紡ぐ。言葉。そして。
大切な大切な君へ。貴方へ。
僕から。
私から。
言葉を紡ごう。
約束通りの、思い通りの。
想い通りの。想うままの。
僕は、君のことが好き。
声しか知らない、顔しか知らない、
温もりしか知らない、言葉しか知らない。
ほんとの君の名前も知らない。君が好き。
私は、君のことが好き。
言葉をくれる、暖かさをくれる、
守ってくれる、包んでくれる、
ほんとの私の名前も知らない。君が好き。
私は紫の蘭だった、
愛でられて、君に愛されて。
此処までやっと
辿り着いたよ。
紫蘭の花は嫌いだった。
言葉しか紡げなくて。
君に想いしか紡げなくて。
行動になんて出来ないから。
花は地面に根っこが付いたまま、一生終えてしまうから。
だから、花じゃなくて、一人の女の子になりたくて
そっとそっと、君に、貴方に近付いてみた。
優しく、そっと、寄り添うように。
此処で、そっと。ひっそりと。
私が今持ってるものは大きくて、けれど小さくて。
だけど確かに、現実で。
私は振りほどくことが出来ない。
けれど、貴方が好き。
貴方を見ると笑えないのは寂しいから。
貴方のそれ以上になれないから。
いつか振りほどいて、本心で。
本気で寂しそうなんて言わせないくらいに。
飛びっきりの笑顔。
見せたいの。
From...Shiran