表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天使、はじめました☆  作者: 大牧ぽるん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/29

第六話 うち、気付いた。うち事みんなすきだったんじゃん!

部屋に入った瞬間、言葉にならなかった。

めっちゃ広い!ありえないくらい広い。これもしかしてめちゃいいのでは???

廊下に靴箱、クローゼットがあるし!収納抜かりなし。やるう!

待って、風呂とトイレ別!?最初から良物件キター!!!!!!

なんか新築かよってくらいきれいでなんか恐縮してきたな。ちょっと。



廊下を抜けるとキッチンとリビング。ここもめちゃ広い。とにかく広い。

リビングのテーブルも四人がけのテーブルがあって来客準備も万端じゃん。



「え、ホムパとか余裕すぎる。てか家具もめちゃ揃ってんじゃん!

すげえーーーーー!楽すぎる。天国さすがすぎんか???」



よくよくみると、実家で使っていたメーカーと同じで、使い勝手も理解ってるからめちゃ助かる!配慮なのかな?

あーーー天国ううう。



床も壁紙もピッカピカ!

まあ好みじゃないけど、でもさ!こんな綺麗な場所に今日から住めるんだ!!

……まじで掃除ちゃんとしないとな。

あ、掃除機あんじゃん!うわ!最新式の?うちのは30年使ってる言ってたからな。

逆にそういうも配慮されてんだ。すげえな。



冷静に死んだ人間一人ひとりにこんな事するって天国ってどないなってんの?

まあこれをする仕事の方がいるんだろうけど。今は感謝感謝。



ベランダもしっかりあって、雲がない空でなんだか月や星が近くに見える気がする。



「キレー……」



雲の上にほんとにこの天国があるんだって実感する。

夜空がとても広く、邪魔するものがない。

満天の星空と月明かりに照らされて、うちは昔遠足で行ったプラネタリウムを思い出した。

なんか名前沢山言ってたな。ちゃんと勉強しとけばよかったーーーー!

めちゃ見えるから楽しめるじゃんね!ほんと!

まあ、明日にでも星座図鑑くらい買いたいかも。



ベランダの空を少し眺めた後、再び中に入る。

奥に2つ扉がある、まだ部屋あんの?贅沢すぎんか?

うちちょっと怖くなってきたぞ。こんな良いことばっかで鉢当たんない?

まあ、とりま、一部屋ずつ探索していこうじゃん。

まずは右の部屋から!



あけるとベットがある。なるほど、寝室ね。ベット!?なんかでかくね?

シングルではない。うちシングルだったから狭かったんだよねー。

これはごろごろ出来る感じの広さ!

まじで?これはありがたみが深い。憧れだったんだよねー。こういうの!



座ってみたら、めっちゃふかふか!なのよこれ!

やばい、これ、五秒で寝る。真面目に。

そんくらいの威力、はんぱねえ。

枕はうち好みのもっちもちの仕様で最高。



ここまででいくらかかって…… とは思うけど。ここは天国。

多分そういう概念ではないのかも。



確かに、ここまでみて基本のセットはある。

後は自分好みにするにはカスタムしたりするから稼がなければならないのは理解。

うん、なんか、めっちゃ壁紙も変えたいし!服ももっと欲しいし!

こんだけあったらやれる幅は広がるよねー。



ここが今日からうちの城ー!

よーし!ガンガン稼いで!最高の城にしていくぞ!

ふううう!!テンション上がるわ!



あ、もうひとつ、部屋あったな。忘れてたわ。

なんの部屋?てか。



うちは左の部屋の扉をあけた。



見えてきたものでうちは言葉を失った。



部屋の中に花束がある。

見ればわかる、葬式の時のものだ。菊や百合……

おばあちゃんの葬式の時、そんな花を一緒に棺桶に入れた覚えが会ったからわかった。



え?これ、もしかして……



奥に大きな木箱がおいてある。

これ、何……?

めっちゃ怖いけど、ゆっくり開いてみた。

中を覗くと、様々なものが入っていた。



うちの大好きだったうさぎのぬいぐるみ。

手紙も沢山入ってる。先生、クラスメイト、近所のおばちゃんまで?

え、なにこのノート?……ってマキとのプリクラがぎっしり貼れてるじゃん!マキ……

永久親友って裏表紙に書かれている。



そうか、棺桶の中に入れてくれたものが部屋にきているんだ。



ふと最後のものを取り出してみた。

家族写真。にゃーたんもいる……

にゃーたんはうちで飼っていた猫だ。

本当にいい猫で、数年前死んじゃったから懐かしいな。



うち、みんなにもう、会えないんだ。



帰ったら絶対泣くとは思っていたけど、これ、耐えられるわけ無いじゃん。

わかるよ、うちの葬式、めっちゃ人が居て、みんな色々考えてくれて、棺桶に挨拶してくれて。顔を見に来てくれたんだ。



うち、ぐちゃぐちゃだって、言ってたよね……死体。

なのにみんな来てくれたんだ。



「なんで…… 死んじゃったんだろぉ」




マキと恋バナしてみたかったな。

学校で最後の文化祭もまだあったのにな。

大学、決まってたのにな。

バイトしてほしいものだって買う準備もしてたのにな。

ママとパパの誕生日も計画してたのにな。



もっと些細なことだって沢山やりたいことがあったんだ。

でも、うち、全部。なくなっちゃった。



……ううん。違うよね。

こんなに色んな物がここにあるんだもん。

天国でも元気でねって意味できっと入れてくれたんだ。

うちもおばあちゃんの時そう思って、うちのプリいれたもん。



会いたい、会いたい、会いたい。



でも、不思議。めっちゃ近くに感じる。



「あははは。うちってめっちゃ幸せだったんだな。

愛されていたんだな。もっと早くわかってたら色々出来たかも……な。

あーーー!うちの事みんなすきだったんじゃん!

うちも!みんなだいすきだったって言いたかった!!!!!」



天国に来て1日目。流石のうちもうさぎのぬいぐるみを抱いてベットで眠りについた。

明日から、また頑張れば良い。今日だけ。許してね。



絶対。元気に笑って朝を迎えるから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ