛び出した。そして俺の前方に手を構えると、


「【錬成・大気からの大楯】」


 大気による巨大で分厚い盾を生み出し、光弾をすべて受け止め切った。 


「親友、こっちは任せろ。念のため、攻撃は全部止めるから!」

「了解だ。じゃあ、遠慮なく攻撃に移らせてもらう」

 

 デイジーの援護を受けた俺は、大気の盾の横を抜けて、一気にウロボロスへと接近する。

 

 ウロボロスは俺の動きを見て、その目から、光鞭を生み出そうとするが、

 

「それは、もう許さん」

 

 それよりも早く、俺は剣で目を切りさいた。


「グ……オオ!!!」


 痛みによるものか、今までで最も大きな咆哮が響いた。


「ああ、まったく。コアを二つ壊さなきゃ倒せないくせに、よく鳴く龍だ」


 だが、そのお陰で出来ることもある。

 それは、今回の作戦に置いて最も大事なもので。


「さて、お前の体を通して、向こうに攻撃の合図を運ばせてもらっているのが、そろそろ届く筈だぞ……」



ウロボロスの第二頭に拳撃をぶち込んでいたゲイルは、その時、気づいた。

 拳の先に、微弱な魔力の波動を感じることに。

 それは、自分と何度も組手をしてくれていた男の魔力と同一のもので、


「この感覚……普通は発さぬ魔力の波動は――向こうで頭を捉えたか、アクセル……!!」


 数キロ離れた先の攻撃であろう、今いる世界が別であろうが、敵を通じたものだろうが、ゲイルには分かる。

 声を放った瞬間、自分と同じく第二頭を攻撃している者たちも、笑みを浮かべた。


「そうだね。この龍を震わせる感覚は、ご主人が攻撃している証拠だよ!」

「ええ、分かります。妻として、この古代種に叩き込まれたアクセルの魔力の匂いを、肌で感じますとも」


 三人とも、認識は同じようだ。


「では決まりだ。――こちらはこちらで、決着としよう」


 そう、この次の一撃で、アクセルは第一頭を砕きつくす。

 それで戦闘は終わりを迎える。

 

 ……己らにとっても、次の一撃が、ラストだ……!

 

 故に、ゲイルはわずかにウロボロスから距離を取り、拳を構えなおす。

 それに合わせる形で、バーゼリアやサキも、ウロボロスの左右に陣取り、それぞれの構えをとった。

 

「ご主人が使う技は、覚えているよね、リズノワール! アブソルウェント!」

「妻ですから当然です! アクセルのタイミングは熟知していますとも」

「久方ぶりの己ではそこまで分からぬが……故に、向こうがいつコアを潰してもいいように、殺せる一撃を放ち続けるだけだ」


 言葉を終えると同時、ゲイルらの魔力は一斉に、高まった。 


 そして前方にゲイルを、右方にバーゼリアを、左方にサキを置いたウロボロスの第二頭は、

「ギ……!」


 一気に高まった魔力に対して、体が反応したのか。

 

 自らの目から生み出した光の鞭を体にまとい、防御を固めようとした。

 けれど、ゲイルたちの動きは、止まる事は無い。

  

 三者三様の構えから放たれるのは、それぞれが持つ、超威力の一撃。


「竜炎の覇王撃!」

「――フリーズ・アイスブレイク」

「奥義・右拳一閃ライトニングストレート……!!」


 右方からは竜を象った炎の塊が。

 左方からは氷山のような氷を携えた足を振り下ろす一撃が。

 そして前方からは、光の奔流と共に突き出される、強大で分厚い拳圧が。


 迷うことなく、一斉にウロボロスに向かった。


「――!?」


 三つとも、コアを破壊し、砕くであろう技。

 一発でも当たりさえすれば倒せる。

 そんな力が。

 

 避ける隙間も時間もすり潰し、ウロボロスに直撃した。


 そしてこの日。

 このタイミングで。

 ウロボロスの第二頭は、三度、木っ端みじんに崩壊した。





「さあ、種はばれているんだ。長引かせずに、終わりにするぞ、ウロボロス」

 

 ウロボロスを倒すために、今の俺がやる事は単純だ。それは、


 ……味方が、第二頭を破壊すると信じて攻撃を放つ事……。


 そうだ。それだけに集中すればいい。

 

「いくぞ、ウロボロス」


 俺は、剣を振り上げて構える。

 使うのは、かつて仲間と共に戦った時に使っていた技。


「今こそ、竜神の連撃を見せよう――!」


 言葉と共に魔力を剣に集中させる。

 すると、構えた剣の周囲に巨大な牙が生み出される。

 これは、同時撃波を求められる魔獣に対して効果的な、休む間を与えない、強力な連撃。


「竜神の暴食斬ドラグニール・フォースバイト……!」


 魔力によって構成された複数の牙が、上下から相手を切り刻み続ける、そんな技を、

 

「――!」

 

 力を込めて、ウロボロスの第一頭に向けて放った。

 

「……グガア……ッ!!」


 自分よりも巨大な牙を前に、怯えたのか竦んだのか、一瞬動きを止めたウロボロスはしかし、首を振り、八目から光の鞭を生み出した。

 

 そのまま俺の剣と、技を迎撃しようとするが――

 

「――?!」


 光の鞭を千切りながら、剣の牙はウロボロスの頭に突き刺さった。

 そのまま荒々しい、魔力で象られた牙の斬撃が、ウロボロスの首と頭を、食いちぎり。

 そして、逆鱗の奥にあるコアごと、両断し、粉砕した。そして――


「――ォォ……」


 第二頭のコアも破壊できていたようで。

 ウロボロスの全身は塵のように崩れて落ちていくのだった。



 人間界では、カトレアや牡丹達が、ウロボロスの消滅を確認していた。


「ウロボロスが消えていく!」

「ということは――向こうでもアクセルさんが!?」

「ああ、成功させたようじゃな。……やはりいつみても、凄いのう、勇者というものは」

「え、ええ。あれが勇者たちの戦闘というもの、なのですね……」

「そうじゃな。魔王と魔人と魔獣を倒し続けてきた、力の持ち主たちであり――ともに戦う仲間を信頼している、パーティーなのじゃな……」




 ウロボロスの巨体が切り裂かれ、四散する瞬間。 

 精霊都市インボルグの宮殿に設けられた窓から、パルムは、ローリエと共にそれを見上げていた。

 

「なんて力、ですか……」

「運び屋アクセル……。噂に聞いている以上に、強くて凄い人だったのね……」


 二人は共に感嘆の声を上げる

 宮殿の外からは、精霊都市の住人達からの歓声が聞こえてきた。。


 その中に、戦闘を終えたアクセルは下りていく。

 

 その姿を見て、そして隣にいるローリエを見て、パルムは言葉をこぼす。隣にいるローリエにすら聞こえないほどの小さな声で。

 

「ああ。この人なら、助けてくれるかもしれません……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●新連載作品のお知らせ
 12月に始めたばかりなこちらの連載も、是非、お読み頂ければ頂けると嬉しいです!
《毒使い》の《薬師》が、聖竜、邪竜と共に、薬屋をやって依頼解決したり、無双したりして成り上がる話です!
 無価値と呼ばれた二竜を拾った《薬師》、邪竜と聖竜の主となる~最強暗殺者の《毒使い》、表舞台で《龍の薬師》として信頼されてます
https://ncode.syosetu.com/n2984jv/
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ