002.西カリマンタン軌道エレベーター襲撃事件
西暦2111年 快適とは言えない空の棺の中、ローターとクイックジェットの入り混じる音。
澄み切った青空の下、透き通る程の海、天国と地獄の境目は刹那の時であったと思う。
敵(大斉国?)からミサイルとドローンの複合獣をひたすら迎撃し続けた、敵の飽和攻撃が目覚めれぬ悪夢の様に思えた。十字に展開した90式ドローン空母群の中で私達は一番守り難い下段。
<警告音>コンソール表示には敵ドローン群の無慈悲な展開予測図と対応コマンドをが表示される。
AAD(空対空ドローン)は搭載された32体、出し惜しみ無く展開済みだ。
<特攻3機抜け、本機へ衝突コース、回避も迎撃も怪しい、後ろにはエレベー>相棒へ思考チャットを送る。
展開済み32体のドローンは90式搭載AIと公団オペセンターのオペレーターが平行操作しているのでこちらで打てる手は少ない。
そもそも下段にはカバー出来る物量の限界値を超えて撃ち込まれている。
手動脱出機構は既に安全なタイミングではない。迎撃を選択、これは判断ミスであったのか?
「敵のオペレーターは脱出したパイロットを狙う「趣味」を持つ」、ふとそんな噂を思い出した。
敵のドローンが向かってくる、迎撃用12.7mmコイルガン2門の射撃用意、その瞬間に敵ドローンは短時迷彩を発動。
ハヤト(愛機)の弾道予測AIが計算済みのコースへの射撃要請を求める、許可、火線がチラつく、感触は撃墜2か。
<一発食らうな> 相方から思考チャットが届く<<そうか、お前と死ぬのも悪く>> <耐ショック! >ガザサ その言葉は最後まで聞けなかった。
その後の暗闇は長いか短いかよく分からなかった。
夢と暗闇の合間に考える、無言で強制排出するべきだったのか? その追求をされた事は未だに無い、国からも、相方(親友)からも。ずっと未来まで何も言われなかった。
赤松恵子、戸籍上は17歳。古い戸籍から換算する場合2116年で31歳。
赤松敬(26(2111年時)) 南海軍備社社員 西カリマンタン支部所属 90式D空母火器管制パイロット
3歳の頃に南海軍備社社員へ「就職」する。
2111年、事故後遺症により退職。
後遺症は四肢切除五感欠如に至る負傷。功績により1等仮想住民権を取得、ヘッドポッターとして仮想日本(VJP)での生活を始める。
過去に傷害2件 未成年喫煙 飲酒 マリファナ所持 等の前科あり
特技はヤクザキック(ドアノックキック)
性格は用意周到、根に持つ、たまに嘘を付く、皮肉屋、興味本位が強い、わりと哲学的。
顔は女生徒になっても男前で中世的だが、本人は男も女も好きではないようだ。
種族はヘッドポッター(首のみの人)