021_Lvアップの実感 ②
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あらすじ:Lvが上がったワイスさん。
イマイチ実感はないっぽいです。
視点:魔術士Lv1 ホワイトさん
『』:フールさん
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《オオヤシマ歴2994年 5月 4週4日目》
◆都市近郊の草原◆
(ドタッ、ズササササ)
「ゲッホ! ゲホゲホッ…!!」
「お、お姉ちゃんっ!!?」
「(オロロッ)あ、ね、姉さんっ」
(ガシッ、ググググッ)
『ぐぬぬ、暴れんなよ…お~~~い!
2人とも動揺しとらんと
先にこいつのとどめやってくれ~~』
「(ハッ)あ! うん! わかりました」
「(バッ)む~~!! こんのおっ!!!」
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
ふ、ふう…ま、まだ…。
心臓がドキドキしてるの止まらないや。
…そ、それにしても
僕とロゼだけだったら、あのままじゃ
どうしたら良いかわからなくなって
絶対に誰か大怪我……ううん。
大怪我じゃ済まなかったかも!?
…フールさんが居てくれて良かった。
「ごめんね、お姉ちゃん。
(サスサス)おなか大丈夫…?」
「…………」
「ね、姉さん???
どうしたの? 痛い?」
「……あ───…なるほど」
「「えっ?」」
え? え? え? 何の事?
何か考え事してたみたいだけど。
何が{なるほど}なんだろ?
「あ、いや、ほら。
Lvアップした実感って、さっきは
あんまり無いって言ったけど…。
ちょっと実感したかも?」
「そうなの?」
「そうそう、さっき庇った時って
間に割り込む暇なかったから
盾構えて守ったんじゃなくて
横から盾で体当たりしたのよ。
ど──っん! …って」
「う、うん、それでどっちも…。
姉さんも【ブニブニ】も
大きくふっとんだのは見たけど…」
「…ほら、私の場合だと
{攻}が上がったじゃない?
盾で体当たりって、Lv上がる前にも
何回かやったことあるけど
あんなに吹っ飛ばなかったわよ?」
「あ、確かにそうだよ!」
「そ、そうなのかな?
…そうだったかも?」
「アレ、当たった時に、何かこう…。
グッと言うか、グググッて
更に押し出された感じだったのよ。
多分、アレがそうなんだと思う」
「そうだったんだ?
…うん、姉さんが感じたんなら
きっとそうだよ!」
『かっかっか! そうだな!
さっきのは良いぶちかましだったぜ!
ワイスちゃん、Lv上がったら
筋肉モリモリちゃんになれそうやな~』
「ちょっ!? さすがにそんな
筋肉女みたいに言うのは止めてよ!!
上がったのは私の腕力じゃなくて
攻撃力よ、攻撃力!!」
「あははは!」
「(プンスコ)こら! ロゼ!
あはははじゃないわよ!
さっきの油断しすぎ。
今回はギリギリ間に合ったけど
気を付けなさいよ? 本当に」
「(シュンッ)う、うん。
ごめんね、お姉ちゃん」
「そうだよね、ワイス姉さん。
ロゼだけの問題じゃなくて
僕だって同じだもん。
気をつけなきゃ…」
うん、本当に気をつけないと。
最近フールさんのコツのおかげで
前はできなかった討伐だって
そこそこできてきたから
ご飯も食べれるようになったし。
武器とか防具も少しは買えたけど
やっぱり油断しちゃだめだ。
だって、そうだもの。
別に僕たちが強くなった訳じゃない。
ロゼは調子にのりやすい分
僕がしっかりしなきゃ!
「そうそう、ホワイトは
すぐ調子にのるんだから
ロゼがしっかりしなきゃね!」
「えー!? ロゼがそれ言うの?」