019_フールさん日記 ③
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あらすじ:フールさん達を見た冒険者達の一部が
認識甘いままモンスターに挑み
大怪我しているようです。
視点:宿で軽い宴会後 フールさん
『』:フールさん
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《オオヤシマ歴2994年 5月 4週3日目》
◆冒険者専用の安宿【鈍亀亭】◆
(ガチャッ、スタスタスタ)
『おやっさーん。
悪いけど、何か飲み物もらえる~?
あ~っと、お酒以外で!』
「おっ、戻ったか、フール。
がははは、やっぱ嬢ちゃん達には
まだ酒は早かったみてえだな。
3人共酔い潰れやがったか」
『ま、ぶちまけたわけじゃないし
酔い潰れるだけなら
まだ良い方じゃないか?』
「くくく…違いねえな!
よし、それじゃ少し待ってな。
今、用意してやるからよ」
ま、今回は仕方ないよな。
なんせワイスちゃんのLvが上がって
Lv1から2になったんだもんなあ。
そりゃあ喜ぶだろうさ。
それにしても…思い出しても笑えるぜ。
宿に戻って軽い宴会やってた訳だが
俺が飲んでた酒を飲みてえって
あの3人が言い出したんで飲ませたら
3人共、あっという間に潰れやがった。
そりゃ今まで、飲む機会も余裕も
全く無かっただろうからなあ。
飲み慣れてねえとあんなもんだろ。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
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▽ ▽ ▽
▽
(ズズズズズ~~~)
『ふい~、熱い茶とはありがてえ!
…にしても、おやっさんよう。
Lvってのは、そんな簡単に
ポンポン上がるもんなのか?』
(フーフー、ズズッ)
「うわっちっち! もうちょい冷ますか。
……ん? Lvの話だったか?」
『そうそう、Lv、Lv。
おやっさんも冒険者だったんだろ?
そんな簡単に上がったのかい?』
「俺の時? そうだな…。
Lv3ぐらいまでは割と早かったな。
だが、結構個人差があるらしいぞ?
実際、Lv2に上がるのに
1年以上かかった奴も居たしな。
…真っ当に討伐とかこなしてでだ」
『あー…、やっぱ個人差あるのか。
にしても、1年ねえ…』
ふ~~~む。
確か、昨日ギルドで聞いてきた話じゃ
Lv5になったら、この周辺だけじゃなく
中央にある【塔】って名前の
ダンジョンに行けるんだっけか。
俺の場合、生前の状態に戻るまでですら
相当時間かかるって言われてるし
どう考えても遅そうなんだよな。
多分、ワイスちゃん達3人は
割と早くLv5まで育ちそうだしな。
ま、その時はその時だろ。
「…あー、ワイスの嬢ちゃんもだが
後の2人は特に気を付けてやれよ?
Lv上げようと躍起になるかもしれねえ。
お前はその辺、大丈夫っぽそうだがな」
『かっかっか! そうだな!
確かに俺は気にしねえけど
あの2人…特にホワイト君は
焦って失敗する可能性高そうだわ』
「ああ、やっぱお前もそう思うか。
…あの坊主、自分に自信が無いんだろな。
そのせいで、変に焦りが見えて
どーにも危なっかしいんだよなぁ」
『かっかっかっか!
その辺はワイスちゃんも
気づいてるみてえだぜ?
俺も無理のない範囲で助けてやるさ』
(ズズズズズ~~~~、コトン)
『…ま、俺の場合はまず自分の事だけどよ。
んじゃ、俺も寝るわ。
お茶ご馳走様だったぜ~』
「おう、ゆっくり寝ろよ。
そんでまた、ガッツリ稼いで
無事にここへ帰って来やがれ!」
『かっかっか! おうよ。
そんじゃ、お休み~』