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天使、はじめました☆  作者: 大牧ぽるん


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第四話 うち、天国でやるべきことってなんなのさ!

うちは早速封筒の中身を出していく。

うわあ、改めて見ても量が半端ないし文字がやべえ多い。

漢字に一応ルビをふってくれてるけど、意味わかんない単語あるし。

え?なんか記入するっぽいやつある!?!?

うわー学校みたいじゃん…… だりいかも。

うちこういうの提出めっちゃ苦手で、パパによく聞いてやってたっけ。

誰かに助けてもらわなきゃ無理だったカモ……

真面目にこのお姉さんに感謝だわ。

ぱっと顔を見たら、お姉さんはにこりと笑った。



「桜花って言います。貴方は?」

「あ、うちはティアラです。」

「ティアラちゃん。可愛い名前ね!」

「よくキラキラネームってからかわれたっすけどね。

でもうち、ママとパパがつけてくれた名前だから大切にしたくて。」

「うん、素敵なことだね。私はとてもいいと思う。」



ほんとにこの名前で苦労してきたけど、こんな風に受け入れてくれるのはマキ以来かも。

ちょっと…… 嬉しいな。

桜花さん、やわらかい雰囲気で凄く好きだな。

今まで会ったことの無いタイプのお姉さん系?癒やされるというか、頼れるっていうか。

少し話しただけなのにめっちゃ信頼出来る雰囲気っていうの?すげええ。



桜花さんは「見ていい?」と言って書類を手に取ってくれた。



「多いわよね。最初は私も参っちゃったもん。

こっちにもスマホある割にまだ紙媒体なのかとがっかりしちゃったしね。」

「そうですよね!?まじわかる!あ、えっと、わかり、ます。」

「普通に話してくれて構わないわよ。」

「すみません。」

「いいえ。まずは天国のシステムからね。この用紙なんだけど、長々と書いてあるから、

私でよければざっくり話してもいいかしら?」

「え?助かる!おねがいします!!」

「わかったわ。それじゃあ……」



そう言ってエプロンの胸ポケットから赤ペンを出してゆっくり話始めた。



「最初に説明されたことは理解出来た?」

「あーなんとなくは。」

「この辺の文章はそのおさらい。

要は天国は外界とあまり変わらないけどいくつかルールがある。悪い事と天国連盟や警察さんが判断したら、貴方は未成年だから10回まで指導が入る。

でもそれ以上してしまうとここにはいられなくなるって事。」

「その悪いことって……?」

「まあ前世でそんな事してきてない人が来てるからあんまりないと思うけど。

詐欺とか、万引き、公共施設の落書き、最近は天繋の誹謗中傷に値するものも追加されたわね。とにかく、理由があっても悪い子事はめっ!ってこと。」

「なるほど、ならいけるっしょ。」

「うん。一番しちゃいけないことは話しておくわね。

それはね、誰かの死を助けてしまうこと。」



え……?



「ここは日本の天国だから、お盆の時期と命日は外界に降りる事が出来るのね。

そこでたまーにやっちゃうのが、外界で死にそうな人間を見つけて助けちゃうこと。

優しい故によくあることなの。特に身内になると感情移入しちゃうから。

これは一番のタブーとされてる。ティアラちゃん、優しそうだから言っておく。」

「どうして駄目なの?誰かを助けるのは良いことじゃん!!」

「死ぬ事に関しては天使は管轄外。他の部署が担当している。」

「はあ?どこ?」

「死神さんよ。」



うわ、本当にそういうのあるんだ。

いきなり現実味が帯びてきたと言うか、ファンタジーじゃねえんだって。

うちらが生きてる時もこうやって上の方から色々管理されてたってことなんだなー。

なんか、仕組みがわかるとちょっと運命決められてる感じ、嫌かも。



「死神さんも仕事だから。そこはわかってあげてね。」

「……うん。」

「OK。じゃあ次。……の前にメロンソーダ休憩しましょう。」

「ありがと。」



ここに来てからの初めて口にするもの。

ママとパパとデパートに行ったら絶対行ってた喫茶店でいつも飲んでた。

だからどうしても、飲みたかった。

味って…… するのかな。

一口飲んでみる。すると、シュワシュワのメロンローダにアイスが混じって最高の味すぎた!



「んんんんっま!え!?うまいんだけど!」

「よかった。アイスもね、田舎エリアから取り寄せた搾りたての牛乳を使って作っているの。ソーダも一番私が好きだった少し人工的だけど、ちゃんとメロンってわかる味に仕上がってて。こだわってるのよ。」

「めっちゃわかるー!これだよね!たまにマジでいいメロン使ったやつあるじゃん?

ああ、ちがうんだとなーって割と萎えるよね!ね!」

「そうよね!これよね?!?!」

「はい!これっしょ!間違いない!マジ桜花さんわかってるー!」



なんか、二人でメロンソーダ談義をそのまま結構して、超ウケる。

こんな風にメロンソーダ語る日来るとか考えてなかったし!



「じゃあ、続きなんだけど。天国では自由に好きに、自分も他人も大切にしていこうってのがモットーなのね。だからいろんな事が出来る。

買い物も、食事も、ジムや遊び場、なんでも割とあるし。転職、企業も割と自由なの。

でもやっぱりお金っていうのは外界と変わらないから、ずっと働かずには生きてはいけないの。

そこだけなんかシビアなんだよねー不思議と。」

「そうっすよね!思いました!」

「ティアラちゃんは、仕事は決まったの?」

「はい!天使の恋愛科に決めました!」

「恋愛科!!!!!!!」



桜花さんがあんまりにもおおきな声で叫ぶから奥からもう一人の店員の男の人が出てきた。

「ああ、大丈夫。ごめんなさいね。」というと男の人は奥に引っ込んでいった。



「結構、凄いんだねティアラちゃん。」

「そうすかねーあははは。」

「ええ、すっごく。その…… ああ。先に決めちゃったのね。えっと。」

「え?なんすかなんすか?」



桜花さんは急にクイクイと私を呼んで耳打ちした。



「厳しいって噂なのよ。そこ。」

「え?マジ?」

「天使の中でも花形の仕事だし、美学っていうか、ちょっと。あはは。」

「そうなんすね!やべえかな?」

「うーん。」



桜花さんは少し悩んでいる。

え、そんなまずいとこ?やべえかな?結構ノリなところあったし。



「ティアラちゃん、私ね、天国は自分らしくいれる場所だと思うの。

しがらみとか、ただただ人を傷つける人はいなくって、夢をもう一度叶えてくれた場所。

このカフェもそう。死ぬ前はねこういったカフェを開業したかった。でも私、家が厳しくって。だから諦めて普通にOLしてたの。

今はとても満足してる。やっと好きに自由に出来るんだって。」

「素敵じゃん、うん!」



桜花さんはうふふと笑い、そして真剣にうちに言った。



「だからティアラちゃん、自分の意見は曲げちゃ駄目。

ルールは多少あるかもしれないわ。でも、思ったことを我慢するならここにいる意味ないから。自分自身が、やりたいように出来たらいいなって思うの。

厳しい現場かもしれないけど、私、今の素直なティアラちゃんが好き。だから、自由に生きて。」



うちは凄いラッキーなのかもしれない。

だからこんな素晴らしい人からこんないい感じのアドバイスもらえてるんだ。



「ありがとう、わかった。やってみる!迷ったらまたここ、来ていい?」

「もちろん、お話聞けるの楽しみだわ。そうだ、お夕飯まだ?何か出すわ?何が良い?」



うちは、ふと死んだ日の事を思い出す。

だったら、あれっしょ。



「オムライス!」


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