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最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます  作者: あまうい白一
第四章

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6話 過去の繋がり

それは大きなハサミのマークが刻まれた門を持つ三階建ての建物だった。

 

「ここで、いいんだよな」

「ああ。そうだぜ、親友。ここが考古学ギルド『スコルピオ』だ」


 あそこに看板もあるぜ、とデイジーは門の脇を指し示す。

 そこには『考古学ギルド受付。ご用の方は奥へどうぞ』との文字と、ハサミのマークが掘られた看板があった。

  

「奥へってことは、勝手に門を開けて入ってもいいのかね」

「多分。オレがこっちにいた時は、普通に出入りしていたからな」

 

 じゃあ、今回もそうしてはいってみようか、と俺が門に近づこうとした。そのタイミングで、

 ギ、と重たい音を立てて扉が開いた。


 中から現れたのは、浅黒い肌をした若い女性だ。彼女は、扉の前にいたこちらを見ると、


「え……?」


 と、目を丸くして声を上げた。何か驚くべきものを見るかのように。更には、


「あ、貴方達! だ、大丈夫ですか!?」


 慌てたようにそんな事を言ってきた。


「えっと……大丈夫というと、何がだ?」

「何がって……貴方はこの嵐の中、顔色が変わっていない……? 貴方達は一体……って、あれ?」


 首を傾げつつ、彼女は俺たちに視線を向けて来る。そんな彼女に対し、俺の胸ポケットに隠れていたデイジーがひょっこりと顔を出し、手を上げた。

 

「よお、おひさだな、ミカエラ」


 その姿を見て、デイジーは再び目を見開いた。

 

「で、デイジーさん!? そ、それに後ろにいらっしゃるのは、勇者様パーティーの方々、じゃないですか……!」

「そうだぜ。今日は、仲間と一緒に来させて貰ったんだ」


 デイジーは気楽な話し方をしている。

 人見知りで、基本的に警戒心が強めなデイジーがこの態度を取るという事は、


「この女性が、君の古い知り合いか、デイジー?」

「ああ、考古学ギルド長を務める一人でな。前もこの街にいた時、話していたんだよ」

「ギルド長の、一人?」


 俺が声を上げると、目の前の、ミカエラと呼ばれた女性がこくこくと頷いていた。


「あ、は、はい。私は確かにギルド長ですが……デイジーさんはいつからこの街に……。というか、な、なんで、皆さんは、その装備でこの砂嵐の中で平気な顔をしていらっしゃるんです……か? もしかして魔力や耐性能力が高いから……」

「平気な顔って? それに耐性とか、砂嵐とか……何かあるのか?」


 聞くと彼女は、表情から慌ての色を消した上で、ええと……、と口をもごもごとさせる。そんなとき、背後のドアが再び開いた。

 

 そこから出てきたのは女性だ。ギルドの職員だろうか。考古学ギルドの看板にあったハサミマークが刻まれた服を着用している。そして、

 

「研究長! そろそろ『紫嵐』が本格化してきますから。外門の戸締りはいいので、戻られてください!」


 彼女はミカエラにそんな事を告げた後、俺たちに気付いたらしい。


「え?」


 と声を上げた。更には、

 

「け、研究長? なんでこの方々は、この紫嵐の中、息も切らしていないのですか?」


 そんな驚きの声も上げてくる。

 ミカエラと同じ反応だ。

 

 ……どうやら、この環境で自分達が普通にしていられるのは、驚くべき事らしいな。

 

 彼女たちの態度を見れば、それ位は分かる。

 そんな事を俺が思っている間に、口をもごもごさせていたミカエラは、考えをまとめたらしい。 

「えっと……何と言うか、少しごちゃごちゃしてきましたが、諸々説明させて貰いたいので、まずは中へどうぞ。会議室でお話しをしましょう。そして、ジュリ、そう言う訳なので、この方々は私のお客さんでして、部屋の用意をお願いします」


 ミカエラは、己の背後にいた職員にそう声を掛けた。

 

「は、はい!」

 

 職員はその指示に頷くと、奥の方へと走って戻っていった。

 

「私たちも入りましょう。これから砂嵐が本格化してきますから。音も煩くなるでしょうし。お話もしやすいですから」

「ああ、お気遣い、有り難う、ミカエラさん」


 そうして、慌ただしくも丁寧な口調のミカエラによって、俺たちは考古学ギルドへと迎え入れられるのだった。

私の別作品である『100人の英雄を育てた最強預言者』の書籍版1巻が、先週、6/19に発売されています! 

とても面白く仕上がっているので、是非、読んで頂ければ嬉しいです。


そして、いつも応援ありがとうございます!

面白いと思って頂けましたら、下のブクマ、評価など、よろしくお願いします!


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