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008_神界ではよくあること

==========================================

あらすじ:受付でのやり取り。

     害獣駆除の場合、討伐報酬の方が

     高くなる事もあります。


視点:ヨミの国の最高責任者 エンマ大王様

『』:フールさん

==========================================


《オオヤシマ歴2994年 5月 1週6日目》


◆神界ヨミ・ヨモツヒラサカ◆



「おーい、エンちゃん。

 今、帰ったよ~(フリフリ)」


「ああ、ジゾウさん、お疲れ様です。

 すみませんね、わざわざ送ってもらって」


「なあに! 気にしなさんな。

 いつもはエンちゃんにばっかり

 面倒事任せてるんだから

 僕もこのぐらいはやるさ~!」


「はは……。

 じゃあ、彼は今、控え室の方ですので

 ちょっと呼んで…いえ、丁度良いですし

 休憩も兼ねて、応接室で話しましょうか。

 どれ……」


(チリンチリーン)



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「……って訳で、ヤソちゃん。

 要望通りにあの子を

 【オオヤシマ】に送ってきたよ~」


「ああ、ヤソさん。

 今回はちゃんと事前に私の方から

 上に連絡して許可とってありますので

 そこはご心配要りませんよ」


「本当、ありがとう!

 お二方に! 感謝する!」


(フカブカー)


「ははは! ま、気にしないでくれよ!

 それより、珍しくない?

 ヤソちゃんがあんな頼みしてくるのとか。

 僕は詳しい事情を知らないけど

 そんなにあの子を気に入ったのかい?」


「そうだな…気に入った…実に!」



 目の前のヤソさん。


 正式には【ヤソマガツヒノカミ】様という


 【神界こちら】では、礼節を弁えた


 少し口下手な武人って感じの方なんですけど…。


 【神界】の1つである、ここ【ヨミ】だと


 特に重要な役割を持った神様の1柱なんですよね。


 何せ、只でさえ{穢れ}が溜まりやすい【ヨミ】の


 {祓った穢れ}を一身に纏い、現界へ降臨するという


 【禍津日マガツヒ】の役割を持った方ですから。


 まあ…現界に降りた際は{穢れ}のせいで


 意識の大半を塗りつぶされてて


 まともな思考なんて無理になりますからね。


 {穢れ}に突き動かされて暴れまくるので


 当然、現界の人達からは{災厄}扱いですよ。


 ええ、そりゃもう、実に嫌われてますね。


 …本当、毎度損な役割を引き受けてもらってて


 私達も申し訳無いと思ってはいますが


 それ以上に、感謝してる方なんですよね…。


 そんな方が気に入った…ですか。



「まあ、ヤソちゃんの場合。

 特に気に入りそうだよね~。

 あの子みたいな、元気溢れ過ぎて

 ギラギラしてるタイプの子って」


「ああ! まさに!

 我と一騎打ち…潔い!」



 いやあ…まあ…確かに?


 普通、ヤソさん降臨して被害出た時は


 話し合いも通じないから


 国の軍隊や、精鋭で組んだ討伐隊で


 倒しに来るのが当然ですし


 過去も全てそんな感じでしたけど


 あの子、普通に一騎打ちに来ましたからね。


 しかも堂々と名乗りを上げて…。


 それで相打ちまで持っていくんですから


 いやはや、人間の可能性と言うものは


 侮れないものですよ、本当に…。


 ……ところで、ちょっと気になる事が1つ。



「…それはそうとして、ジゾウさん?」


「うん? 何々? エンちゃん」


「あの子、ここで復活させたじゃないですか?」


「我との勝負、褒美…選んだ結果」


「ええ、そうですね。

 戻ってきたヤソさんが感動したので

 ここへ魂を呼び寄せてから

 特別措置を選択させました。

 それで、まああの子は選んだ。

 …いえ、それは良いんですけど。

 ジゾウさん、復活してそのまま

 すぐに連れていきましたよね?」


「え? そうだけど…どうかした?」


「……服は?」


「……?」


「いや、肉体復活させただけだから

 あの子、何も着てませんよね?

 もちろん、何か着せてから

 送ってあげたんでしょう?」


「…………あっ」


「「あっ!?」」


「(ポリポリ)あ──ゴメン!

 すっかり忘れてたよ~~あははは」


「あはははって…ええ……。

 じゃ、じゃあ荷物は?

 何か向こうで生活できる程度の

 道具とかそういうのは?」


「あ、あはははは……いや~ゴメンネ!」


「いや!? それ忘れたらまずいでしょ。

 え? つまり、ジゾウさん。

 あの子を、裸一貫で送っちゃったんです?

 文字通りの裸一貫で???」


「(ガックリ)お、おおう…無惨…」


「いやいやいや! ヤソちゃん!

 ま、ま、裸だけど、大丈夫だって!

 ヤソちゃんと一騎打ちできる子だよ?

 裸でもあそこならなんとかなるって!

 うん、大丈夫なはず!」


「……ジ、ジゾウさん。

 あの子、復活したてですよ?

 身体能力とか諸々、最低まで下がってて

 下手したら、そこらの子供より

 ひ弱な存在になっちゃってるんですよ!?」


「…………あっ、そっか~」


「(ガク──ン)ぐふぅっ、おおおおお!!」


「あ! ああっ!? ヤソさん!

 お気を確かにっ!!

 そっか~じゃないでしょ、ジゾウさん!」


「あははは! まあまあ!

 ヤソちゃんが認めるほどの

 行動力と強運もった子だもん!

 何とかなるって! うんうん!」


「はあ………」



 困ったもんです。


 ジゾウさんは、【神界】と【現界】を


 自由に行き来できる特殊能力があるので


 送り迎えをお任せしてるんですが…。


 神や菩薩やそれに近しい者達って


 寿命とか生命の危機とかに疎いから


 その辺、ゆるっゆるなんですよねえ。


 だから、今回みたいな事は


 たまに…いえ、よくあると言うか


 しょっちゅうと言うか……。


 はあ…送り終わってしまった以上


 こちらからは、もう何もできません。


 何しろ、今回に関しては


 この世界の【現界】ではなく他所様の世界。


 …ですから、支援も出来ないんですよね。


 はあ……あの子があちらの世界で


 どうか無事に生きていけます様に…。


 ──まあ、こちらでの経緯聞いてると


 平穏はどうせ無理な気はしますけど。


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