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銀月の狼 人獣の王たち  作者: 不某逸馬
最終部 最終章「銀月の狼と人獣の王たち」
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序幕〈プロローグ:巨竜大戦〉

ラストイヤーのゴールデンウイークSP 毎日投稿6日目! その2



 その歌の作者は、不明だった。


 誰がいつ詠んだ歌なのか、知る者はいない。そう言われていた。

 はっきりしているのは遥か昔、数百年以上前から詠い継がれ続けてきたという事。


 だが、本当に誰も知らないわけではなかった。

 知っている者も、世界中でほんの数名だが、いた。



 この歌が千年近い時を生きた、エポスの一人が広めたものだと言う事を。

 いや、エポスの一人だった者(・・・・・・・・・・)と言うべきか。



 〝黒衣の魔女〟エッダ。



 歌の作り手の名である。


 彼女は詠った――。



――――



 懐郷の夜の日


 そなたの眠りは終わりを告げた


 目覚めよ、獣たち


 斃れたる戦士たちよ!


 目覚めよと呪文を唱えて


 そなたたちを呼び出さん!


 窓の向こうには


 おお! 虹の幕がかかる!


 祈りては今こそ


 願いは永遠とわに叶えられん!


 始まりの日よ! 始まりの日よ!


 今こそ懐郷に帰らん!



――――



 ……もし今ここにエッダが生きていたならば、まさに現実が、この歌の通りになったと言ったであろうか。


 彼女の消えた今、それを知る術はもうない。


 だがこの歌が世界の終わりとはじまりを詠んだものであり、二つの異なる世界を繋ぐ予言であり祝福であるという事を、いずれ人々は知る事になるのかもしれない。

 気付いた時には、もうとうに手遅れだろうが。



 果たして〝世界〟は書き換えられ、この世の人々は新たな創造の隷属となるのか。


 それとも痛みと混乱に満ちた自由を手に入れるのか。


 今、最後の舞台の幕が上がる――。

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