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the school of magic  作者: 長部 真
第5章 逆転の行進曲≪マーチ≫
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第5章 逆転の行進曲≪マーチ≫Ⅷ

更新遅くなってすいません。


最近、執筆出来るようなまとまった時間が取れないので……(汗

マジでスイマセン。


では。

はじまり~はじまり~

元近接第二防衛ライン



 久吉の言葉は、迫り来る無数の矢が出す轟音に掻き消され、誰の耳にも届かなかっ――――


『諦めてんじゃねぇよ!!』

 ―――届いていた。



 突然、久吉の頭に響いたのは、親友の声。

 いつも助け合っていた親友の声。


『ナッツ!諦めてんじゃねぇよ!!大丈夫』

『何でそんなことが言えるんだよ!?』

『何で?そこは――』


 維新はここで一旦言葉を切ると、自身の魔力を爆散させる。


『――俺の距離だ!!』



 次の瞬間。

 久吉の眼前に迫っていた黒い無数の矢を、後方から飛んできた蒼い無数の矢が、一本残らず撃墜した。





 ポカンと口を開け、先程とは違う意味で唖然としている久吉の横に(くれない)洋弓(アーチェリー)を左手に備えた維新が現れた。


「い、維新?維新なのか?」

「な〜に当たり前の事言ってんだよナッツ!お前の要請により、山神維新。ただいま推参つかまつった」

「あ、はい。どうもありがとうございます」


 余りに急な展開に、つい他人行儀になる久吉。

 それを見た維新は、特に感情を表に出すこと無く久吉に問いた。


「なぁナッツ。現状の俺らは大ピンチ。大量の敵に囲まれても、夢のスーパーマンも現れないし、一撃必勝の必殺技があるわけでは無い。さて、こんな時。お前は諦めて運命を受け入れるのか?それとも、自分の手で未来を切り開くのか?」

「俺は……」


 ここで久吉は考える。

 先程までの自分だったら諦めていた。運命を、死を受け入れていた。


 でも、でも今は。

 維新という親友が現れた今は……


「俺はどんな理不尽が降り注いでも……。それでも、伐って、斬って、切って……、自分自身の手で、明るい未来(あした)を切り開く!!」


 それを聞いた維新はニマッと笑って――


「それでこそ、我が最高の相棒だ!」


洋弓(アーチェリー)を構えた。



「良いか?お前、前衛。俺、後衛。これが俺ら二人の最高の布陣だ。これで、敵陣を突破して射撃第一防衛ラインまで撤退する」

「了解!」


 ハイタッチを交わした二人は、お互いの武器を手に、群がる騎士を薙ぎ倒すべく魔力を纏う。


「維新!俺が突っ込むから援護してくれ!」

「アイアイサー、ボス」


 久吉達の退路に立ち塞がる騎士の団体に目を付けた久吉は、魔力消費が大きいゼフィロスを元の雨竜水神に戻すと、颯爽と空を駆ける。


 それに反応した遠距離型の騎士の何体かが久吉に向け魔矢を放ってくるが、後衛である維新が一本のミスも無くそれを打ち落とす。


「維新!右側三体と左側の二体は頼んだ。俺は中心の六体を殺る!」

「OK、任せな!」


 維新は正確無比な射撃で指定された五体の騎士を撃ち抜くと、久吉に置いて行かれないように自身も地面を蹴った。

 二人は絶妙のコンビネーションで群がる騎士を切り伏せ、確実に退路を確保していく。


 お互いの力を合わせ、1+1が10にも200にもなると漫画なんかではよく言われるが、まさにそのとおりだった。

 先程まで疲労の色が濃かった久吉も、今では少し回復した様子で必死に刀を振っていた。


「あと少し。あと少しで射撃第一防衛ラインに到着する。そしたら、万全な状態の金成さん達が援護してくれる。だから、あと少しだよナッツ」

「ほんなら、あと少しだけ頑張ってみますかね」

「そうだね」


 お互いに笑い合いながらも、攻撃の手を緩めない二人。

 そんな二人の周囲を囲む騎士の数はどんどん増えており、とうに限界を超えている久吉にとって、これ以上の敵の増加は生命の危機に直結するような事になりかねなかった。



 自分の真後ろから踊り出てきた騎士二体のうち一体を後ろ蹴りで自身から遠ざけた久吉は、もう一体の首を振り向きざまの一撃で切断した。

 勢いをそのままに、自身を取り囲む四体の騎士を続けざまに切断する。そして、四体目を倒した瞬間、久吉は上空へと地面を蹴った。

 久吉が地面を蹴った瞬間。

先程まで久吉がいた所を十本の剣が貫いていた。


 それを見て冷汗を額に浮かべた久吉は、その場にいた騎士十体を着陸と同時に捕縛魔法で捕まえると、ブツブツと呪文を詠唱し、呪文によって刀身が金色に光った雨竜水神を一振りした。



 発動した一刀散雷(イットウサンライ)によって魔術効果を上乗せされた雨竜水神の切っ先から出た金色の雷が、哀れな騎士達を飲み込んでいく。それを視認した久吉は、突然ガクリと膝を地面に着けた。


「ナッツ!?――っこの!離れろ!!――ナッツ、どうした!?大丈夫か?」

「悪い、維新。もう無理だわ」

「でも、あと少しなんだよ。立て、立てよ久吉!!」


 連射モードに切り換えた『王族の洋弓(アーチェリー)』で自分と久吉に群がる騎士を何とか倒していく維新は、そうは言っても当の昔に久吉が限界を超えているのは知っていた。


 しかし、ここは戦場だ。

 

 『限界です』や『もう無理です』は通用しない。


 それをわかっているからこそ、維新は久吉に甘い言葉はかけない。


 それをしてしまったら、絶対に久吉は立てなくなる。



(くそったれが!数が多過ぎる!ナッツはこんなの相手に1時間近く戦ってきたのかよ。金成さん、急いでくれ……)


 心の中で毒づきつつ、維新は必死の形相で敵を撃ち抜いていく。 

 しかし、維新の頑張りも圧倒的な数の前にした今ではどうしてもわずかな隙が出来てしまう。そして、敵はその隙を突こうと動き出す。


 完全に動けなくなった久吉を守りつつ戦う維新を相手に、遠距離型の騎士達は攻め方を変えた。

 一体一体が独立して攻撃する点の攻撃ではなく、全員一斉射撃によってなせる面の攻撃によって久吉もろとも消し去ろうとしたのだ。


 全員が一斉に弓を引き、矢を放った。


「嘘だろ!?これは数が多過ぎて撃ち落とせない!チッ、だったら!!」


 維新はそこまで言うと、洋弓(アーチェリー)を背中に背負い、この窮地を乗り切るために呪文を唱えようと、口を開いた。



更新が遅れた割には大した物が書けませんでした(泣


次の更新は早めに出来たら良いな~



では、次回予告


追い詰められ、大ピンチに陥った久吉と維新。

急いで向かう愛美は間に合うのか!?


「これ以上、俺には何も出来ん。一人では、戦争は出来ない……」

by山神維新

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