娘そのいち!
ノワールはこちらを見るなり俺が反応するより早く体当たり・・・もとい抱きついてきた。
「お父さん!!」
「「お父さん!?」」
「離れろ、ノワール。」
俺はノワールを引き剥がすと、固まっている2人(ソラ&ガクチョー)を揺らす。動かない・・・。
まあいいか。そう思い、ノワールに向き直って・・・再び抱きつかれた。
「離れろ、ノワール。」
「いやだよ~☆だって一万年ぶりなんだから。少しぐらいいいじゃん。」
「はぁ・・・」
そういえば昔からよく抱きついていたなぁ。
「皆心配してたよ。ずっと起きないんじゃないかって。」
「あ~・・・。心配させてごめんな。」
「本当に心配したんだからね。」
「そういえばどうしてここにいるんだ?」
「それはね、学園に教師としていれば生徒を育てるでしょ?それで生徒達に御父さんの特徴を教えて、見つけてもらうつもりでここにいたんだけど、もう意味ないね。」
「そんなことないぞ。なぜなら俺はここに転入するからな。」
「そ、それ本当なの?」
「ああ。」
「ヤッター!!」
「そんなに大騒ぎすることか?」
「うん!・・・そういえば一緒にいる女の人誰?まさか彼女?」
「へ?わ、私が彼女、ですか?」
いつのまにか復活したソラが反応する。
「そう。でも御父さんが好きなら別にいいけど。」
「シンヤさんは私を好きなのでしょうか。」
「少なくとも御父さんは好きじゃない相手と旅をしたりしないよ。」
・・・気のせいだろうか?だんだん話しが変わってきている気がする。
「あの~いいですか。」
固まっていた学長も復活。
「ノワール先生とシンヤさんは親子なんですか?」
いっていいのだろうか。そう思いノワールに聞く。
『この人って信用できる?』
『できるよ。悪い人じゃないよ。』
・・・ならいいかな。
「学長。これから話すことを漏らさないでくださいね。」
「わかりました。」
「では。確かにノワールと俺は親子です。ノワールとその兄妹は1万年ほど前に造りました。」
「い、いちまんねん!?それは神々の時代じゃあ・・・。あ、ノワール?闇の神と同じ・・・。もしかしてあなたは・・・!?」
「たぶん正解です。俺はこの世界の最高位の神、というか管理者かな。」
「あ~。ルドルフさんが勝てないわけですね。」
「このことを知っているのはソラとノワールと兄弟たちぐらいですかね。だから秘密にしといてください。そういうことで、もう寮に行っていいですか?」
「はい。・・・4人部屋が空いているのでそこに入ってください。」
「わかりました。ソラ、行くぞ。」
そういって、ノワールと談笑していたソラを連れていく。
「あ、引っ張らないで~。」
「御父さん、私もいk「駄目だ。」ちぇっ」
ノワールを退けると学長に挨拶。
「それでは先生方。さようなら。」
寮は快適だった。というか、快適にした。まずエアコン。照明は十段階調節。この世界は魔法で調節するので部屋の中にいるときは常に魔力を消費して温度・湿度を調節する。しかしそれには火・水・風の属性を必要とする。俺はできるが、ソラは魔法を使えないのでエアコンを造った。照明も同様。電気は電池式で、電池の時をとめているので中の電気を消費しても元に戻るという仕組みだ。これを披露したとき、ソラは驚いていたが、すぐに納得した。
「まあシンヤさんですし。」
「なんだそれは(笑)。・・・寝るから光を消すぞ?」
「はい。おやすみなさいシンヤさん。」
「おやすみ、ソラ」
こうして今日も一日過ぎて行った。