第七話 掛けるか掛かるか
多田義房「さて…着いたな…」
多田吉峰「一揉みにいたしましょうか?」
多田氏元「早く終わらせて酒じゃ!」
石田室信「我が隊のみで結構ですぞ突撃の下知を!」
寺田真善「いや!我が隊だけで結構!我に出撃の命を!」
石田室信「何を!!貴様!」
寺田真善「なんだ文句あんのか!」
石川郡楼「おいおい落ち着け二人共、敵の待ち構える所に突撃は流石に無謀じゃ」
牧田利重「うむ、その通りじゃ」
茂山千作「……」
石川郡楼「とりあえず鶴翼の陣に並べい!それと…石田と寺田!」
石田室信&寺田真善「うん?はい?」
石川郡楼「お主らに先鋒を任せる。先に大将首を挙げた方の勝ちということで勝負しろ」
石田室信「おお!そりゃあいい!」
寺田真善「いいじゃねーか!なら先に位置につくとするかぁ!」
石川郡楼(頭は馬鹿な二人だが…先鋒を任せれば右に出る者は居らんよコイツラに…)
「さぁどう出る由利根軍」ニヤァ
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由利根兵「伝令!!多田家の軍勢八千が正面に着きましてございます!」
久保正繁「へぇ、意外に早かったな。して陣容は?」
由利根兵「ハッ! 鶴翼の陣にて正面に布陣している模様!」
久保正繁「鶴翼…ねぇ では各々方手筈通りに…」
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多田兵「石川殿!ご報告!由利根軍の陣が変わりましてございます!」
石川郡楼「ん?陣が変わっただと?」
多田兵「はい!ゆ、由利根頼信ら五百人が自ら孤立し前線へ!」
石川郡楼「なんだと!?総大将が!?」
(きな臭い…何かあるのか…?ハッタリなのか…?どちらにしろ下手に手出しはできんな…)
パカラッパカラッパカラッ ガシャ!
多田兵「石川殿!我は石田室信殿の使いの者!石田殿が出撃を求めております!出撃の許可を!」
石川郡楼「ならん!大人しく時を待つように伝えろ!寺田真善にもな!」
(そりゃあの二人なら目の前で大将が孤立してるのに黙ってるわけがないわな…)
「妙な展開になってきやがった…」
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久保正繁「まぁこれで引っかかる訳はないわなぁこんな怪しいやつに引っ掛かったら流石に引くわ… しかし、次なる一手は多田軍は乗るしかない。絶対にな。」
「殿に合図を!」
由利根兵「ハハッ!」
久保正繁(これで積み将棋だ多田軍ども!)
由利根軍が今まさに動いた…!!
陣容
多田軍 八千人
中央先手に 石田室信隊 寺田真善隊 千人
中央に 石川郡楼隊 千人
中央二番手に 多田氏元隊 多田吉峰隊 千人
中央は都合 三千人
右翼に 茂山千作隊 岩崎忠常・岩崎寺左衛門隊 千人
左翼に 牧田利重隊 牧田利成隊 千人
本陣前に 多田頼方隊 五百人
本陣 総大将 多田義房隊 二千五百人 以上
由利根軍 三千五百人
中央前線孤立 総大将 由利根頼信隊 五百人
中央 久保正繁隊 吉田重治隊 門田義満隊 千人
左中央 土井義介隊 七百人
右中央 田沢義平・田沢義春隊 七百人
?? 由利根頼久隊 六百人 以上