001_突如現れた不審者
見切り発車~~
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視点:戦士Lv1 ワイスさん
『』:Fさん
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《オオヤシマ歴2994年 5月 1週6日目》
◆都市近郊の草原◆
(ザッ、ザクザクザク、ザッ、ザクザク)
「はあぁ…これで1束分…」
うーん…やっとかぁ…。
薬草を1束分集めても小銅貨で2枚。
広場の露店で、固くて小さいパン2つ分。
3人分賄おうと思ったら、後3束は欲しいかなぁ。
せめてあの子達にはもうちょっと…。
でも、討伐だと……へっ?
(キランッ、パアアアアアアアアア)
「うあっ!? ま、まぶしっ!!?」
何!? なに? なになになにないい!!?
いきなり何か光りだしたんだけど!?
えっ!? 何が起きたの!?
眩しくて何が起きたのかっ、全然わから…。
……………!!!!
あっ、ちょっと収まって…きた?
段々、光がマシになって…………へっ?
「ひっ!? ひゃああああああ!!!!?」
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
(ダダダダダッ、ザザッ)
「ど、どうしたのっ、姉さ…!!!???」
「だ、大丈夫!? 姉ちゃ…!!!!?」
「「う、うわああっ!!!?」」
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
『ん? 落ち着いたか?』
「(ドキドキ)…は、はあ…ええ…まあ…?」
「「…………」」
え、ええっと…ちょっと動揺しすぎたわ。
よーし、落ち着けー! 落ち着けよー、私!
…うんっ…よし! 少し落ち着いた…多分。
と、とりあえず、私はお姉ちゃんなんだから
まずは、落ち着いて! 落ち着こう!!
落ち着いて、じょ、状況を整理しなきゃ。
……えっと、まず私達は今、都市の外に出てる。
森近くの草原で、冒険者ギルドのクエスト中。
クエスト内容は近場の草原で【ブニブニ】の討伐。
あとその辺に生えてる【薬草】の納品を兼ねてる。
【ブニブニ】は一番弱い分類のLv1モンスターで
【ブニブニ】を1匹倒してギルドに納品できれば
討伐だけで小銅貨で3枚、素材代も合わせれば
小銅貨4枚か5枚ぐらいのお金になる。
なるんだけど…これが意外と……。
いや、意外とどころか、結構…かなり強い。
何日か頑張ってみてはいるんだけど
私達じゃ上手く倒せなくて、何とか2匹だけ。
だって、名前の通りブニブニなんだもん。
棒でいくら叩いても叩いても
全然効いてる感じがしなくって…。
「あ、あの…ね、姉さん?」
「えっ!? ……あっ!!」
いけないいけない!
頭が今の状況を理解したくなくって
思わず、全然違うこと考えちゃってた。
そ、それにしても、う、う───ん……。
「(チラチラ)………」
『うん? どうしたんだ? 嬢ちゃん』
(ブラブラ~、ブラブラ~)
「は、はわわ……」
「(ジー)……わ、わ、大人ってすごっ」
「(カアッ)~~~~~~~!!!」
(ガサゴソガサゴソ、ポイッ)
「も、もうっ!! 何で裸なのっ!?
とにかく! そ、その布で隠してよっ!!!」
『おおっ? おーおー…。
言われてみりゃ、確かにその通りだわな
かっかっかっか! いや、悪ぃ悪ぃ~』
(ゴソゴソ、シュルルッ)
もうっ!! 何なの!? この人!!