28話 尾の龍
「サキ、バーゼリア! 遅れて済まぬ!」
別箇所の警戒をしていたカトレアは、牡丹たちと共に、ウロボロスの咆哮を聞いて、サキやバーゼリア達がいる場所まで駆けつけてきていた。
見た限りでは、作戦通り前方でゲイルが戦っていて、サキやバーゼリアたちが職員たちの避難をしているようだけれども。
「みんなは無事か!? けが人は!」
「いくらか出ていますが、今のところ死人はゼロです。ひとまず、職員たちの撤退は終わって、動けない人は医療ギルドの方々に応急処置をしてもらっているところです」
サキがそう冷静に答えた。
「そ、そうか。戦況はどうじゃ」
「それについては順調です。予定通り、アブソルウェントが向こうで抑えてくれていますので」
と言いながら、サキは視線をゲイルの方へ向けた。
そこでは、八目の首長龍と、拳でやり合っている鬼の姿があった。
「一人であの龍をいなしている……。口では言っていたが、本当に出来るのじゃな……」
ウロボロスはその八目から光の鞭を幾本も生み出して、振り回し、暴れている。だが、
「ぬん……!!」
ゲイルは、その生み出された光の鞭を受け止め、束ね、地面に縫い付けていた。
その行為には、カトレアだけではなく、周辺で見ていた職員たちも驚きの表情を浮かべていて、
「あ、あの鞭は、一本だけでも大木をなぎ倒す威力がある筈よ…………」
「それを拳帝の勇者は……まとめて肉体だけで受け止めてんのかよ……!?」
そんな、悲鳴のような声まで上がってくる。
「が、頑丈すぎじゃな、彼は……」
「ええ、ゲイルは、固さにおいては、勇者随一ですからね」
「近接戦の技術もご主人といい勝負だしね。このくらいの芸当は出来るよね」
サキやバーゼリアだけは、ゲイルの行動に驚いていないようだった。
「……さて、それでは避難も終わったところで、私たちも参加と行きますかハイドラ」
「もちろん。本気で行くよ、リズノワール! ゲイルに負けてられないし、活躍をちゃんとして、ご主人に褒めてもらいたいからね!」




