ソラ、魔法が使えるようになるのこと
学園を出た後、とりあえずルドルフさんの所へいった。最初は怒っていたが俺達(というより俺)の話を聞いているうちに落ち着いてきた。
「あの姫様は強欲だからな(笑)ほしいものの為ならなんだってやる。それがあの姫様だ。旅にでても気をつけなさい。」
「はい。わかりました。」
「とりあえずこれだけ持って行きなさい。」
そういってルドルフさんが渡してきたのは金貨がたくさん入った袋だった。
「いいんですか?こんなにもらっちゃって」
「ソラを一生面倒見てくれる報酬だ。これからよろしく頼むよ。」
「わかりました。」
・・・あれいつの間にか旅の間、から一生になってない?まあいいか。
「最初はそうだな。カルサラ王国の同盟国のストランバイア共和国なんてどうかな。食べ物がうまいらしい。平和だし。」
「じゃあそこにします。今までお世話になりました。」
「さようなら。」
ストランバイアに向かう途中にソラに思いついたことを聞いてみる。
「魔法を使ってみたいか?」
ソラが魔法を使えるようになれば、ソラの戦闘の幅はかなり広がる。エクスカリバーに魔法効果を付与すれば物理的攻撃が効かない敵も魔法的なダメージを与えられる。スライムとか。でも俺の当初の目的って突然変異体のソラを観察することだったような・・・。ま、いっか。
「使えるようになればどれだけうれしいことか!!でも私には無理ですよね」
「いや、できるように今からする。」
「え?それってどういう・・・」
とりあえず指パッチン。ソラの身体が光りだす。
「わわわっ!!これ何なんですか~」
光がおさまった。
「これで魔法が使えるようになるはずだ。今、適性を見てやるからおとなしくしてろ。・・・光か。魔力は・・・5000!?増えてるな。俺といっしょにいたせいか。」
「5000!?・・・すごい。」
「ソラ、ライトって唱えてみろ。」
「はい・・・。」
小さく、しかしはっきりとした声でライト、と発する。その瞬間ソラの身体の中を魔力が流れ、ソラがかざした手にまぶしく光る球体が現れる。
「魔法が使えるようになるなんて・・・。本当にありがとうございます!!」
「光の適性があるってことは火と風も使えるな・・・。旅の途中で練習するか。」
「はい。・・・ところで闇の適性がある人は闇以外にもつかえるんですか?」
「ああ。ノワールは純粋な闇の化身だから使えないけど。まず、属性にも光側と闇側があるんだ。というか、俺がそういう風に設定した。で、火と風は光、水と土は闇よりだ。基本的に光の属性を持つ者は闇の魔法は使えない。逆もまた然り。そこで最初のソラの質問に戻るが、闇の属性の者は光は使えない。光よりの火と風は使えないこともないが魔力にものを言わせることになる。ちなみに通常の4倍ぐらい魔力がいるな。」
「へ~。じゃあ私が水とか土を使おうと思ったら大変なんですね。」
「水の初級魔術はだいたい100ぐらい魔力を消費するからな。ソラは400ぐらいか。でも、技術があればかなり減らせる。」
「教えてください、シンヤさん。いや、師匠!!」
「久しく魔法は使ってないからな~。ストランバイアについたらヴァイスを呼んでみるか。」
「ヴァイスって光の神様じゃあ・・・。」
「そうだけど?」
「ノワールさんと仲が悪いとかないんですか?ホラ、だって・・・光の神と闇の神だし・・・。」
「そんなことないよ。闇は悪いイメージを持たれがちだけど、決してそんなことはない。もうずっと昔のことだけど、『太極は両義を生じ、両義はやがて太極へと還る』という言葉があったんだ。この場合の太極は俺、両義は光と闇だね。光も闇も1つの存在から生まれた同じもので両方に差はない。光なくして闇はなく、闇なくして光はないから。だから二人は仲が良くても悪くなることはないよ。」
「そうですか・・・。良かった。」
「なんで?」
「私たちが会いにいったことで二人の仲が悪くなるなんて後味がわるいじゃあないいですか」
「後味が悪い、か。不思議な考えだな。」
「じゃあさっさとストランバイアに行きましょう。」
「そうだな。」
感想お願いします。また、私のキャラを出してほしいという方がいましたらご連絡ください。