第一章【戦士としての日々】バンパイア編
人間編とバンパイア編を書き分けているのでストーリーの進みは悪いですがラットとディムの交差する思いをお楽しみ下さい
つい先刻谷に攻めいった
それは俺が団長をつとめるバンパイアの世界では有名な傭兵団【一陣の風】とアルフ国の一個師団だ
「さあ!皆!我等バンパイアの力を見せるぞ!」
谷を警備する人間共は少なかった、三人、先陣を切っていた俺に向かってきた奴らがいた
「全てを飲み込む風の渦!敵をかきけせ!【ハリケーン】!」
俺が鱗に覆われたドラゴンの様な鍵爪がついた手を掲げると
三人を赤い風が包み吹き飛ばす、三人は高々と舞い上がり地面に叩き付けられると動かなくなった
「ハッハッハッハ!脆いぞ!」
周りのバンパイアも人間と戦い始めた、戦況はバンパイア側に有利に傾いていた
「ディム!後ろ!」
どこからか女の声がし、俺は翼で高く飛んで避けた
「助かった!キーラ!」
飛んだ高さから長剣を引き抜きゎ下に向け下り、敵を突き刺す
「全く…」
キーラは腰に手を当てて呆れたように息を吐いた
そのとき、キーラの長いシルバーブロンドが風になびき、輝いた
キーラは人間のようだが耳が長くとがっている。そして顔に梵字の様な紋章がある
「あなた、やられないでよ?」
キーラは腰の短剣二本を引き抜きながら言った
「ふん、誰が人間ごときに」
俺は違う人間の剣を受け止めながらしゃべった
「キーラこそ死ぬんじゃないぞ!」
鍔迫り合いをしながら相手に足をかけ、敵の剣を押し、投げた
「はいはい…」
キーラはクスクス笑うと戦いの最中に入った
キーラは二本の短剣を二回早く振る、敵の首に一筋の切れこみが入り
首が落ちた
「あら?死んじゃった?」
敵の死体を見てクスクス笑う、キーラ
そんな中後ろから声がかかった
「止めろ!この耳長め!」
一言にカチンと来て振り返るとそこにはクシャクシャな金髪で顔がソバカスだらけの少年、ダニーがいた
「…ボウヤ?そんなに逝きたいの?」
短剣を構え、強く地面を蹴り、二本をバラバラに三回振った
「逝くのはお前だ!」
ダニーはキーラの短剣を防ぐとキーラに飛び膝蹴りを放つ
「ひぐ…」
キーラは布の服を来ているため打撃に弱かった
膝が腹に入り息が詰まり、吹き飛び背中から地面に落ちた
「終わりだ!バンパイア!」
ダニーが剣を振り上げキーラに振り下ろそうとした
「終わるのは貴様だ!」
間一髪でディムの剣がダニーの腹部を切り裂いた
ダニーの皮鎧が裂け鮮血が飛び散った
ダニーは膝をつき前のめりに倒れた
「終わりだ!人間!」
ディムが鍵爪の方の手をかざした
ディムの掌には赤い風が渦巻いていた、全てを砕く風が
「死ね!」
風の弾が発射され、土埃が立つ
土埃が晴れるとダニーの死体がなかった、ディムは辺りを見渡すと10m先の空にフェアリーの女がダニーを抱えて飛んでいた
「くっ…待て!」
ディムは翼を広げ追い掛ける