022_神界ではあんまりないこと
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あらすじ:劇的と言うほどではないけど
思ったよりはLvアップの効果が
あったようです。
視点:神界ヨミの最高責任者 エンマ大王様
『』:フールさん
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《???歴????年》
◆神界ヨミ・ヨモツヒラサカ◆
「………」
(コトッ、コトッ、ホワワ~)
「どうしたの~? エンちゃん。
何か気になる事でもあった~?
はい、お茶!」
「(ハッ)ああ…ジゾウさん。
お茶ですか、有難いですね。
ぜひ、頂きますよ」
(ズズズズ~~)
「…で、どうしたの~? 疲れたの?
何かエンちゃんにしては珍しく
ぼーっとしてたみたいだけど?
ちなみに、僕はいつもだけどね!
はははは!」
「はは……。
いえ、少し思い出した事があって
それが、どうなったかな──っと」
「思い出した事?」
「ほら、少し前にヤソさんの頼みで
ジゾウさんに【オオヤシマ】へ
送ってもらった子が居ましたよね?」
「え? え~~~っと~。
……………居たっけ?」
「ええ、覚えてませんか?
復活させたばかりでジゾウさんが
そのまま送ってしまった子ですよ。
何の道具も特典も持たせずに
文字通りの裸一貫で……」
「………………!!
あ~~~、居た居た!
……あの子どうなったんだろ?」
「思い出したみたいですね。
それで私も今その事を考えてたんですよ。
その内、私が直に様子を見に行こう…とは
思ってたんですが、ここ最近
思いの外、忙しかったですからね」
「みたいだね~。
何か【現界】の方で色々あったのか
魂の列、凄かったもの~」
ああ、やっぱりですけど
ジゾウさん、すっかり忘れてましたか。
まあ、私は私で忙しさにかまけて
気にかけてあげる事ができなかったので
ジゾウさんと大差ありませんけどね。
「まあ、国家間での戦とかがあると
一気に来ますからね…。
まあ、そこはいつもの事ですから」
「う~~~ん、じゃあさ。
僕が行ってこようか?
様子見て……は無理としても。
話を聞いてくるぐらいならいけるよね?」
「いえ、あちらの管理者の方へ
挨拶もしておきたかったので
折を見て私が直接行ってきますよ。
こちらの忙しさも一段落しましたしね」
「そっか~、じゃあ行く時は教えてよ。
思い出したら、僕も気になってきたし。
……ま、まだ死んじゃったりしてないよね?」
ふむ、ジゾウさんが……珍しいですね。
正直、今まで忘れてたとは言え
神や菩薩が1人の人間を気にする事は
あまりないですから。
特に私もジゾウさんも長い時を過ごし
神も仏も人間も、関わっている数が多すぎて
あまり覚えてられませんからね…。
それだけ、あの子…と言うか、あの状況は
あまりにも特殊な例だったんでしょう。
「さあ、どうなんでしょうね?
確か、あちらの【現界】へ送ってから
あっちの時間で、大体1箇月ほどですか
そのぐらいは経過したはずですが……」