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天使、はじめました☆  作者: 大牧ぽるん


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第二話 うち、恋愛科希望しちゃいまーす

「天使、恋愛科……?」

「おお!お目が高い。そちらはと、て、も!やりがいがあります!」

「なにすんの?」



おっさんは少し自信ありげにまた雲に文字をうつした。

そこにはでかでかと【天使】と書かれている。



「天使とは!この天国でいわば公務員的存在となります。

この天国の統括、治安維持だけではなく、外界の世界のイメージアップの為にある部署があります。それが、まさに恋愛科でございます!」

「外界に行くの!?!?」

「左様!外界へと行き、人間の恋愛をサポート、そしてカップル成立させるお仕事です!

簡単なお仕事ではありませんが、貴方に、ぴったりだと思いご提案しました?」

「うちに?なんで??」



うちが恋愛経験無いこと知らないとか?

てか、そんなぴったりとかなんでこのおっさんがわかるんだ?



「恋愛経験がなくとも、貴方には人の事を考え行動出来る生き方をされていたので、

その経験をいかしたサポートが出来ると確信しておりますよ。」

「そうかな……」

「しかし、こちらは天使の仕事の中では厳しいルールや強い精神力が必要です。

この恋愛科は画家が沢山描いて行きた天使のイメージそのものの仕事ですから、

責任も人一倍あります。しかしやりがいはあると思います。」

「あー、確かに、恋のキューピットとか言うしね。」

「えっと、少しキューピットとは違うのですが…… まあ、そういう事にしておきます。」



なんか、天使も色々あるんだな。シンプルむずいな。

でも初めてだな、人の事を考えて行動してると言われたのは。

当たり前にしてたけど、そんな凄いことだったりしたんだ。

ちょっとあがっちゃうわ、気分!



「他のお仕事もアパレルや、モデル等、貴方はオシャレもお好きと思い提案しています。」

「思ったんだけど、結構普通の仕事もあんだね??」

「はい!天国ですからね。外界にあったものは大概はあるかと。」

「え!デパコスも!?」

「デパ……?」

「高い化粧品の事!!あるの!!??」

「ああ、百貨店にいけばあるかと。」


まじ!?!?うっしゃあああああああああああああああああああ!!

生前に出来なかった事こっちでしちゃえばいいよね!

最初からになったのはちょっと癪だけど!まあしゃあない!しゃあない!



「ご興味あるならまたこちらへご連絡くださいね。そう決断を急ぐものでは……」

「天使、恋愛科!うちやっちゃいまーす!」

「ええ!?決断はやいですね!?!?大丈夫ですか?」

「うち、ここ天国でやりたいこと沢山出来たんだよねー!だからさ、経験活かせる仕事のほうがよくね?それに高収入!それに越したことはないっしょ!」



おっさんがあんぐり口をあけてる。ウケる。

何に驚いてんだろ?うちにおすすめされた仕事したいって言っただけなのにさあ。



「じゃあ、おっさんよろー☆」

「……わかりました。では仕事の登録をしておきましょう。

少し待っていてください。入力していきます。

その間に先程説明した、前世の大切だったもの一つだけを決めておいてください。

すぐにお渡し出来るようにできますので。」

「オッケー」



おっさんはパソコンに向かってカタカタなんか打ってる。マジ本格的。

うーん、前世の大切だったもの一つだけかあ……

ぶっちゃけめっちゃあるのに、一個とか決めらんなくない???えーーー

コスメもそうだし、アクセもそうだし、お気に入りのワンピもあんのにーーーーー!!!

でも冷静にさ、天国でもアゲになるものがいいよね。

なんか、あったらなんか頑張れるわーーー的な?

……うーーーん。なんだろう。



「結構皆さんなんでも持って来られますよ。先日来たおばあさんは庭の桜の木でしたし。」

「すっげ!そんなんありなん?」

「はい、貴方自信が大切だったものならなんでもいいんですから。」



あ…… なら一個あんじゃん。



「おっさん、財布。うちの学生カバンの中にある。それにして。」

「財布ですか。どうして?」

「あれ、ママとパパが高校の入学祝いに買ってくれたんだ。

ずっと欲しかったブランドのでさ。そういうの詳しくないのに二人で買ってきてくれたものだから。それにする。」

「そうだったんですね。では、手配開始しますね。もうしばらくお待ちください。」


おっさんが作業してる間暇だし、なんとなく今からの記録が欲しくなったからスマホを取り出し、天カメでパシャっと一枚自撮りした。

こうやってみるとまじ初期装備みたいな。ほんと、服とコスメは早く買いたいかも……

天繋も開いてみると、外界のものとあまり変わらないシステムだったのでアカウントを作っていき、早速つぶやいてみた。



【天使、はじめました☆】



誰かここでも友だちが出来たらいいなーなんておもってたらおっさんがやってきた。



「お疲れ様です。登録が全て終了しました。

渡すものがありますので、こちらのカウンターへどうぞ。」



机のあるカウンターに座って、机の上の何個かの封筒と財布を見て急に涙が出た。

あーーーーうち死んでるーーーー。わかってて受け入れてもくるなあ。



「大丈夫ですか?」

「ごめんごめん、いけるいける。」

「はい、ではご説明です。こちらの封筒は住居の説明。場所や使い方の明記をしております。こちらは外界のものとあまり変わらないとは思いますが、お渡しします。

トラブルがあった際の連絡先一覧表もありますから、保管してくださいね。」

「へえ、なんか電気会社も天国は一個なんだ。」

「まあ、勧誘とか大変じゃないですか。乗り換えてーとか。そういったものも無いストレスを少しでもない状態を天国では目指しておりますので。」



すげえー。外界もそうしろよ。



「次に、天国銀行の口座カードです。お給金などもこちらに振り込まれます。」

「はーい」

「そして、こちらはひとまずの現金です。10万入ってます。」

「えええ!?」

「残りの1年分の生活費と、生きている間に得を積んだ方はボーナスはこちらの口座に既に入金済です。ご利用は計画的に。天国には貸付はございません故。」

「はーい…… 自立つれー。」

「そして、こちらが財布です。手にとってお間違いないか確認してください。」



財布にふれる。ああ、これだ。ママ、パパ……。



「最後に天使、恋愛科ですが。新居整理や天国に慣れていただきたいと先方から言われたので、勤務が1週間後になります。場所はあのビルの7階です。」



ふと見ると、豪邸みたいなあのビルってかホテルみたいなとこ!?!?

あれ?職場????まじで???ちびりそうなんだけど。



「以上が説明です。ティアラさん。良き天国ライフを!」

「あ、ありがと。」

「困ったら頼ってくださいね。」

「うん。……あのさ。」

「はい。」

「うち、結構最初にハゲとか言っちゃってごめん。ここまでしてくれてありがと。

また困ったら頼らせて、おっさん。」

「……もちろん。」



ちゃんと一礼をして私は出口っぽいところへ歩いていく。

天国ってどんなところだろ。ちょっと楽しみだなー!

外界とあんま変わんないとか言ってたけど、とりまフラッペとか飲みてー!



超不安だけど、

ま、やるしかないよね!1週間は準備だ準備!



……ところでおっさん、うちが話してないこともなんか答えてくれてたな。

天国の偉い人ってそんなんなんかな?


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