第三話 うち、天国爆着!
おっさんと別れた後、わりとなにしたらいいかわかんなくなったわ!
一旦封筒の中見たらわかる系かなと思って、一番大きな封筒をあけてみた。
うわあ、めっちゃ文字文字文字……!!!最悪!
こんなん読めるわけなくね???ありえねー!
そういう時こそ、SNSじゃね??
天繋にすぐログインしてポストしてみる。
【ヘルプー!うち天国一日目なんだけど、どうしたらいいかわかんない!
みんなはどうしてた?まじ教えてー!
#天国1日目 #天使1年生 #マジ助けて】
すると1分もしない間にポンポンとリプライが飛んできた。
【まずは都会エリアに出てなれるのがおすすめ。カフェにでも入って封筒を確認してみてくださいね。頑張って!】
【ようこそー!天国って結構エリアがあるから、スマホにある【天入】を見て。地図アプリだから。レビューもあるし、自分の家登録したら楽かもー】
【いけるいける!みんな優しいから、とりま街でなー?】
まじ!?やっぱ天国って優しさしかないーーー!
早速アプリ、天入を開く。マップアプリだ。
これならうちにもわかるー!助かった……
とりま、おすすめしてもらったし、行ってみたいし、都会いっちゃうか!
あー徒歩なんはまじだるいけど、これから自転車とか買いたいなー。なんて思いながら歩いていくか!たまにはゆっくりもいいよね。
マップをみながら都会エリアと書かれた場所に向かう。
「都会、サイコーーじゃね??????」
無事都会エリアについたうちはまじでアゲ。やべえの!
天国ってもっとなんか神聖ていうか、まじ絵画の世界だと思ったけど……
めっちゃめちゃ都会じゃんね?これ!
てか、東京みたいな?ここ、うち神奈川生まれだし時々マキ達と行くくらいだったから……
「超アゲなんですけど!!!え!?百貨店もめちゃあるし!え!あのブランドもあるじゃん!?はあ?待って、プリ機もあるの?
勝った。勝ったわうち。人生勝ったわ、いや死んでるけど!とにかく!天国、サイコー!!!!」
天国は本当に外界とあまり変わらず、ちょっと配置とか違うかもくらいじゃん。
タクシーもあるし、電車もあるし。自転車乗ってる人もいるから買えるんだ。
コンビニも、カフェもラーメンも、なんなとある。信じられないくらい天国。(まあまじ天国なんだけど、なんつって。)
早速さっきリプライをくれた人向けに自撮りと共にお礼言っておこー!
大きなビルをバックに盛れてる角度でぱっしゃっとしてー。
【うち、天国爆着!とりま都会エリア!頑張ってみる!さっきはありがとう!
#サンキュー #都会やべえ】
すぐにまた【おめでとー!】とみんな書いてくれた。
なんか、くすぐったい。ありがたいな。
まじでここにいる人治安よすぎ。
そりゃあ天国に来た人たちだもんね、
悪い人なんてそうそういないとは思っていたけど本当にいない。
違法駐車、信号無視、歩きタバコが全くいない。
歩いてる人がみな優しい雰囲気で、どこか余裕がある感じ。凄いでしょ!天国!
ここが今日からうちが過ごしていく、居場所。
……ただ、みんな知らない人しかいないだけだ。
マキもママもパパもいないだけ。そう、それがやっぱりさみしい。
天繋でもリア友出来たらいいんだけど、まあまだハードル高いよね。
でも、そうじゃなくってさ、生きてる間にいた人の事、思い出しちゃうよ。
どーでもいいと思ってた先生も、毎日通学の時話しかけてたおばあちゃんも、
大好きなコンビニの贔屓にしてた店員さんも、バイト先の仲間も。
死んだばっかなのに、もうかなり遠くに感じてまうよね。不思議と。
「あーーー!今日絶対泣くから、今のうちに街を探索しといて、楽しむ準備していこ!
あ、でも家があるんだよね。一回行って必要なもの買いに行ったほうが?」
うーん、どうしたらいんだろうか。でもなんかアゲなうちに回りたい気持ちがある。
今一人になったらめっちゃ泣く自信あるし。でもでも……
「そうだ、パンケーキを食べよう。」
腹が減ったらなんとやらじゃんね!とりま天国で最初にパンケーキを食べよう。
天入で見てここの近くにレビューのいいパンケーキ屋があるじゃん!
そこに行こう!!
10分歩いたところの少し町外れの路地に店はあった。
ツタに包まれた外観がめっちゃいい。いいじゃん!うちは店の扉をひらいた。
カウンター席と少しテーブル席がある超アンティークな店で、周りにはアンティーク調の小物がずらっと並んでる。お皿やポスター、陶器の動物の飾りがところどころにいる。
え!かわいすぎんだろーーーーー!
うち、こういうのあんま見たことないからまじ耐性ないわ!かわいすぎ!!!
すると奥のカーテンから緑のロングワンピースにエプロン姿のどうみても優しさで出来てるっしょ?みたいなやわらかい雰囲気のお姉さんが出てきた。
お姉さんは微笑んで、うちを出迎えてくれた。
「あらぁ〜いらっしゃい。お一人?」
「あ。はい。」
「どうぞ〜。初期のお洋服って事は来たばかりなのかしら?」
「あ、そうなんですよねーあはは。」
「それはお疲れ様ね。ここまで大変だったでしょう?」
「まあ、びっくりしてばっかっていうか。」
カウンターに座ったら少し落ち着く。
このお店の雰囲気がなんだか居心地がいい。趣味と少し違うんだけど、カワイイものとか、綺麗なものをみるのは好きだし、何よりお姉さんがなんかいい。
「わからない事があればいつでも聞いてね。今から封筒整理とかがあるでしょうから。
それをしてからの注文で構わないから。
あ、折角初めて来てくれたんだし一杯サービスしたいわ。何か飲みたいもの、ある?」
「あ、えっと。じゃあ、メロンソーダ。」
「うふふ。いいわね。じゃあ準備するわ。」
神対応。
でも、助かる、まじで。
うちはゆっくり封筒の中に目を通して行く。文字見るのは嫌だけど、色々聞きながら理解しなきゃ。まずは家からだよね。
家は、えっと。天入と一緒に照らし合わせてみると、天使科ビルの近くにある寮らしい。
そっか、公務員的な話だったからそういった社宅的なもんになんのかな。広いといいんだけど。
冷静に一から自分で色々しなきゃなんだろうからまじでプレッシャーだな。
炊事洗濯…… ははは。自信ないな。
まあやってみてだよね!うんうん!
あー後はなんだ?えっとー……
「どうぞ、メロンソーダです。」
「わわ、ありがとうございます。」
「すっごい苦い顔で書類見てるけど、大丈夫?一緒に見ましょうか?」
「え、でも……」
「大丈夫、店員はもう一人奥にいるし。困ってる人はほっとけないわ。」
「それは、ありがたい、です。」
おねえさんは横の席に座ってくれた。そしてにっこり微笑んでくれた。
なんか、笑顔って人をこんな安心させんだなってなんか、思った。




