表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
the school of magic  作者: 長部 真
第5章 逆転の行進曲≪マーチ≫
32/34

第5章 逆転の行進曲≪マーチ≫ⅩⅠ

地震マジヤバス!!


どうも。

更新が遅れに遅れた上に、少々不謹慎だったかもしれない部長の王子様です。

私が住んでる地域では、地震による被害は殆ど無かったため、今日もこうして元気にやってます。



遅れた割には内容が薄いかもしれませんが、あしからず。


それでは、

はじまり~はじまり~

「ほう?我自身が相手で無ければ勝てると言うのか?言っておくが、この者達は魔層でも有名なソロモン72柱騎士団のトップ5だぞ?そう簡単に勝てるとは思えんがな」



 世間知らずのお姫様を見るような、相手を見下した様な目で沙輝を見るクロッカス。それに対し、獣の様な笑みを浮かべる沙輝は、クロッカスの言葉を否定する。


「いや、勝てるとか勝てないの話では無いのだ。勝つ、ただそれだけの事。……なんら難しい事では無い」

「そこまで言うなら実際にやってみなされ!!」


 クロッカスの怒鳴り声を合図に、黒甲冑に身を包んだ五人の戦士が沙輝に襲い掛かって来た。


(うむ。確かに各々の能力は高そうだな。だがっ!!)


 沙輝から見て右側から、不気味な大鎌を振り上げ向かってきた敵A―――ガミジンの攻撃を右手に握る朝凪で受け止めた沙輝は、そのまま朝凪を支点として、右足で地面を蹴り、空中で一回転する。


 そして、トリッキーな動きについて来れないガミジンの頭に、回転のエネルギーを丸々乗せた踵落としを決める。



 不意の一撃に一、二歩後ずさったガミジンだったが、ダメージは低いらしく、すぐさま大鎌を構え切り掛かって来た。


(うむ。今の一撃を受けても平然としているとは……。しかし解せぬ。あちらは五人もいるのに一人しか戦いに来ない。集団の利を全く活かしていない)


 沙輝は思考を続けつつも、大鎌による連撃をヒラリヒラリと避けていく。


(何か、私が考えているのとは違う事をやろうとしているのだろうか? えぇい!まずは目の前の敵に集中するか!)



 いい加減に避け続けるのがきつくなってきた沙輝は、悶々と考えるのを止めて目の前のガミジンに集中する。




 ブンブンと振り回される鎌の切っ先が、僅かに沙輝の髪をかするが、沙輝は平然と体制を立て直す。


(最初の一撃への対処からすると、こいつの反射神経は人間と同レベルなはず。今の私に足りないのは、一撃一撃の重さ……か。だったら、この魔法しかあるまいよ)


 そして、ガミジンの鎌の攻撃範囲から外れるために、沙輝は大きく距離をとり、自身が持つ最強の強化魔法(レインフォース)を発動させるべく、意識を集中させる。


「『我が身に宿るは不屈の意思。我が魂が宿すのは折れない誇り。我は弱者を護る翼を広げ、強者を倒す牙を磨ぐ者!!強化レインフォース第一加速(ウノ・アクセル)!!』」



 莫大な魔力の奔流が沙輝の回りを走り、彼女の身体が深紅の光に包まれた。



 そして、次の瞬間。

 その場に居た者は信じられ無い物を目にした。








◇◆◇◆◇◆◇◆


 こちらは、戦乙女たちの戦場――第一射撃防衛ライン。


 雨霰の射撃魔法とそれに撃たれ倒れていく騎士。

 今はまだ、生徒たちの方が優勢を保っていた。



 そんな戦場の中。

 近接型の騎士を全て相手どり、この戦場を指揮する二人の女神がいた。


 黒髪長髪の女神――愛美は大小様々な札を、まるで紙吹雪の様にばら撒き呪文を、過去に東洋の神秘と呼ばれ、畏れられた呪文を詠唱する。


「『アバカラク・マ・ハカサナタ。天下れ、青き龍。地を駆ける白き虎は、翼広げる紅き鴉と争い戦い、海底に佇む大亀の怒りを買う。神法(シンホウ)四鬼獣斬葬(シキジュウザンソウ)』!!」


 魔術の発動を示唆するかのように、空中をヒラヒラと舞っていた札が光を放ち始める。

 そして、三枚・四枚と札が集まっていき、四体の獣を形成した。


 それは、龍、鴉、虎、亀。


「……行け」


 それらの獣たちは、愛美の号令の下に蹂躙を開始した。





 そんな様子を眺めていた久美は、感嘆の思いを込めた乾いた口笛を一つ吹き、自分に割り振られた騎士を倒すべくナイフを構え、詠唱を開始する。


「『増えろ、増えろよ悪鬼の剛爪。裂いて、裂いて、裂き乱れ、真っ赤な、真っ赤な、大輪の花を咲かせ。強化(レインフォース)鬼爪纏鎧(キソウテンガイ)』!!」



 すると、ナイフが久美の爪と一体化していき、15cmはあろうかという、鋼鉄の爪が出来上がった。いや、鋼鉄と化したのは爪だけでは無かった。


 手の甲から肘までを包みこむのは白銀のガントレット。額を覆うのは、不可思議な紋様が描かれたヘッドアーマー。最後に、年相応の膨らみを持つ胸を隠すかの様に、プレートアーマーが。それぞれ久美の体に纏われていた。


「下級生に負けてはいられないからね。全力であなたたちを駆逐する!」


 魔法によって強化されている両手にギュッと力を込め、久美は騎士の下へと地面を蹴った。






◆◇◆◇◆◇◆◇


射撃第二防衛ライン





 ラインの隊長を任された奈々は、着々と敵を迎え討つ準備を進めていた。

 射撃戦闘を主とする奈々たちは、敵とのコンタクトの前に、どれだけの準備が出来るかによって戦闘の勝敗に大きな影響を及ぼす。

 また、奈々自身が得意とする召喚魔法も、準備に多くの時間を有した。




(敵は既に射撃第一防衛ラインまで来ているらしいし、準備を急がなきゃ)


 奈々が内心でガッツポーズをとっていると、ライン副隊長に任命していた赤月暁アカツキギョウが焦った様子で奈々の下へと向かって来た。


「隊長!大変ですっ!!」

「お、落ち着いて。ゆっくり深呼吸して」

「スゥ、ハァーー」

「で、何があったの?」

「山上隊長と中津隊長が全身疲労困憊の(てい)で、西小金隊長に面会を求めています!しかも、中津大隊長にいたっては気を失っていらっしゃる様子でしたっ!」

「ナッツたちが!?わかった、直ぐに行くよ。暁くんは1〜4の救護班を呼んで来て」

「了解しました。急いで呼んできます!!」


 二人はお互いの向かうべき場所へと走り出した。




◇◆◇◆

 暁と別れて、久吉たちの下へと急ぐ奈々だったが、彼女は大切な事を忘れていた。久吉たちがどこに居るのかを知らないのだ。


「ミスった〜。暁くんに聞いとけば良かった」


 ガックリとうなだれる奈々だったが、軽く周囲を見回すとそんな事は必要無かった事に気付く。


 多数の生徒たちが、集団になっている所を見つけたのだ。

 駆け足でその場に近づいて行くと、案の定、久吉と維新が二人並んで横になっていた。


 二人ともぐったりとした様子で、こちらを見ようともしないので、奈々は意識がある維新に声をかけた。


「山神くん、大丈夫?」

「あぁ、西小金さんか……。大丈夫、って言いたいんだけどね。全くもって大丈夫じゃ無いんだ、格好悪いことにね」

「ううん。そんな事は無いと思うよ」

「ハハハ、ありがとう」


 かなり疲れているようだが、はにかんだ維新の顔を見て、奈々は少し安心する。


「それで?出来る限りのことはやるけど、何かご要望などは?」

「そう言ってくれるとありがたい。僕はすぐにでも戦場に戻らなきゃならないから、簡単でいいから回復魔法を頼む」

「ん、了解。ナッツの方は?」

「最後の決戦まで温存しておきたいからね。完璧な状態まで回復させてあげて?」

「わかった。それじゃあ維新くん?服を脱いで、横になろうか?」

「えっ?」

「ほらほら、早く〜」


 うろたえる維新に対し、奈々の方はとても笑顔だった。


「あーもうっ!じれったいな〜!えいっ!!」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」





 射撃第二防衛ラインに、維新の絶叫が鳴り響いた。



今回の地震でお亡くなりになられた方の、ご冥福をお祈りいたします。


また、被災されて避難生活を余儀なくされていらっしゃる方々が、一日も早く普段の生活と笑顔を取り戻せるように、お祈り申し上げます。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ