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002_同行する不審者

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あらすじ:不審者、大地に全裸で立つ。


視点:魔術士Lv1 ホワイトさん

『』:フールさん

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《オオヤシマ歴2994年 5月 1週6日目》


◆都市近郊の草原◆



『俺か? 俺の名前は、よ……あっ。

 いや…そうだな…(ブツブツ)

 バカ…愚か者…愚か者?

 確か…愚か者フールだっけか…?

 …うん、いいな! それでいくか。

 じゃあ、俺の事はフールって呼んでくれ!』



「は、はあ…? フール…さん? ですか」


「…ってそれ、思いっきり偽名だよね?

 それでいくかとか言っちゃってたし」


「…うさんくさい」


『まあ、いいじゃねえか! かっかっか!!

 ちなみに、呼び捨てでも、さん付けでも

 好きに呼んでくれていいぜ?』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(ザッザッザッ、スタスタスタ)



 とりあえず、あの変な人…フールさん。


 ここがどこだかわからないみたいだし


 そのままにしとくのもアレだからって


 僕達もクエストを切り上げて


 一緒に都市に戻ってる。


 さすがに素っ裸で腰に布巻いただけの人を


 放置するのもどうかと思うし。


 それにしても…クエスト対象の【薬草】は


 なんとか2束分集めれたけど


 これじゃあ、今晩のご飯も…。


 僕はともかく、ワイス姉さん。


 いつも、大丈夫大丈夫って言って


 自分の分を減らして……。


 大丈夫な訳なんて無いのに…!


 せめて僕が攻撃魔法を覚えれてれば


 【ブニブニ】を倒すのも楽になるから


 討伐の方でも稼げる様になるのに…。


 僕が覚えたのは【鈍速再生】だけ。


 はあ……役に立てない自分が情けないよ。



「なー? 裸のおっちゃん」


『(ガーン)……なあっ!? お、おっちゃん…』



 あっ、何かショック受けてるっぽい。


 と言うか、この人、何才ぐらいなんだろう?


 見た感じ、さすがに院長よりは若いよね。


 姉さんより上なのは間違いないと思うけど…。



『…ふっ、いいかい? お嬢ちゃん。

 俺はまだ24才だ! おっちゃんではない!

 名前は、呼び捨てでも構わねえが

 せめて、お兄さんと呼んでくれ! な!?』


「えー? 24才ー?

 それって…おっちゃんだよね?」


「うん、そうだね」


「…ま、まあ、一般的に24才って

 その…十分おじさ…大人だと思いますよ?」


『………お、おう、そっか(ガックリ)

 …ま、好きに呼んでくれや』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(ピタッ)


『…………ん──』


「ん? どうかしたの? おっちゃん」


「「?」」


『なあ? お前ら、ナイフとか持ってねえ?

 さっき、草切ってたやつで良いんだが…

 ちょっと貸してくれねえ?』


「(ピクッ)……」


「……ナイフ…ですか?」



 これは…どうしたらいいんだろう。


 確かに、採取や解体に使える刃物は持ってる。


 でも、僕ら…っと言うか、ワイス姉さんが


 この怪しい人の同行許してるのは


 完全に丸腰だったから、と言うのが大きい。


 今も、姉さんが渡した大き目の布を


 腰に巻きつけただけの状態だし。


 さすがに、こんな思いっきり怪しい人に


 刃物を持たせるのは……。



「(スッ)ん。

 これでいい? おっちゃん」


『おー、ありがとうな、小さい方の嬢ちゃん』


「「(ギョッ)ちょっ、ロゼッ!?」」


『ん? ……あ───。

 (ポリポリ)これは俺が迂闊だったな。

 いやいや、警戒させてすまんなー?』


「……いえ、それ何に使うんです?」



 …だ、大丈夫かな?


 とりあえず、切りかかってくる訳でも


 なさそうだけど…。


 とにかく、ロゼには後で注意しないと!!



『いや、ちょっとな…』


(バッ、ハラリッ)


「「…!!!??」」


「(ジー)……お、おぉ~~~~~!」



 ええ───!? 何してるのこの人っ!?


 いきなり、巻いてた布取って全裸に!!


 やっぱり変態なの───!!!?


 そ、それにしても、見過ぎだよ! ロゼ!


 何でその…股間をガン見してるの!?



(スッ、ビリリリッ)


「あっ!? 私のっ!!

 ちょっ! 何で切るの!?

 あああああああ───!!?」


(スルスルスル、シュッ、シャシャシャッ)



 えええええ───!!!?


 広げた布に切れ目入れたかと思ったら


 一気に切り裂いちゃったよ!?


 …あ、全部裂くんじゃなくて…うん?


 細長く…太い包帯みたいにして……???


 ちょ、ちょっ!? ええっ!?


 それを下半身に巻きつけるの!?


 わっ!? 横に縦にグルグル…。


 えっ? 最後に前に残った布を垂らすの?



(シュッ、キュッ、スパ───ン!!)


『よっしゃ! これで締まったわ!!

 いやー、あのままだったら長さがなー。

 うん、これでちょっとは動きやすくなったな!』


「…っ!?」


「おお───!? おむつ!?」


「おむつ!? ……あっ!

 確かそれっておむつじゃなくって

 【フンドシ】って言うんでしたっけ?」


『おっ? 大正解!! その通り!。

 …ああ! そっちの大きい方の嬢ちゃん。

 この布は後でちゃ~んと綺麗に洗ってから

 返すから、心配すんな!』


「(ワナワナワナ)いるかぁあああ!!

 っと言うか、そんな…お…そのっ…!

 とっ! とにかく! そんなとこに

 巻きつけたもの返すなっ!!?」


「姉ちゃんどうしたの? 真っ赤だよ?」


「(クワッ)う、うるさ───い!!」


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