表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます  作者: あまうい白一
第5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

151/177

29話 狭間の間

 強風が向かってくる中、龍の体を走ること、少し。


「見つけたぞ……」


 俺は、ウロボロスの体の終点を見つけた。

 そう。真っ黒な角の生えた八目の、第一頭だ。

 

 口の周りに、黒くよどんだ魔力がにじみ出ているその第一頭は、

 

「……!!」


 自分の体を駆けてくることが分かったのか、八つの目がわずかに細まる。

 そして身のくねらせをさらに強くするが、

 

「首をくねらせた程度で、落ちるわけがないだろう……」


 不安定な体の龍には、乗りなれているのだ。

 足場が揺れる程度では、何ら問題はない。

 

 そのまま、俺は走りを続行し、 


「引きこもりもここまでだウロボロス。鈴を鳴らすぞ……」


 第一頭まで数メートルの地点で、ローリエらと約束した通り精霊の呼び鈴を五回鳴らした。

 すると、その瞬間、


 ――ピキリ 


 と、下方に、光の亀裂が生まれ、岸が見えた。

 見覚えのある、精霊界への出口だ。

 

「ォォ……!!」


 第一頭の近くに、精霊界の出口が生まれてしまうことに焦ったのか、ウロボロスはさらに体を波打たせ、暴れる。

 

「よほど、外には出たくないみたいだな」


 けれど、そういうわけにはいかない。

 

 俺は、首を暴れさせるウロボロスから一旦、飛んで離れた。

 強風を受け流しながら着地するのは、やや上方に生まれた、精霊道。

 

 そこに足を置き、下方を見た。

 ウロボロスと、その奥にある出口を。その体勢から放つのは、

 

「【竜脚】(ドラゴンキック)からの【竜脚】の二段接続……!」


 龍を蹴り飛ばす蹴りだ。

 その勢いをもって精霊道を蹴って、下に(・・)飛んだ。そして――

  

「さあ、そのでかい図体の一部を、向こうの世界に運ぼうか」


 その勢いと、さらにスキルの力を重ねて、ウロボロスの首元を蹴り飛ばした。


「――グオオ!?」


 それだけで、ウロボロスの頭は下方へと吹き飛ぶ。

 そう、精霊姫が形作ってくれた、インボルグへの出口へと。


 そして、ウロボロスの頭が出口に激突した瞬間、


 ――パリン

 

 という音を立てて。

 世界が、割れた。


 そこから俺の目の前に現れたのは、

 

「インボルグの上空か……!」


 そう。街並みを一望できるほどの高空に、躍り出たのだ。


「親友。この龍、たっけえところに頭を置いていたんだな」

「ああ、こんな空に潜んでいるとは、大胆な奴だ」


 言いながら俺は足元の、ウロボロスを見る。

 

 鎌首をもたげ、ひねり、その八つの目をこちらに向けていた。

 明らかな殺意と敵意を持った、そんな目で。


「ここからが本番だな。落下中だけど、気を抜くなよ?」

「勿論だぜ、親友!」


 ウロボロスの首に乗った状態で、俺は剣を構える。


「さあ、ウロボロス。お前には、この精霊界の空の下で、敗北を運ぼうか」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●新連載作品のお知らせ
 12月に始めたばかりなこちらの連載も、是非、お読み頂ければ頂けると嬉しいです!
《毒使い》の《薬師》が、聖竜、邪竜と共に、薬屋をやって依頼解決したり、無双したりして成り上がる話です!
 無価値と呼ばれた二竜を拾った《薬師》、邪竜と聖竜の主となる~最強暗殺者の《毒使い》、表舞台で《龍の薬師》として信頼されてます
https://ncode.syosetu.com/n2984jv/
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ