設定用語集 錬獣術編
本作に出てくる様々な用語をまとめてみました。
※読まなくても、本編は楽しめます。
あれ?あの言葉なんだったっけ?って時に読む用のものです。
これは専門用語の内、〈鎧獣〉を作る技、錬獣術に関する用語をまとめた設定集その1です。
★『錬獣術』
〈鎧獣〉を作り出す技術。またはその学問大系全般を指す。
モデルは錬金術。ただし、錬成するのは人造生物。
〈鎧獣〉の精製過程(簡易版)
1.〈神之目〉持ちの動物から、〈神之目〉を取り出す。
2.〈神之目〉をそれぞれの動物にあったサイズの容器に入れる。
3.容器にはあらかじめ、調合された溶液や薬剤を入れておく。
4.適度な熱を与え、発芽するのを待つ。
5.発芽成功すれば、〈神之目〉より肉片が出来はじめる。
6.熱を止め、保温状態にし、肉片の増加を待つ。
7.この時点で薬剤などのアレンジを加える。これにより完成の出来が大きく左右される。
8.ここまでで、約1ヶ月ほど。
9.ここからは7をしながら様子を見る。肉体が形成されるまで約半年ほど(個体差はある)。
10.肉体が作られると、授器を制作。同時に、溶液から出し、学習過程に入る。
11.全てが終了し、完成。
かなり端折った内容だが、おおまかにはこんな風に作られる。
また、捕獲した野生動物から〈神之目〉を抜き出す際、昔は殺して取っていたが、一部の動物が絶滅の危機にあったりするなどし、また、外科技術の発達により、現在は殺さずに取る方法が確立されている。
★『錬獣術師』
錬獣術を扱う技能者の事。
この世界では、最高峰の知識階級に相当し、扱いも貴族並み。
最高の科学者であると同時に、医学者、動物学者、動物医者、数学者でもある。
特に優秀な錬獣術師ともなれば、国家の垣根を超えて、特別待遇でもてなされる事もしばしば。優秀な錬獣術師が多い国こそ、強国であるとも言える。
また、錬獣術師は、その特殊性もあり、基本フリーパスで国家間や都市間を行き来出来る事が多い。錬獣術師の認可札さえ常備していれば、ほとんどの都市や国も、フリーパス扱いで通行を許可してくれる。
この認可札は、職人以上から携行を許される。
イーリオは最初、父からこの札を渡され、これで旅をしろと言われたのである。
序列・位階:
工聖
工匠
職人
見習い
となる。
主人公のイーリオ、は本来一番下の見習いなのだが、ムスタが、旅をするにあたって特別に職人の許可書を与えた。
★『獣使術』
錬獣術の応用で、擬似生命を作り出し、使役する術の事。陰陽術の式神のようなものと思えばOK。
この世界唯一の魔法的な便利な技。ただし、魔法のように何でも出来る訳でもないし、超常の技が出来るわけではない。
基本は、上記の〈鎧獣〉の精製を応用したもので、〈神之目〉を溶液入りの短筒(ガラス試験管のようなもの)に入れ、〈鎧獣〉の精製とは配合の異なった薬剤などなどをそこに足す。
短筒には仕掛けが施してあり、ナルボット(駅弁を暖めるヤツ)のように、瞬間的な発熱ユニットを接合できる。
それで、短筒を熱し、また、発現用の薬剤の投入により、擬似動物を形成。
擬似動物は、擬獣と呼ばれ、体はうっすら透け、乳白色。あくまで、〈神之目〉に蓄えられた動物の情報を、簡易で読み込んだだけなので、数時間程度しか維持出来ない。
この擬獣は、発現時、青味がかった白煙が短筒から吹き出て、そこから表れる(忍術の煙みたいな)。
獣使術の最大の特徴は、〈鎧獣〉のように大きさの制限がないという事。
基本、どんな動物も作り出せる。
また、他の動物や化学の特性を付与させる事で、様々な異能を使える事が出来る他、仕掛けで、ラジコンのように、操作する事も可能。
カメレオンの保護色などを付与させ、〝姿を消せる猿〟や、魚に鳥や飛行する虫の仕組みを与え、〝空を飛ぶ魚〟なども精製可能。
ただし、一度に使用出来る〈神之目〉の数は最大5個までが限度。
さらに、高等動物になればなるほど、使役は困難になり、例えば猿なら〈神之目〉3個分の容量を食われる、などの発動条件がある。
また、獣使術を更に応用して、〈鎧獣騎士〉に、擬獣のような異能を付与する事も出来る。これは術の中でも奥義にあたる。
★『獣使師』
上記、獣使術を使う術者の事。
最近出来たばかりの術なので、使用者はほとんどいない。
★『擬獣』
上記、獣使術によって生み出される擬似生命、擬似動物。陰陽術の式神のようなものと思えばOK。
詳しくは、上記、獣使術を一読。動物の大きさの制限はないが、条件として、〈鎧獣〉の〈神之目〉からは作り出す事は出来ない。理由は、〈鎧獣〉は既に、精製過程を経ているから。




