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パチンコ大好き山伏女がダンジョンの下層階で遭難した美人配信者に注文通りハンバーガーセットを届けたら全世界に激震が走った件  作者: 羽黒楓


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第76話 ダーウィン賞確実

 ドローンが飛んでいる。

 そのカメラに向かって四人は並ぶ。

 虹子がyphoneを操作しながら言った。


「じゃあ、配信、始めるよー。今すでに待機画面ついてるから! じゃ、行くよ! 3,2,1,スタート!!」


〈はじまた〉

〈こんにちレインボー!〉

〈こんにちレインボー!〉

〈おお!? なんだこのメンバー〉

〈こんにちレインボー!〉

〈こんにちレインボー!〉

〈こんにちレインボー!〉

〈ニジーにれいなちゃんにういちゃん、それにトメまでいるじゃん〉

〈オールスター〉

〈こんにちレインボー!〉

〈こんにちレインボー!〉

〈日本最強クラスのパーティだ〉

〈特SSS級、SSS級、それにS級二人〉

〈♪初めまして。よろしくお願いします〉


 一気にコメントが流れてくる。

 四人はそれぞれ片耳にイヤホンをつけていて、コメントが倍速で読み上げられるのが聞こえる。

 ちなみに常連のコメントが優先して読み上げられる設定にしてあるし、フィルターもかけてあるので、おかしなコメントはほとんど無視される。

 『♪』はヤミの母親にだけ付与しているスタンプだ。読み上げでは『オンプ』と発声される。

 それを確認して、零那(れいな)は気を引き締めた。


「こんにちレインボー! 今日も元気よく配信していくよー!」


 虹子がいつもより明るいトーンで話し始める。


〈こんにちレインボー〉

〈コンレボ〉

〈こんにちレインボー!〉


 相変わらずなにこの挨拶、意味わかんないわね、と零那(れいな)は思うが、まあ配信ってのはこういうものらしい。


 虹子は明るい声でカメラに話を続ける。


「はい、みなさん! ここで重大なお知らせがあります! 私と、トメさん! 二人、実は死んじゃう呪いを受けちゃいましたー! てへへ」


〈?〉

〈まじで言ってる?〉

〈冗談だろ?〉

〈死ぬ呪いってなんだ〉

〈まじか〉

〈死なないで〉


「んー。前の探索でさ、どっかで呪いの刻印彫られちゃったみたいなんだよねー。で、この刻印があると、地上に出ると体調崩して死ぬみたい」


〈じゃあもう地上に戻れないの!?〉

〈一生地下暮らし!?〉


「いや、このまま地下にいても、そのうちこの刻印がモンスターを呼びに呼んで殺されちゃうみたい」


〈ほんとのこと言ってる?〉

〈それにしては明るく言っているな〉

〈どうするんだ〉


「それで! 特SSS級のお姉さまと、SSS級の羽衣(うい)ちゃんの力を借りて、この呪いの刻印を消すためにさらに地下へと潜っていきたいと思います!」


〈地下深くってどのくらい?〉


「多分、地下20階になると思います! そこに呪いの大元となっている悪い神様がいるらしいので、そいつをやっつけます!」


〈ええええええ〉

〈ああああああああああ〉

〈無理だろ〉

〈死んじゃう〉

〈人類の最高記録が地下12階だよ〉

〈不可能〉

〈いや、山伏(やまぶし)は地下16階まで行ったことあるって言ってた〉

〈このメンバーならいけるんじゃないか!?〉


     ★


 特SSS級とSSS級の姉妹が、地下20階へ挑戦する。

 そのニュースは瞬く間に全世界に広がった。


 公式記録では、人類が到達した最高記録は地下12階である。

 それも、モンスターと一切戦わないスタイルで逃げに徹してやっと到達しているのだ。


 その記録を大きく超える、地下20階。

 人間がいまだ見たことのない世界。

 それを目指すというのだ。


 全世界の報道機関が一斉に報道を始め、ニュースサイトやSNSで議論となった。


 応援するコメントも多かったが、ほとんどが否定的な意見だった。

 地下20階はあまりにも未知な階層すぎる。

 人間が到達するのは不可能と思われているのだ。


『自殺行為』

『人類最大の愚行』

『太平洋を風船で渡ろうとするようなもの』

『ダーウィン賞確実』

『投げ銭稼ぐためのヤラセだろ』


 そんな揶揄する言葉が行き交う。

 それでも、支持する者だっていた。

 虹子の始めた配信に、続々と人々が集まってくる。


 人類初の偉業を見届けようとするものたち。

 美しい女性がむごたらしく死ぬのを見ようとするもの。


 零那(れいな)たちの探索は、全人類が注目する大冒険となったのである。


     ★


「じゃあ、もう一人の仲間を呼び出すわね」


 零那(れいな)がペンダントを手に掲げて言う。


〈もう一人?〉

〈だれ?〉

〈あるとしたらSS級の朱雀院彩華(あやか)とかか?〉


 その名前を聞いて、トメはチッ、と舌打ちをする。

 零那(れいな)は聞こえなかったフリをして言う。


「いえ。実は、とある理由でカメラには映らない人なの。実を言うと霊体なのよね。でも、たしかにここにいるから。みんな、ちゃんと見てる?」


〈♪見てます〉


 そのコメントを確認してから、零那(れいな)はペンダントを両手で目の上に掲げると、真言を唱えた。


「じゃあ、いくわよ。オン マユラ キランデイ ソワカ!」



―――――――――――――――――――――――――――

お読みいたただきありがとうございます!

あとがきというかお知らせです。


何か所か、大幅な変更を行いました。

12/28 12:40時点での変更点です。それ以降に最初から読み始めた方には影響ありません。


※25話と26話を統合しました。

冗長になっていて、読者様が離れているように見えたので、爆撃機の話をカットです。


※31話を削除しました。サブタイトルで言うと『すべらない話』です。ここで読者様が離脱しているっぽいので、夢の話を削除し、31話と32話を統合しました。


※47話と48話を統合してすっきりさせました。サブタイトルで言うと、「スケッチブック」と、「羽衣の画力」です。

冗長だったので統合して文章削りました。

新しいサブタイトルとしては、46話 裏側 となっている部分です



※サブタイトル 56話すもん(現タイトル サモン、シモン)と、68話ヤミバイト②のところを大幅修正しました。

ヤミの正体を知っていたのはコメント欄にいたヤミを好きだった同級生ってのがご都合主義すぎたので、藍里(あいり)に変えています。

そこだけ押さえておけば読み直さなくてもOKです。


これからもよろしくお願いします。



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