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the school of magic  作者: 長部 真
第5章 逆転の行進曲≪マーチ≫
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第5章 逆転の行進曲≪マーチ≫Ⅱ

行進曲編第二話です。

前回魔法のアイデアを募集した件ですが、締切を書くのを忘れていました。

締切はこの章が終わるまでとします。

たくさんの応募をまってます!!!



それでは、

はじまり~はじまり~

近接第一防衛ライン




ズガァン、ドゴッ、バギャ、ザシュッ、グサッ、



そこでは、騎士と生徒が互いに放つ様々な魔法がぶつかり合い、さながら花火の様になっていた。


そして、そんな魔法の嵐の中を一条の蒼い光が駆け抜けていた。

その光の正体は、一体でも騎士の数を減らすべく奮闘する陣屋であった。






(クソッ、味方の数が多くてデカイ魔法が使えねえ!どうすれば……)


自身に向かってくる数体の騎士を、一太刀で切り伏せながら陣屋は考える。


現在、近接第一防衛ラインは騎士達とほぼ互角の勝負を繰り広げていた。

しかし、ここで一つの疑問が浮かび上がる。

なぜBWやNBの生徒も普通に戦えるのか。

それには、理由があった。


その理由とは、皆が戦っている領域に『広域強化魔法』である、『勇気の歌(ブレイブソング)』が発動している事だった。

勇気の歌(ブレイブソング)』とは、指定された領域内にいる味方の魔法系能力(魔法系能力とは魔力を使用する技等を指す。例:攻撃魔法・防御魔法など)を通常の三倍にする魔法だ。


これにより、低ランクの生徒の攻撃でも騎士を貫く事が出来るようになったのだった。


しかし、いくら威力が上がったとはいえ低ランク。よって、デカイ魔法は使えない。また、仲間が放つデカイ魔法を避けることも出来ない。

陣屋達みたいな高ランクの生徒から見れば、それが一番の障害となっていた。



「うぉっ!?」


と、戦闘中に考え事をしていたせいで周りの見えて無かった陣屋の頭上スレスレを、騎士の黒剣が通過した。


少し焦った陣屋は自分に刃を向けた騎士を真っ二つにすると、そこそこ大きな魔法を使う。


「『我が刃は至高の刃、一振りの剣と三条の雷で敵を斬る!攻撃(アタック)一刀三雷(イットウサンライ)』!!」


詠唱と同時に陣屋は騎士にむけて薙刀を振るう。


すると、刃先から三条の雷が敵に向かって飛んでいき、命中した騎士を塵と成した。


そのまま何回か刃を振るい続け、周囲にいた騎士達を一掃する。



そんな陣屋に同じ防衛ラインの生徒から念話が届いた。

『陣屋先輩!!』

『どうした?』



念話の相手は陣屋より一つ年下の少女だった。陣屋は彼女をこのラインの副指揮官に任命していた。


『報告します。我らが防衛ライン左翼が敵に押されているので右翼から三班ほど左翼に回しました』

『そんで?』

『何体かが防衛ラインを抜けましたが、撃墜しました。また、先程リーダー中津から連絡があり、残り十五、だそうです。私は意味がわかりませんでしたが、「言えばわかる」と言われたので……』


その報告を聞いた陣屋は、唇の端を少し上げて僅かな笑みをこぼした。


『了解した。引き続き管制を頼む』

『ハイッ!!』



少女からの元気な返事を聞きつつ、陣屋は一体でも騎士を減らすべく、敵中深くに切り込んで行った。







第二近接防衛ライン



そこには、激戦を繰り広げている第一近接防衛ラインの方角を眺めている久吉の姿があった。


「そろそろかなぁ?」


そう呟く久吉の顔はどこか覚悟を決めたような楽しいような、そんな表情だった。







近接第一防衛ライン




数多の騎士の間にちらほらと、生徒の姿を垣間見る事が出来た。

しかし、その全てが慢性的疲労が蓄積されており、それは表情にも滲み出ていた。


そんな中、陣屋を筆頭に数人の生徒は、何かを決意したような眼をしながら離れた場所で戦況を見守っていた。


その眼は子を見る母の様な眼だった。



そんな中、陣屋はちらりと左手に装着してある黒い時計に視線を落とすと、周りの生徒に向けて頷く。


「さぁ、時間だ……」

『コクッ………』


陣屋の言葉に生徒達は頷き、各々の武器を構えると呪文の詠唱に入った。

それを見た陣屋はラインの全員に念話を飛ばす。


「近接第一防衛ラインの全生徒に通達。後退する。まず左翼と右翼が大講堂まで後退し、中央はそれをカバーするように横一直線に展開。左右両翼の後退が完了しだい、中央のラインも大講堂まで後退。途中、ある一定ラインまで後退したら俺を筆頭に上位ランクの生徒で敵の追撃を遅らせるから、急げ。最後に残った生徒は、敵を牽制しつつ近接第二防衛ラインまで後退し、俺以外の生徒は大講堂まで下がれ。以上!」

『了解!!』



左翼、右翼、中央。

各ラインの生徒からの返事と共に、戦術的撤退が始められた。






近接第二防衛ライン




そこで待機していた久吉の下に、陣屋からの念話が入った。


『もしもし、リーダーでしょうか』

「何ふざけてんですか!?どうしました?何かありましたか?」

『時間になったので作戦をターン2へ移行した』

「!?、わかりました。了解です。ですが、少しでも危険になったら直ぐに連絡を下さい」

『あぁ、了解した』



陣屋にしてはいたって真面目な返事に、多少の疑問を抱きながら久吉は念話を終了した。



念話を終了した久吉は、誰にも聞こえないような小さな声で、一人、呟く。


「さぁ、ショータイムの始まりだ……」






残り騎士の数…八千九百五十万体







いかがだったでしょうか?


感想などをいただけると感無量です。



では、次回予告を……。


後退を開始した近接第一防衛ライン。

しんがりを務める陣屋の運命は!?

「さて、どデカい花火を打ち上げますか!!」

by鬼頭陣屋

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