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the school of magic  作者: 長部 真
第2章 強襲の狂詩曲≪ラプソディー≫
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第2章 強襲の狂詩曲≪ラプソディー≫Ⅳ

前回同様バトルパートです。


今回は今までで一番長い文章となっており、いままでで一番魔法が出てきます!!



それでは、

はじまり~はじまり~

習魔学園本棟中庭




そこでは一つの戦いが幕を開けた。


向かって来るは十数体の騎士、迎え撃つは久吉たち四人。


最初に動いたのは久吉だった。


「『強化(レインフォース)肉体強化(フィジカルアップ)』」


久吉の身体は言葉と共に青白く光り出した。

(だが、拳では奴らは倒せないし……、ならっ!!)


「『召喚(サモン)長剣雨竜水神(チョウケンウリュウスイジン)』!!」


久吉が呪文を唱えると、彼の前に一般的な星型の魔法陣が現れ、その中から刀身が細く、独特な鍔の形をした長い刀が出て来た。


久吉はその刀を掴むと仲間に檄を飛ばす。


「お前ら、いつまでボーッとしてるつもりだ!!生き残りたかったら戦え!!」


「「「……(コクッ)」」」


久吉に怒鳴られた三人はそれぞれに魔法を使い出す。




維新は目を閉じて精神を集中すると、呪文を唱える。


「『強化(レインフォース)肉体強化(フィジカルアップ)』」


維新の身体も、久吉と同じ様に青白い光りを放つ。


「もう一丁!!『召喚(サモン)・王族の弓矢(アーチェリー)』」


すると、先程の久吉と同じ様に魔法陣が出現し、そこから全体的に真っ赤な弓が出て来た。


維新はそれを掴むと、既に戦いを始めている久吉の下へと走りだした。




基本、肉弾戦が苦手な女子二人はそれぞれの方法で男子を援護する。


先に動いたのは奈々だった。


「『召喚(サモン)・夏の三大天使』」


またもや魔法陣が現れ、そこから翼が四枚の天使(女)が三人出て来た。

彼女たちの手には、それぞれ槍、剣、盾が握られていた。

奈々は彼女たちに命令を出す。


「『剣のデネブ』は戦いに、『槍のアルタイル』はナッツたちの援護を。『盾のベガ』は私とマナの護衛を……、行け!!」


三体の天使は各々が与えられた役割を果たすべく、各自配置に付く。




そして、最後に愛美が動く。


「……ん〜、どうしましょう?とりあえず……『捕縛(アレスト)赤鎖(セキサ)十連鎖』……」


愛美は右手を相手の方に向け、ギュッと握った。


すると、久吉の周りにいた騎士十人が、突如現れた赤い鎖によって動けなくなり、


「……消え去れ…、『爆』……」

ドゴォォォン!!


愛美の一言で炎に包まれた…。



この時、四人は倒した、と感じた。

特に、愛美は自分で放った技だったのだ。そして、たしかに当たったという核心があった。


それによって四人は一瞬油断をした(・・・・・・・)。そう、一瞬(・・)だけ……。




刹那、倒したはずの騎士たちは煙の中から飛び出してきて、久吉たちを取り囲むようにズラリと並んだ。


「ヤバッ、囲まれた!!」


一瞬で現状を把握した久吉は、何とか囲みから出ようと騎士の一人に斬りかかる。

しかし、対する騎士もタダでやられる気は無いらしく、久吉に向かって黒剣を振り下ろす。


それをかろうじで避けた久吉は、そのまま攻撃に転じる。


上、右、下、右、左、突き、上、………。


しかし、その数多くの斬撃も相手は漆黒の鎧で跳ね返す。

そして、久吉の連続攻撃が途絶えた間に、敵が反撃する。


そんなやりとりを繰り返し、埒があかないと感じた久吉は一度後退する。

以外にも騎士は迫ってはこず、囲みを元に戻しただけだった。


「奈々!!あいつらに何か弱点みたいのは無いのかよ!?」

「授業で習った通りなら鎧の隙間である首、肩、腰のどこかに攻撃を加えればいいはずだけど……、無理でしょ?」

「あぁ、正直しんどいな……。維新!!お前の魔法でどうにか出来ないか?」

「悪いが無理だ。俺の魔法は遠距離でこそ真価を発揮するんだ。知ってるだろ?」

「クソッ、だったらどうしたら……」


久吉が額に汗を浮かべながら考えていると、愛美が何かを思い出したかの様に、ポンッと手を叩いた。


「……あの、『倒す』のではなく、『動けなくする』で良いのではないでしょうか?」

「? 説明して」

「……我が学園には緊急用マニュアルという物があり、それには『もし、敵やそれに類似するものに、学園が強襲された場合は、大講堂に避難せよ』と書いてありました。つまり、私たちが今やるべき事は、騎士を倒すことでは無く、大講堂までたどり着くことだと思うのですが……」


愛美からの提案に一瞬、目から鱗が落ちた様な顔をした久吉はウンウンと頷いた。


「そうだな、そうしよう!!金成、あいつらを足止めできる魔法ってある?今は奈々の召喚魔が騎士と戦っているけど、そろそろやられると思う」

「……出来ます」

「よし、わかった。奈々、維新!!今の話聞いたな?まず、金成が魔法で動きを封じるから、その隙に全員で走れ!!わかったな?」

「「了解!!」」


維新と奈々は久吉の言葉を聞くと、大きく頷いた。


「じゃあ金成、頼む」

「『我らが足元に広がる大地よ、その硬い姿を少しだけ柔軟に変えよ。泥海(ドロウミ)!!』」


愛美の詠唱と共に騎士たちの足元の地面がグニュグニュと動きだし、騎士たちは地面に沈みだした。

そんな中、焦った騎士の一人が翼を広げ、地面から脱出しようとした。

しかし、翼を広げた瞬間に久吉の刀によって首を撥ねられた。



首から上が無くなった騎士は砂の様にサラサラと姿を消した。


騎士たちが地面に埋まっていくのを確認した久吉は、三人に怒鳴る。


「走れ!!走るんだ!!」





こうして、最初の戦いを生き延びた久吉たち四人は、大講堂を目指して走り出した………。

今回のお話では主人公より愛美の方が活躍しているようにおもいます……。


というか、維新がほとんどいるだけになってる気が…(。_。)



ではでは次回予告です。


走り出した久吉たち、しかしそんな彼らの背中に凶刃が迫る。

そして奈々が……。

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