第1章 始期の序曲≪オヴァンチュア≫Ⅵ
ハイッ
こんばんは、部長の王子様です。
ヤバい、今日は1日で二話も書いてしまった。
まぁ、良いや…。
さて、今回はまたまた新キャラ登場!!!
ッてな事で、
はじまり~はじまり~。
食堂に向かって廊下を三人並んで歩いてると、後ろから「…あの」と声をかけられた。
「? 誰か呼んだ?」
久吉がクルリと後ろを振り返ると、そこには黒髪を背中まで垂らした『大和撫子』という言葉がピタリと当てはまるような、久吉達と同い年とおぼしき女の子が立っていた。
「…いや、用があるのは貴方ではなく、そちらの方なのですが…」
大和撫子風の女の子が指を指した先には、久吉でもなく維新でもなく、奈々の姿があった。
「私?ってマナじゃない!!」
奈々が急に大声をだしたので廊下にいた数人が迷惑そうな顔で、こちらを見ていた。
奈々が急に大声を出すなどあまり無いことなので、不審に思った久吉は頭に浮かんだ疑問を素直に奈々に質問した。
「知り合い?」
久吉が尋ねると奈々は大きく首を縦に振った。
この場合、普通だったらここで女の子が自己紹介を始める場面である。
しかし、奈々が知り合いだと答えた女の子は自己紹介もせずに、ぼ〜とその場に突っ立っているだけだった。
無論、久吉と維新は彼女が何者なのかを知らなかったので、当然のように奈々に説明を求めた。
「この子の名前は金成愛美っていうんだよ、中学の時からの私の親友で〜、今は……、確か2-Cにいるんだよね?」
「…はい…」
「え〜と、ランクはSSだよね?」
「…えぇ…」
「あ、あと2-Cのクラストップだよね」
「…そうよ…」
「以上です」
「「短かっ!!」」
二人があまりにも一方的で短い自己紹介(奈々がしているから他人紹介?)に思わずダブルツッコミを繰り出していると、愛美がまるでそこには久吉と維新がいないかのように二人を無視して奈々に向かって話し始めた。
「…奈々、食堂がどこにあるかわかる?…もしわかるのなら連れて行って欲しいのだけど…」
「いいよ、どうせ私達も今から食堂に行くところだし。ほらナッツ、維新君いつまでも口をポカーンと開けてないでさっさと行くよ!」
「「へーい」」
あまりの展開の速さについていけずに、頭が処理墜ちしかけていた2人だったが、奈々に声をかけられて復活すると女子2人の後を追いかけて走りだした。
こうして、三人だったパーティーは四人となり、また食堂への道を歩き始めた。
そう、この時食べた昼飯が、これから起こる事件の前の『最後の晩餐』になるとも知らずに……。
いや~、気付いたらいつのまにか『始期の序曲』もⅥになっていました。
今回も短い文章になってしまいました。
スイマセン…。
では、次回予告です…。
次回は『始期の序曲』の章の最終話(予定)です。
何が起こるかはまだ、秘密です…。