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天使、はじめました☆  作者: 大牧ぽるん


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第二十三話 うち、先輩にやっちゃった!!!!

「いちご……」



にゃーたんが申し訳なさそうにしている。

なんて声かけたらいいかわかんない中、名前だけ呼んでいる。



「あたしが、わがまま……?そう言ったの?」

「はい。だって話全く聞いて無いじゃないじゃないすか。」

「でも、にゃーたんは、ずっと一緒に。」

「いたにゃ。でも、話はあんまりしてないかも知れないかもにゃ。」

「え、でもずっと、あれ?仲良しだねって。」

「それはそうにゃ。でも、ほら、その……」

「いやはっきり言った方がいいよ!いちご先輩の為にもにゃーたんの為にもならないよ。」

「でも……」

「いちご先輩、もっとにゃーたんの事考えてほしいっす!」

「……うるさい。」

「え?」

「ああああああああああああああああああああああああああああああ」



ぶわっと黒い煙みたいなものが出てきた。

いちご先輩の周りを包みこんでしまった。なんだか、てか絶対ダメなヤツだってわかる。



「いちご!駄目にゃ!!!!今の思考は捨てるにゃ!」

「これって。」

「罪を犯す精神状態の前兆にゃ、危険な状態にゃ。」

「えええええ」

「いちご!いちご!返事するにゃ!!!!!」



にゃーたんの声と裏腹に煙が濃くなっていく。返事はない。

でも、煙の何かが聞こえる。



【こいつなんかがいるのがわるいのよ

にゃーたんはあたしのだった

なのに邪魔した邪魔した邪魔したにくいにくいにくい】



「いちご先輩!!!」



思わず叫ぶ。でも何も変わらない。

瞬間、扉が開き颯斗先輩が躊躇なく煙に入っていく。



「いちご!お前!いちご!いちご!」

「颯斗、事情は後で話す!頼むにゃ!」

「わかった!にゃーたんとティアラさんは北杜さんを!」

「ティアラ、行くにゃ!」

「でも。」

「いいから!」



うちらは部屋を飛び出し、にゃーたんが天通で北杜さんに連絡する。



「北杜!いちごが黒煙になりかけている!至急擁護を要請するにゃ。」

「わかりました。みなさんは!?」

「颯斗が行ったにゃ。原因はにゃーとティアラだから部屋を出された状態にゃ!」

「にゃーたん。」



そこには走って来たキヨばあがいた。



「キヨばあ、いちごが!」

「わかっとる。行ってくるけん。」



するとキヨばあも部屋に入っていく。二人は仲良かったハズ、大丈夫だ。



「とにかくティアラさん。事情は後で聞きます。まああなたはあまり悪くないと思いますが。」

「にゃーのせいにゃ。ティアラは悪くにゃい。」

「いちごさんは不安定な方ですから。一度しっかり話したほうが良いかも知れませんね。とにかく、向かいます。」



部屋からは颯斗さんとキヨばあの声がこだましている。

聞こえてくる絶叫と優しい言葉。



ここは天国、だったよね?



うちのせい……




「ティアラ、覚えておくにゃ。」

「にゃーたん。」

「ここには優しい人しかいない。でもさっきこの部署に来て多分みんなに否定されなかったかにゃ?」

「された。それが優しさだって。」

「そう、これ以上の犠牲者を出したくない。だから誰かが来たらみんなで追い返す。

このチームの暗黙のお約束みたいになってるにゃ。それを突破したのが珍しいにゃ。」

「そうなんだ。」

「でもティアラは最初ムッとしたハズ。優しさだけど否定だったから。」

「……あ」

「いちごは特に精神面が弱い。だから、こうなったのも何度もあるにゃ。

さっきティアラが言った事はとても正しいし、にゃーは嬉しかった。

でも、いちごにとっては?知らなかったとはいえ、少し考えられたはずにゃ。」

「……でも」

「人を知ってから言って良かった言葉だったと、にゃーは思う。」



言い返せない。

そうだ、もしうちがいちご先輩が少し精神的に弱い方と知っていたら。

あんな言い方しなかった。きつい言い方をしてしまった。ちょっと腹が立ってたから。

いきなり会って間もない人に言うべきことでもなかった。



「正しい言葉だけだと時に言葉のナイフになる。

どう伝えるか、そこをティアラは学ぶべきにゃ。」

「それは、そうだね。」

「はっきり言えるのは良いことにゃ。長所だにゃ。でも、人となりを知ってからでもいいにゃ。理由があるかも知れない。」



そんな話をしていると擁護班がやってきて担架が部屋に入る。

先程よりも黒い煙が弱まっている。きっと二人が頑張ったんだ。

担架が部屋から出る時、いちご先輩からはまだ煙がでているが、ぱっとこっちをみた。



「にゃーたん、ティアラちゃん、ごめんなさい。」



そう言っていちご先輩は運ばれていった。

謝って……くれた。でもうちの方が。

部屋からは颯斗さんとキヨばあが出てきた。体中真っ黒だ。

ぱっと自分も少し黒くなっていることに気がついた、にゃーたんは黒猫だったから気づかなかった。



「ティアラちゃんごめんね、にゃーたんにお茶を頼まれてたのに、いちごちゃんに任してって言われちゃって…… 少し考えたら危ないってわかってたのにねえ。」

「キヨさん、あまり気になさらないでください。さて、事情を聞く前に闇を少し吸ってしまっている。浄化する必要がある。

ティアラさん。色々詰め込んで申し訳ないが、今の状況はしっかり説明する。浄化に行こう。ついてきてくれ。」



と言われて部屋に入ると窓が空いている。

……え?まさか。



「浄化場所は太陽と月の近い神聖な場にある。」

「あ、えっと。飛ぶ感じ?」

「早く!飛び方は知ってるはずだ!」



いやいや、飛んだことなんかないし!!!

すると、後ろから手を取ってくれる人が。北杜さんだ。



「エスコートします。行きますよ。」

「あ、え!」



窓の外へ思いっきり引っ張られてうちは空中に飛び込んでいった。

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