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久保正繁天下統一記  作者: S-melt
久保正繁天下統一記 九州編
8/12

第八話 古沼原の戦い

〈多田軍中央 石川郡楼 隊〉


石川郡楼「何だ…?何を企んでいる…?由利根軍は…」

    「気がかりなのは先鋒の二人…勝手に動いてくれるなよ……。」 



〈多田軍先鋒 寺田真善 石田室信 隊〉


寺田真善「納得いかァァん!!」 バカァァン!!ゴロゴロッ!


椅子を蹴りつけ怒る寺田真善


石田室信「一人で何を騒がしい!落ち着かぬか!そしてそれはオレの椅子だ!」


寺田真善「うっせぇ!落ち着いてられるか!」イライラ

    「すぐそこに敵総大将の部隊がいるんだぞ!! 何故に突撃許可が降りんのだ!」


石田室信「オレも同じ気持ちだから黙らぬか! 軍師の石川郡楼殿が待てと言っているのだから少しは待て!お主は馬鹿か!」


寺田真善「んだてめぇ、由利根兵どもの前にてめぇの首落すぞ!!」

    

石田室信「何だと?やれるもんならやってみろや!」


寺田真善「オォウ!コラァ!」チャキンッ!!


多田兵「落ち着いて下さいませ!!!」ガシッガシッ!


数人で寺田真善を抑える兵士たち。


寺田真善「クソッタレェ!!」



〈由利根軍中央隊〉


門田義満「正繁よ…そう簡単にあの策が上手くいくのか…今殿に突撃でもされたら…」


久保正繁「敵の軍師…石川郡楼だったっけか。 慎重な奴って聞いてるからな、こんな怪しい奴には攻撃してこんだろう…」


吉田重治「その軍師の石川郡楼が実質的な多田軍の統率をしているらしいぞ。」


久保正繁「ふぅん… じゃあ今回は 寺田真善 石田室信 石川郡楼 この三人を討ち取るのを目標としよう。この三人を討ち取れば流石に多田軍も崩れるだろうからなぁ。」


吉田重治「敵の主力を一気に三人も討ち取る…と?」


門田義満「それくらいやるしかないのか…」


久保正繁「ええ、それくらいしなければ今回は勝てませんよ。」

    

    「ではそろそろ始めてもらいますか…殿!」



〈多田軍の目前 由利根頼信 本隊〉


由利根伝令兵「殿!久保正繁殿より開始してほしいとのこと!」


由利根頼信「あいわかった。……ついにやるのか。」


     「…ワシは由利根家の主じゃ!腹を決めろ!!」


スッ…… ババッ!!

     「敵の先鋒に向け突撃じゃ!!!!!!」


由利根兵「ウォォォォォォォォォ!!!」 グチャグチャグチャグチャ!



多田兵「……ん?足音?」グチャグチャグチャグチャ!


由利根兵「オォォーーー!!!」


多田兵「な、な!!??」


由利根兵「死ねェェ!」グサァッ!


多田兵「グァァァ!」「ゲハァァッ!」「グギャァ!」


   「敵の奇襲だぁぁぁ!後ろまで伝令を回せぇぇ!」



〈多田軍中央 石川郡楼 隊〉


多田伝令兵「で、伝令!敵の由利根頼信の隊が突如我が先鋒隊に奇襲を!!」


石川郡楼「な、なに!!?」

    (っち!ハッタリだったのか!迂闊だった!!)

    「左右の隊に包囲するように伝えよ!先鋒は全力で追い返すように!!」


多田伝令兵「ハッッ!」パカラッパカラッパカッ


石川郡楼「上手く仕掛けたつもりだろうが… 石田室信、寺田真善…そう簡単に破れると思うな!」


〈多田軍先鋒 石田室信 寺田真善 隊〉


石田室信「ほう総大将自ら奇襲とは中々粋なことをする。」

   

寺田真善「おのれぇだから早めに叩こうと言っていたのだ!」


石田室信「よぉし!ならばオレが前に出よう!槍を持てい!」


多田兵「ハッここに!」パシッ!ブブンブブンブン!


石田室信「ハッハ!この槍の回す感じ堪らんわぁ!!」


寺田真善「何をォ!貴様一人に前に行かしてたまるか!オレも出るぞォ!」 ブルンブルン!!


石田室信「どちらが早く総大将の首を獲るか…」


寺田真善「あぁ!受けてたってやろう!負けた方は…裸で城下二周りでどうだ?」


石田室信「五周でかまわんぞ!」


寺田真善「なら交渉成立だ!フンッ!」 ヒヒイィーン!パカラパカラ!


石田室信「てめ!先に行くな!」パカラッパカラッ!


多田兵「石田殿、寺田殿に続けぇ!!」



〈多田軍右翼 茂山千作 岩崎忠常 岩崎寺左衛門 隊〉


多田伝令兵「石川郡楼殿より伝令!先鋒に突撃して来た敵へ右から仕掛けろとの由!」


茂山千作「あいわかった… 進軍する。」


岩崎忠常「よっしゃ!やっと動ける!」


岩崎寺左衛門「フン…やるか」



〈多田軍左翼 牧田利重 牧田利成 隊〉


多田伝令兵「石川郡楼殿よりでんれ……」


牧田利重「おう分かっとるわ敵先鋒を挟撃じゃろう?」


多田伝令兵「は、はい!」


牧田利重「よぉし!進めい!」


牧田利成「早急に進軍するぞ!!」


多田兵「オォォウ!!」


ついに戦況が動いた。 そして…由利根家も動く。



〈戦場の中央前線〉


由利根頼信「押せい!押せい!侵略者どもをこれ以上好きにさせるでないぞ!」


由利根兵「オオオゥ!!行けぇ!!」


多田兵「グワァ!」 「ひ、ひぃ!」 「な、なんだこの奴らの士気は!」  「に、逃げろぉ!」


多田軍先鋒が押されて引きはじめる。


由利根頼信「引いてるぞ!押し込め!」


由利根兵「よぉし!いけるぞ!」「進めぇぇ!」


バチャバチャッバチャバチャッバチャバチャ!!


由利根兵「ん?なんだ?」


バチャバチャッッ! ワァァァーー!!


石田室信「叩き潰せい!者共ぉ!!」


寺田真善「引くでないぞ!向って殺せい!行くぞぉ!」


多田騎馬兵「オオオオオオオオオオオオ!!」


多田兵「寺田殿と石田殿だ!」「よっしゃぁ!」「これでいけるぞぉ!」 



由利根兵「なんだ!?騎馬隊だと!?」「やつら取って返しやがる!」


多田兵「ウラァァ!」「ドラァァ!」


由利根兵「ウヒャァ!」「ノボホォオ!」グシャ!


石田室信「敵は引いてるぞぉ!押し込め!押し込めえい!」


由利根頼信「引けぇ引けぇ!」

     (これで良いのだな頼むぞ!正繁!)



〈由利根軍中央〉


ギュッッ ギュッギュ ガシャガシャ


久保正繁「馬は置いてゆくぞ。古沼原の中央は沼地、馬は使えぬ。敵の先鋒はお構いなしのようだがな。」


由利根兵「ハッ!」


吉田重治「我らの隊はもう行けるぞ」


門田義満「ワシらもじゃ。」


久保正繁「わかり申した…では行きましょう。あと伝令を各隊に。作戦開始、と。」



〈戦場中央先鋒〉


由利根頼信「引くのだぁ!」


由利根兵「ひぃ!」「ん?なぁ!右から横槍ぃ!」


多田兵「ウオオオオオオオオオオオ!!」 ピチャッッバチャバチャ!


ザスザスザスッ!ズジャシャシャ!!


由利根兵「ぐええ!」「ヌハァァ!」


茂山千作「右からの攻撃に成功…」


由利根頼信「な、敵の右翼がここまで来たのか!?」


由利根兵「ひ、左からも敵襲!」


多田兵「オラァァァァァァ!」バチャバチャババババッ


由利根兵「ひ、ひぃぃぃ!逃げろぉ!」


由利根頼信「隊列を乱すな!落ち着け者共!」


牧田利重「挟撃成功じゃのう!軽いものだ!」


牧田利成「さぁ残りを蹴散らしてしまえい!殺せぇ!」


            ⏬

            ⏬

久保正繁「なるほど…左翼と右翼をここまで上げて完璧に大将首を取りにきたか… これはグズグズしてられんなぁ 合図じゃ!

 決着をつける!」


由利根兵「ハッ!伝令を回せい!」


            ⏬

            ⏬

由利根頼久「合図か、よし動くぞ!」


由利根兵「おう!」


            ⏬

            ⏬

田沢義春「よし!出るぞ者共!」


田沢義平「多田兵を一人も生かすでないぞ!!」


由利根兵「おおおおお!」 ダダダッグチャ


            ⏬

            ⏬

土井義介「さて、待ちくたびれたわい!行くぞ!」


由利根兵「オオオオゥゥ!!」 グチャグチャ!



合図の伝令と共に由利根軍が先鋒の包囲されている由利根頼信の隊に突っ込んだ。


ある部隊を除いて。

          

            ⏬

            ⏬

多田兵「敵の全軍出ましたっ!先鋒に突っ込んで来る模様!」


石川郡楼「ふん、総大将が囲まれて焦ったか?その程度の反撃は予想済みよ!」


            ⏬

            ⏬

〈戦場中央〉


由利根兵「後ろから援軍が来たぞぉ!!」


由利根兵「援軍!?援軍だと?」


由利根頼信「皆、踏ん張れ!援軍が来たぞ!!」



〈中央右翼〉

牧田利重「ん?援軍か?オイオイ我らの軍師の予想通りじゃねぇか! オイ!利成!!」


牧田利成「おうわかっとるわ!援軍はワシが相手する。兄貴は包囲を続けろ!」



〈中央左翼〉

茂山千作「……岩崎兄弟。出ろ。」


岩崎寺左衛門「ハッ!お任せ下さい!」


岩崎忠常「へえ、いっちょやるか」



〈戦場中央〉


石田室信「援軍か?下らん!蹴散らしてやれい!」


寺田真善「攻撃を緩めるでないぞォ!!」


多田兵「オオオオオオオオオオオオ!」グチャグチャグチャ!



久保正繁「予想通り、奴ら我らに食いついたな」


吉田重治「ああ、そのようだな」


久保正繁「下知を。これで終わらせる。」


           ⏬

           ⏬


ガザガザッッガザガザッッ


??「そろそろ合図の模様です。」


??「下知を。」


??「よし出るぞ。敵の右翼を喰い破る。」



芦の草原に隠れているのは 由利根頼久隊だった。



由利根頼久「我らがこの戦の鍵を握っている……。 負けられぬ!行くぞ!」


由利根兵「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」



由利根頼久が動いた。そして合戦も大きく動く。





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