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017_フールさん日記 ②

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あらすじ:フールさんメイン回は

     設定解説になってます。


視点:冒険者ギルドにいる フールさん

『』:フールさん

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《オオヤシマ歴2994年 5月 3週7日目》


◆冒険者ギルド本部 会議室◆



『なるほどねぇ~』



 それにしても、世界の名前ねぇ。


 世界に名前があるなんて


 前は思いもしなかったぜ


 この世界の名前は【オオヤシマ】。


 何でも、名前の通りで


 8つの大きい島で構成されてるらしい。


 まあ、でけえ島を大陸って考えたら


 前の世界よりは広くねえんだろな。


 前の世界は無数の大陸だらけで


 どこまで広いのかわかんねえって


 魂友が言ってたしなぁ。



「でも、フールさんも珍しい方ですね」


『ん? 何がだい? セントラルさん』


「いえ…【転移者】の人達って

 基本的に話を聞きに来ないんですよ」


『へえ…そうなのかい?』


「ええ、来ても最初の1回ぐらいですね。

 フールさんは、今日で3回目ですが

 あなたの様に気軽に面会を申し込む人は

 今まで居ませんでしたね」


『ほーん? 何でだろなぁ』


「そうですね…おそらくですけど

 【転移者】の人は、自分の能力が最優先で

 その次が生活基盤を整える事。

 ですので、世界の情報だなんだは

 後回しになるんだと思いますよ」


『ほー、自分の能力が最優先ね…』


「ほら、【転移者】や【転生者】の人は

 こちらへ来る時に、別世界の神々から

 【異世界特典能力チートスキルとやらを

 授かってる訳でしょう?

 多分、そのせいじゃないでしょうかね?」


『あー…【異世界特典能力チートスキル】ねえ…。

 こっちで言う【恩恵ギフト】だよな。

 いわゆる万能感に酔ってるってやつかぁ。

 …ま、俺には、そんなもん無ぇけどな!

 聞いてねえし! かっかっかっか!』


「ふふ…そんなものと言えるのは

 結構、凄い事だと思いますよ?」



 ま、俺はいっぺん死んでるしな。


 蘇らせて貰っただけでも御の字ってもんよ!


 それに前の世界で、俺が死んだ原因ってのが


 まさにそれ・・なんだよなぁ。


 今だから実感があるけどよぉ。


 万能感に酔うってのは怖ぇよな。


 無駄に自分に自信が有るもんだからって


 魂友の忠告も聞かずに、無謀にも


 {災厄の神}なんてもんに1人で挑んで


 それで、おっんでんだからなぁ。


 で? 【異世界特典能力チートスキル】だぁ?


 他の【転移者】は貰ってるみてえだけど


 俺はくれるっつってもいらねぇなぁ。



『ま! 俺には相棒がくれた知識とか

 技術とか教訓ってもんがあるさ!

 まず{自分を取り巻く状況の把握}!!

 これよこれ! これが大事ってもんよ』


「ああ、よく話に出てくる{魂友たまともさん}ですか。

 良い相棒さんだったんですね」


『おうよ! 魂友たまともは最高の相棒さ!』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「おや、もうこんな時間ですか。

 {魂友たまともさん}の話を聞いてたら

 ついつい時間を忘れてしまいましたね」


『おっと、こりゃ長々とすまねえなぁ』


「いえいえ、私はギルド長と言っても

 管理人の様なものですからね。

 実務は主に配下の子達がやってくれるので

 実は暇な時間が多いんですよ」


『なら、良いんだけどよっと』


(ガタタン)


「ああ…そうだ、フールさん」


『うん? どうなさったい』


「いえ、少し気になったのですが。

 フールさんの現在のステータスって

 ALL1じゃないですか?」


『おう! 蘇った影響なんだってな!』


「ええ、今の所は近隣の平原で

 やっていけてるそうですが

 あの子達がLvが上がった時

 どうされるおつもりで?」


『あ───…それねぇ』



 そうなんだよなぁ…俺も正直甘く見てたが


 ステータスALL1ってのは中々厄介だ。


 何しろ、手足にあまり力が入らない。


 おまけに、体の動きも遅い。


 何よりも、反応と言うか体への伝達。


 考えてから手足が動くまでに時間差がある。


 …と言うか、これは多分なんだが


 数値には出てないだけでそれ以下。


 実際は1より少ないんじゃないか?


 日常生活がやっとだぞ? 今の状態。


 近隣の平原では、動物やモンスターが


 向こうから襲ってくる事はほぼない。


 基本的にはこっちからの行動に対して


 反撃か反応をしてくるらしい。


 だから俺も、殺意は絶対に出さず


 体術の応用で抑え込み、食材を捌くつもりで


 逆手の一刺しで倒すという戦法が使えてる。


 それだけならステータス関係無いしな。


 だけどなぁ…聞いた話じゃ


 森の奴らは向こうから襲ってくるんだろ?


 今の俺じゃぁ、とっさに避ける事もできねーし


 これまでの無感情殺法は絶対無理だろうしな。



『ま、あの子達は先に進むだろうし。

 俺は俺で別行動するだけってもんよ!

 そん時の事はそん時考えれば良いのさ!

 かっかっかっか~!!』


「(ニコッ)ふふ…そうですか。

 では、また聞きたい事があれば

 気軽に面会を申し込んで下さい」

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