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006_フールさんの面接官はギルド長

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あらすじ:門番の人達は服もくれて

     割りとスムーズに通してくれたようです。


視点:冒険者ギルド ギルド長 セントラル

『』:フールさん

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《オオヤシマ歴2994年 5月 1週6日目》


◆冒険者ギルド本部 会議室◆



「ああ、とりあえず

 そちらのイスにかけてください。

 話も手短に済ませるつもりですので…」


『これかい? あいよ…っと…』


(ガタッ、ガタガタ)


「では、申し遅れましたが

 私の名前はセントラル。

 この【冒険者ギルド】のギルド長を勤めてます」


「へえ…? ギルド長さんだったのかい。

 それで? わざわざ別室に案内してくれて

 ギルド長さんが直々に何の話してくれるんだ?」


「…ふむ、緊張は…してなさそうですね。

 ふふ…どうやら豪胆な方のようだ。

 他の世界の人にしては珍しい…」


『かっかっかっ! まあな!

 図太いやつだ、とはよく言われたぜい。

 …で? 俺が違う世界の人間ってわかるのは

 やっぱ、この服のせいかい?(ヒラヒラ)』



 ああ、やはりわかる人にはすぐバレますか。


 まあ、目印になる物でしたら


 服でもリストバンドでも何でも良いので


 詰め所には、色々渡してはあるんですよね。


 …それにしても、服と言う事は


 こちらへ送られた際に


 全裸とかだったのでしょうか?


 いえ、さすがにそれは…。



「ご名答、その通りですよ。

 門の時点で異世界の方と判別した場合

 一目でそうとわかるものを

 身につけてもらってるんです。

 受付で手間が省けますんでね」


『なるほどねぇ。

 あの門番のおっちゃんも

 あっさりと服をくれるわけだぜ。

 ……で? 俺は何を話せばいいんでぃ?』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「名前は…ああ、なるほど。

 あなたの事は事前に聞いてますよ」


『へえ…行けばわかるって言われてたけどよ。 

 ちゃんと話しはつけてくれてたって事か。

 意外と律儀だな、あの神さん。

 …あっ、そうそう! 俺、この世界では

 フールって名前で行く事にしたから

 今後はそう呼んでくれよな!』


「ふむ…愚か者フールですか…?

 まあ、ご自分でそうと決めたのなら

 私も特に聞く気はありませんよ。

 そもそも冒険者には偽名の人も多いですし」


『へへっ、話の分かる人…ん? 神さん?

 ま、どっちでもいいか!

 それで俺は何すれば良いんだ?』


「ふふ…せっかちな方ですね。

 まあ、話の通じる方の様ですし。

 後は能力を測らせてもらって

 冒険者登録するだけですよ。

 冒険者…されるんでしょう?」


『おっ? いいのかい?

 なら、どうやるのか知らねえけど

 さくっとやっちゃってくれよ!』



(コトッ)



「では、こちらを手で触れてください」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「これは……逆に珍しい」


『へえ…そうなのか?』



 …確かにこれは珍しいですね。


 今までにこちらの世界へ来た人達というのは


 転移したにしろ、転生したにしろ


 色々な種類タイプが居ましたが


 何倍も強い能力や、特殊なスキルを所持していました。


 …そして、そのせいで


 現地人と諍いが起き易かったんですよね。


 彼らは異世界特典能力チートスキルとか呼んでましたが


 …正直、異世界の神も厄介な事をしてくれますよ。


 世界法則を無視した力やスキルなど


 そんな気軽に与えるものではないでしょう?


 そのせいで、私達が何度…。


 直接動かざるを得ない状況になった事か…



「ええ、実に珍しいですよ…。

 {HP}や{MP}はまだしも。

 {攻・防・速・魔・運}の5つの能力。

 これが全て{1}というのは…。

 現地人でも滅多に見ない程、低い能力ですね。

 しかも、{対物理・対精神・対魔}の3耐性。

 これも全てが{×}というおまけつきです」



 …ふむ……事前に聞いた話では


 かなりの腕前の剣豪だったらしいですが


 全くと言っていいほど、特別な力を感じない。


 いくら選んだ職業・・・・・に適性が無いと言っても


 現地冒険者でも、Lv1で2つ3つぐらいは


 何かの能力が{2}になっているはずですしね。



『ほ────…よくわからんが

 ま! いいじゃねえか!

 何とかなるって! 意外とな!

 かっかっかっかっ!!』


「はあ…まあ…。

 ご本人が気にされてないなら

 それで問題はないのですけどね?」



 ………まあ…ここまで極端ですと


 何らかの理由で弱体化してるという事も


 考えられますけど…。


 とりあえず、それほど厄介な事には


 ならなそうで、ほっとしましたよ。


 性格も…今の所は問題なさそうですしね。



『おう! そんで、セントラルさんよ?

 登録ってのは、もうこれで済んだのかい?』


「ええ、お疲れ様でした。

 もう行って頂いて結構ですよ。

 ああ、係りの者を呼びますからね」


『おっ? そうかい?

 そんじゃ、早速……』


「…ああ、そうそう、忘れてました」


『うん?』



(サッ)


「ようこそ、フールさん。

 この世界でのご活躍を

 私達【冒険者ギルド】も期待していますよ」


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