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矢彦珍道中・参〜百合鬼合戦(ゆりおにがっせん)・壱 泉平の戦い〜

百合鬼合戦編

激しい雨が降り出した。まるでこのあと事を予言するかのように。

血まみれのフードの方は水と血を混ぜなら地面に流れていく。息を切らせながら、普通の人間なら死んでもおかしくないのにこの方は前ヘ前ヘと前進するのであった。


ゴロゴロ  ピッカー


「・・・凄い雷・・・どこか落ちました・・なのです!」

珍宮窓の外のイナズマを見て発言するのだった。


「怖いのですか??」

髪の短めで、赤い髪で少し三編みを織り込んでいて目が少しきつめの擬人が珍宮に聞くと、それを聞いて回りはクスクスと笑い出す者がチラチラと伝染のように広がっていく!


「怖く無いです!少し怖いなのですが怖く無いなのですなのですなので〜〜す!!」

と弁明する珍宮ですがさらに笑いが広がり、自分の心の傷が広がるだけであった。

(くぅ〜なのです~軍師しての威厳が〜なので〜す〜デスデス)

と後悔する珍宮様であった。

「背伸びしたい年頃なのね♡」とほっこりする者たちも少なかずいるのであった。珍宮さんは気づいていないようだが知れば死にたくなるだろうは明確である!


「キャ!どうしたの!その大怪我!早く病院ヘ!女将さに言っておいてくださいません!この御方を・・・!!」

ユリカ教団が食事会している店の玄関で、血まみれのフードの方とその店の若い数名の従業員と鉢合わせるのだった。

同様して混乱気味に声をかけ寄り添ったのは若年のまだ働き出して間もない女性であった!

対処しようとワタフタしている若年の従業員の腕を引っ張り首を振り何かを伝えようとしているフードの御方。


「私の方は、気にしなくていい!今ここにいる雪の子らに合わせて下さい。たしか・・・矢・・・彦他何名だったはず・・・」

と腕を掴み気力で答えるフードの方であった。


「何を言っているの!その怪我でしかも怪しい方をお客様に会わす訳にはいきません!」

女将さんが騒ぎを聞きつけこちらに向かいながらフードの方に言うのであった!!


「怪しいでなはなくあやかしです。どうか!はぁはぁゴッフ!」

吐血までするフードの方


「もう見てられない。早く病院ヘ!!」


「まちな!わてらが診るから大丈夫だ。密会のできる部屋を一つ貸してくれないかい。無関係とはいかないのでな。金ならいくらでもはらうから!」


「・・曼蛇様が言うのでしたら・・これ早くおし!」

漫蛇が現れて、女将さんを説得し部屋を一つ用意させ、ヒミコがその部屋の四隅に札を貼り念には念を入れて結界の陣をはり、そのあいだに静が治癒の舞でフードの方を治癒するのであった。


「感謝します。雪の子らよ。」

正座をし感謝をのべるさいにフードをのけ顔を見せるフードの方であった。額に小さな角が二本生えていたので妖かしの娘なのは間違い無さそうである。


「鬼さ〜!」

ヒミコが驚きながら声をあげる!!


「いいえ。私は何世代前に人と契を結んだ、鬼人であります。」

フードの娘は答えるのであった!

鬼人とは人と、鬼の混血ハーフであり半妖など呼び方はいろいろである!


「私の名は八重桜といいます。以後お見知り置きを。」

と自己紹介するのであった!そして続けてここに来た目的を話始めるのであった。


六奥むつの国を助けてほしいのです。刺渡島さどを根城している地獄の鬼をどうか殲滅して下さい!我が六奥の妖かしの総大将・座部座さぶざが破れ、このままではこの和の国そして世界も終焉を迎えてもおかしくはないのです!」


「何・・!オラたちを雪の子らと言うそちの事だ!ただごとでは無いな。鬼か・・ここらの鬼同士が対峙していて、地獄と繋がる何かあるあの刺渡島は雪姫からも聞いていて、それなりに警戒はしていたのだが・・あちらこちらにちゃちゃ入れている間に取り返しのつかない事態になっているのか!」

珍しく矢彦真面目に答えるのであった。まぁ世界がとか言わると自分の野望に支障きたすからというのもであろうこの男は!


「すいません。京天狗等の諸侯にも援軍出してもらいましたが、完敗でして。我が主あんなと対等に戦っていたとは驚きです!」


「まぁ!戦闘能力なら雪姫や、他の総大将なんて赤子だからな。鬼は基本肉体的戦闘が得意な力で押していく部族だからな。同じ鬼同士だったから良かったとも言える。しかも六奥を拠点にした鬼の総大将がいたことも幸運だったかもな。」

なんと真面目に会話ができている矢彦に眼を丸くするユリカ教団の幹部の皆様であった。


「はい!仰っしゃる通りです。 西国の総大将・ぬらりひょん様も仰っしゃっておられました。ここへはそのぬらりひょん様が「もはや雪の子らしか倒すことができないこの人界、妖かしの世界においては・・。まさか地獄の鬼でも最悪な階層主が地上に君臨するとは夢にも思わなかった。次元が我々と違いすぎる。」と・・・」

暫くは沈黙が続き矢彦が口を開くのであった。


「倒すべき、鬼の名と、情報を!!ユリカ教団最大の危機かもしれん!!おのれユリカ様とオラのユートピアの邪魔をする奴は殺す殺す殺す殺す殺す」

だんだんらしくなる矢彦であって、何故か一同はほっとする。おかしな事だが。


「はい。

倒すべき鬼の名は百鬼王!!

地獄の第三階層の支配者の一鬼いっきです。 

詳しく言いますと現在の地獄の三階層は三鬼が三すくみなっており、三階層の主は、「三大鬼王」と呼ばれてます。他の二鬼ふたおには、「牛魔王」と「牛馬おず」です。しかしながら、均衡は崩れはじめ百鬼王は力をつけては第二、第一階層の一部をも領土とし、ついには地獄と人界の道をも開通させてしまいます。これは、とんでも無い快挙と言ってもいいでしょう。人界〜地獄三階層まで繋げてしまい、百鬼王の配下は堂々と歩けのですから。そして我が主との戦いが何年間も続くのですが、ついに我が主は討たれ・・・くぅ以後は敗戦が続き、ついには我が拠点「泉平」まで進軍されてしまい、ここを落とされば、六奥と和の国のどこかに門が開き、雪の子らもよく知っているだろう光景が広がると思います。そう魑魅魍魎の跋扈する和の国が再び。」

ここで一息つく八重桜である。


「せっかくいい感じになってこれからだというのにまた逆戻りで地獄行きなんて冗談ではない!

それに雪姫さんとユリカ様と過ごしたこの地を汚すことは僕には耐えられません。それに一応勇者としての努めとして無視できません。姉様、兄様ご決断を!」

タケルはやる気に満ちていた。


「流石は我が弟ぞ!!戦だ!戦だ!!ユリカ様とオラの愛の!!!!!?!ウギゃー    なんでーこうなるの!!」

いきりたつ矢彦を双子小町がダブルアッパーを食らわして、矢彦は夜空のお星様になりましたとさ!


「いやいや」

矢彦天の声!



―数日後、六奥に続く門の前―


まさに総力戦である!

現在全て持っている宝具を擬人化し、隊列をなしている。前列には現在いる「選ばれし十二支」が整列している!

その眼前には、矢彦を中心にして静達が整列している。太次の後ろには四天王が膝をつき、頭を下げている。


「凄い・・宝具をこんなに扱えて、擬人化するなんて・・・ナンナンなのこの人・・

これなら百鬼王の最強の軍「百鬼夜行」と互角以上に戦える!」

希望の光が見える八重桜は思わず口にするのだった。

「百鬼夜行」の鬼兵達一鬼、一鬼は一騎当千なんて生易しく、妖かしの棟梁や、大怨霊並の力を持つ大鬼なのである。故に並の人間や妖怪なんてアリンコ同然なのであるが、ユリカ教団の擬人化兵も万騎当千なんて生易しくて一人一国を滅ぼせる程の力を持っているので八重桜は思わず口にしたのであろう!


「ユリカ教団最大の大戦おおいくさだ!!気を引き締めていくぞ!えいえいオー!!」

矢彦が指揮を高める!擬人化達も「えいえいオー!」と言って指揮を互いに高めあった!!


これより三年いくかいかないか位の大戦おおいくさが始まった!裏の世界なので歴史は載らないが、裏歴史ではこの戦いを

百合鬼ゆりおに合戦」と記載されている。


六奥の門をくぐれば、「百合鬼合戦」の開幕である。


―栄華を極めた泉平燃えゆ―


「これは・・・いつ落とされても・・・」

思った以上の戦況の為絶句する一同に思わず口にしてまう太次であった。泉平を一望できるこの山で野営して作戦を立てることにする。


―本部テント内にての軍議―


「奇襲する前に、補給路と退避の行路を断つのがいいなのですなのです!援軍や補給物資を断つことで士気をも下げる効果と、短期決戦をしなければ泉平は陥落してまうからなのですなのです!!」

となかなかの軍師ぶりを披露する珍宮さん!普段のポンコツはどこへ。


(ふふふ!!ここですごいと褒めてもらい、軍師としてかかせない人材と認めさせるなのですなのです!!マスコット扱いした奴ら見とれなのです!そしてひれ伏せなのですなのですなのですなのです!ふふ!!)

それなりに野望はある珍宮さん。


「サー!それは賛成サー!行路はこの崖の道、普通の街道、この山の道がさしずめ重要サー!しかも鬼!静の天候操り妨害及び、岩等の封鎖はあまり効果ないサー!となれば狙撃しての待ち伏せがいいと思うさー!!」

ヒミコの作戦に一同納得し、この作戦実行するのをとりあえず候補として決めるのであった。


「狙撃か!銃や弓が得意で戦術にも長けているといえばこのオラと、アリサと天候妨害が得意な静が重要街道を抑えよう!」


「なのですなのです!」

矢彦の提案に興奮気味に賛成する珍宮さんである。


「そうですね。なら矢彦は猟師の庭でもある山を、私は天候を操り妨害が有効な崖の道、残りはアリサですわね。さらに残党追撃部隊は、ゴッド(神器)の擬人化ニ名に。罠や暗殺といったもろもろは専門ですわよね?前の主はがそうでしたのように!」

静はゴッド二名に尋ねると


「問題ない」


「散々見ていたし実行(使われていた)していたからなぁ。余裕ですね!逃亡者一鬼も出さないぜ!」

ゴッド二名は自信満々に言うのであった!!


「それでいくか!なら戦がはじまったら、どさくさに紛れて潰しにかかるか!街道組は持ち場につきしだい連絡を!それと、敵に知られてはもとも、こうもないからそこはゴッド二名期待している。あっちには念話、カエデ札が無いのが致命的だな。それでも鬼!恐らくぎりぎりだろう。百鬼夜行を倒すにはなんらかの手段を得なければならないだろう。」

矢彦が率直な意見にたいして驚く一同である!何故なら初めての弱気発言だからである。


「兄さんが弱気になるなんて・・でも無理もないか!感じるからね。地獄でも無い鬼でもあれだけの圧!そしてここからでも分かる百鬼夜行達の妖力と、圧を感じるから!でも引け無い!ユリカと僕たちの夢の為にも。死なない、そして家族が揃って一緒に暮らすのだから。ユリカ様がくれた僕の命を好きにしていいのはユリカ様だけなのだから!」 

タケルが改めて決心するのであった。


「そうたべ!強大でも負けは許さぬ!ユリカ様の眷属に敗北はあってはならいだべ!たべ!!」

大次が意気込むと雪の子(雪の姫の一味)矢彦達は大きく頷くのである。


(そんなにも強大なんて!なんて私は浅はかなの・・・

受け入れてくれるかは分からないけど、泉平の戦いが終わったらある提案をしてみよう。勝つために私も腹を決めよう!手段を選んではいられない。利用できるものはしなくては・・・)

と内心腹を決める八重桜であった!


「持ち場つきましたか?」


「ええ!いつでも!我が先陣をきる同時に初戦ですから、失敗はできませんね?」

タケルは、金剛に尋ねると金剛は即当するのであった。


「お腹が痛いですよ!!後は合図を待つだけかな。!!あちらのやっこさん達ドンバチ始めましたね。となれば、頑張って下さいよ兄さん方!!」

矢彦は額に汗をかき、いまかいまかと緊張の糸を切らずにいた。それはこの先陣をきる部隊は皆同じである。


―敵本陣―


「報告しますぜ。餓鬼の総大将さん!

余裕だぜぜ!

あんたもえげつねえぜ!旦那の固有能力で食べ物を腐敗、作物も育てることもできなくなるおぞましい能力「飢饉」本当に尊敬しますぜぜ!!」

鬼の将兵がこの戦いの総大将・餓鬼総大将に報告を受けながらご機嫌にマンガ肉を食らい付いている。

 

「むしゃむしゃ!本当に馬鹿な奴らだ!我々とおなじくこちらに付けば良かったのに!!むしゃむしゃ!

これで人界の妖怪達に一歩先に行けるな!むしゃむしゃ!!さらに「六鬼将」最強は俺に決まりだな!!むしゃむしゃ」


「あぁァ!旦那の言う通りだぜぜ!!もしくはその上の位もいけるかもしれないぜぜ!人界妖怪初の幹部も夢がないぜぜ!」


「ぐふふ!人界妖怪初の百鬼王様の「百鬼夜行」に入り、腹心まで成り上がるのもそう遠くはないかもぐもぐむしゃむしゃ!」

勝利を確信してのご機嫌に会話が弾む二名であった。


「気分の良いところで水を差すよ」


「「これは、福総大将にして「六鬼将」の戦術アドバイザーの地獄第一階層の強者つわもの骸鬼むくろき様!」」

身長100センチの黒いマントを頭から被った、正体不明な格好した鬼が現れた時は二人の鬼の空気が変わりピリピリとした緊張溢れる空気に一変するのであった。


「補給物資や退路なので使う重要拠点からの報告が途絶えておる。誰か様子を見に行ってたもれ!」


「別に構わないでしょう。何なんら今日にでもここを落とされば問題御座いませんから!」


「総大将は餓鬼だからな。まあ好きにするがええ。

助言はしたからの。後は負けてようがワシは知らん。そんなに自信あるのならワシは去る!ついでに街道もみとくかえ!」


「どうぞどうぞ」

総大将が骸鬼の助言を軽視すると、簡単に了承し、揺るがない勝利を確信している総大将に、不気味何なん冷笑をしてこの場を去る骸鬼であった。


「旦那いいので?」


「ふん!構わないでしょうあんな陰気がいては飯が不味くなるわ!!勝利は確定だから、陰気やろういなくてもやれるわ〜ぐふふあっはは」

鬼丸将が総大将に聞くと、お酒で気が強くなっているのか、余裕な上で福総大将とはいえ地獄の鬼を馬鹿にするとは正気の沙汰では無いのである。つまり負けければ後が無いのである。しかも己自身で招くとはまさに餓鬼である。


(旦那・・・本当に大丈夫なのだろうか??何か胸がぞわぞわする・・・嫌な流れのような・・) 

鬼将は不安がよぎるのであった。


(おやおや!完全に抑えられてますね。これは我らの敗北・・餓鬼を捨てて正解でした。心中なんて御免こうむる。この身体は幻術ですが失敗すれば本体の吾が百鬼王様に殺されるところだった。さてと報告しますかえ。わがはいの助言を無視した為に敗北は間違い無いと・・「六鬼将」餓鬼大将まぁまぁ楽しめしたよ。さようなら!)

崖の街道の状況を影から見る骸鬼は静に見守るのであった。


「ふぅ~。」

先陣隊は相変わらず緊張感に満ちていた。いつ号令がかかってもいいように、心も体も準備万端である。

そして・・・


「!了解しました!


ふぅ~いくぞ!!泉平を攻めている鬼を殲滅せよ!!

かかれー!!」

念話が入り号令がかかると、一気に攻めるユリカ教団!

鬼たちは背後からの奇襲及び増援で驚き動揺し、指揮は乱れ、蹂躙されるだけであった。


「これでは戦にならない!退けー」

指揮を取る鬼将は撤退命令を下さし鬼兵達はわたわたしながら恐怖で逃げるかのように撤退して行った。


―泉平の本陣―


「殿!!謎の援軍により大勝利に終わりました!

その謎の増援軍にいた八重桜様が酒呑童子様に御目道理を願っておりますが!」

家臣が現在の六奥の妖かし総大将・酒呑童子に報告すると大きく頷き、八重桜の謁見を認めるのであった。

先ずはユリカ教団と六奥の初勝利に終わるが、

矢彦や静等は引き続き重要街道の任務をするので、タケルの真価がとわれようとしていた!


―謁見の間―


「なるほど!ありがとう八重桜殿。こんなにも心強い味方を引き入れてくれて!!

では改めて助太刀感謝致すユリカ教団のタケル殿!妖かしの連中でも噂になっておりますよ。」

酒呑童子はタケルに無愛想な顔とは裏腹に、人当たりの良い愛想のあるが、背後には不動明王像が幻影が見える程の圧を感じたのがタケルが酒呑童子の第一印象であった。


「いえいえ。我らの目的の為に動いているだけなので。なのでどうぞ借りをつくるとかは考えなくて構いませんので。ただ我らの目的の障害になった時は・・・」

タケルは圧にも負けず自分の意見を言うのであった。虚弱体質だった頃の面影背後どこにも無かった。


「!!街道からの連絡で補給物資、逃亡鬼兵を殲滅いたようです。たかが一回の敗北でこうも足並みが揃って無い鬼共を考えると思った以上苦戦を虐げる事はなそうですね。まだまだ鬼の方が優勢だというのに。背後怖いのか、戦に負けたのが初めてだったのかはわかりませんが!」

タケルの脳内に連絡が入りそれを伝えるタケルであった!


「ここは一気にかたをつけるか!!体制が整う前に!」

と酒呑童子は獲物を狩るような眼をし言うのであった。


「敵の大将の位置とかは密偵で分かっているのですが、こうも足並みがバラバラで敵の大将討たれてはますます混乱し、暗殺部隊の負担が大きくなるので少しお待ちを連絡して聞いてみます!」

と言うとタケルは目をつぶりゴッド二名に連絡すると逆に拷問や狩りが楽しくなるから難なく許可が出るのであった。

(宝具とはいえ血まみれの宝具だけはある。妖刀や魔剣に近いな。残虐性から見ても・・・あれが神器・・前任か、歴代扱った所有者が悪いのか、素なのか・・はぁ~~)

少し頭が痛くなるタケルであった。


「良いそうです。よろしければ、敵の総大将を倒してこの泉平から鬼を一匹残らず殲滅しましょう!」

とタケルは酒呑童子に言うと不気味な笑みを浮かべながら酒呑童子は、


「クックク!この戦い勝った!奢りでもなんでもない!これは天の采配である!」

泉平の兵は休み暇も無く次の戦準備を急ぐのであった。疲労感は無くただ「勝てる」、「殲滅できる」等の感情が高ぶっており士気は最高潮まで一直線である!



―餓鬼大将の本陣―

「なんだなんだ!我が陣営ぼろぼろではないか!たかが一回でこうも脆く崩れるのか!」


「所詮寄せ集めの烏合の輩ですかね。自分の命が一番の出世欲の強い俗物ですかね。旦那早く立て直した方がいいのでは!確かに旦那一鬼でも充分だけど、これは戦であって、個人や集団の喧嘩とは違う。旦那の一鬼勝ちは意味がない!指揮、将軍の器で考えると致命的ですぜ!」

餓鬼大将と、鬼将軍はこの状況に焦っていた。こんな状態で今攻め込まれては内心自分の命すら危ういとも思っている餓鬼であった。


その時だった。 


「敵襲!敵襲!!」


その一報で青ざめる二鬼である。明らかに畳み掛けていることは明白である。この好機を逃す馬鹿はいない!


「おのれ!せめて!!?」

覚悟を決めここで決着を付けようとする餓鬼であった!!


「ウギャー」また一鬼が堕ちる!


「旦那これは不味いですぜ!やっこさん強すぎる・・・人間や我々人界の小鬼を凌駕しますぜ!!」

(鬼のアドバイザーの意見を真面目に聞いていればこんな事には!!餓鬼の旦那はこれまれだ!!たとえ生き延びても百鬼様に処罰される!この俺も・・こうなると逃げるか!)

鬼の将軍はもうすでに戦意を無くしており自分の保身を考えていた。


「貴方の首をもらいます。この天照の太刀をうけてみよ!!」

突然鬼の将軍に襲いかかるタケル!だがしかしその太刀を受け止め、流す!!


「ウグッ!!ここは俺が!旦那は体制を立て直して下だせい!!」

タケルと打ち合いをしながら、叫ぶ鬼の将軍にコクリと頷くとこの場から去って行く!!

(よし!上手くいった!!後は適当に!?!?!!!ギ!なんて剣技!美しい、そして鋭く無駄のない太刀筋・・・鬼が魅了されるとは!?)


「やりますね!ならこれならていやー!」

渾身の攻撃が鬼の将軍に向って来ている!!


「ウグ〜!」 

ニ、三手は凌いだが次の手で詰まれる鬼の将軍であった!その剣先は鬼の将軍の心の臓を貫くのであった。

鬼の将軍は二回咳をすると、吐血餓鬼止まらなくなるのであった!この鬼の血は真っ赤であった。


「珍しい!紅い血を流す鬼とは!さぞかし有名な名のある武将とみました!できれば後世の好敵手として心に刻みたいのですが、名を聞かせてもよろしいでしょうか?」

紅い血はただの口実でタケルはこの鬼のいや漢の剣技と強さに感服し、尊敬すらしていた。卑怯者とか悪い噂耐えない鬼達でもこの漢の本質はご立派な剣士であることを僅かなタケルは打ち合いで、見抜くのであった。矢彦や、雪姫達も言っているのだが「拳で語れ!それで想い、本人の生き様をしれ!それが命すらやり取りをしている者の義務だ!」と、特に大次はあの雪姫の戦争以来大切にしている!雪姫もただ宝具を狩っているわけではない。その者の想いをできるだけ答えたい、宝具が哀れ等理由はそれぞれだがタケルはクズしか戦っておらず、雪姫達の考えは分からなかった。敵(悪党)は打つ!といった単純ものであった。しかしこの漢で少し分かった気がするタケルであった。


「旦那・・・!鬼のあっしにそんな言葉を・・!

もういい!あっしはどうやら本懐を遂げた!残虐非道な鬼としてではなく、いち、武士として死ねるとは・・なんたる幸せ!!八重桜の前にお主達にあっていればな・・・我が妹に言付けを頼む!八重桜よこいつらなら受け入れてくれるだろう!そして鬼と人間が堂々と手を握りあって生きて行けるようにしてくれるだろうな!ふふふまさか甘い考えで不可能だと思った八重桜の願いが・・・ふふふ観て見たかった・・・」

流石は鬼の生命力、死にかけとは思えな位最後の言葉や願いが長いのであった。


「わかりました。その代わり貴方の名を!」

律儀に聞き、そして欲深いタケルであった。


「ふふふ!やはりうやむやにはできないカ・・私は・・八重桜の父の所有物であった刀業物・八重剣やえつるぎで意識もってしまい、妖怪、付喪神となり、地獄の力で制約(月の晩に妖かしになるとかの条件があった。少しでも壊れると付喪神なれず、憑き物等とかの制約があり妖精よりもあやふやで、記憶もまばらと不完全が多い)が無くなり唯一無二の身体と力を手に入れ剣鬼(剣おに)となった。故に、八重桜は妹ようなもので、八重剣、そして残虐の剣の鬼・剣鬼でもある。これでいいか?」

相変わらず長々と話す剣鬼であった。


「八重剣、剣鬼

ありがとう御座いました。貴方のことは・・と言いたいのですが・・またお会いしましょう。ふふふ!」


「あの世か?

意味が分からん。まぁいいさ!じぁあな勇者殿・・・」

タケルの言葉に疑問を持ちつつも清らかな顔で逝く剣鬼であった。そして光のシャボン玉が剣鬼から出て行き、そして一本の業物の剣となった!


その頃、餓鬼大将は擬人草薙さんと鉢合わせ戦っていた!


「付喪神か、妖かし風情が!!」

槍いや先端には鎌と斤が付けられいる斤であった。ブンブン振り回しながら、草彅に一合、二合打ち込むが、普通の人間や妖怪なら一撃で粉砕するのだが、流石は擬人でも和の国の国宝中の国宝である三種神器・草彅である。余談だが鏡の正体は「天使の輪」である。ご存じの方もいますが、忘れた人の為に。

これも縁であろう。三種神器の2つはユリカと何らかの縁を結んだ事となる。


「力押しだけの餓鬼大将ですね。・・あぁだからこそ餓鬼大将なのですか?納得だ!あっははは!!」

余裕を見せ、さらに大笑いする草彅。


「貴様ー!」

真っ赤になり、無数に打ち込む餓鬼大将なのだが、華麗に受け流す草彅であった。


「怒りたいのはワタシ!!

ワタシは妖かしでも無く変態魔王の加護で擬人化した刀ですぜ!だ・ん・な♡」

笑顔の底には少し怒りが見える草彅なのだが、餓鬼はその笑顔は自分を馬鹿にした態度ととらえ、ただでさえ単細胞だというのに、手につけられないほどの狂戦士化になっていた!こうなれば自滅するのも簡単で、実力もかなり上の草彅とってはもう勝ったのも当然である。

獲物を真っ二つにする草彅だが、背中の巨大な片手斤をブンブン振り回しながら襲ってくるのであった。獲物が代わっただけであったので脅威にならいのであった。


「もったく持って大将とは思えない程の器ですね。」

合流して失望するタケルくん。


「剣鬼の方が数倍も手強かった。

もし剣鬼が総大将ならもう少し手こずったでしょう。」


「何だと!?貴様も俺をーーー!」

タケルの一言でブチ切れる餓鬼大将はそのままタケルヘと突進して行くのであった。


「やれやれ!!一応ワタシの獲物なので、ワタシを使って倒してねタケル殿!!

―この時だけ彼の者を仮契約する。半分以下となるがそれは問題なし―」

草彅はそう言うとみるみると草彅の剣となりて、タケルの元へ行くのであった。


「不思議だよね、仮契約ができる上に宝具の力が半分も出るのよね勇者だからかな?やっぱり相性頑張れいいのかな?どうだろうこのまま本契約してもいいのですが。僕にはその資格ありますよね草彅殿!」

すっぱーん!!神器に近いとされる「草彅」で餓鬼大将は縦半分になりて打打たれるのであった。まさに瞬殺であった!

みるみると擬人化していく草彅は


「変態主がいいさ!擬人として生きて行けるし何よりもタケルと真剣試合ができるしな。悪いが本契約は堪えてくださいタケル殿!!はっははは!!」

と今までに無い笑顔を見せるのだった。


「!!これは!餓鬼大将には勿体ない!和の国の「国宝刀天下五大剣・鬼丸」ではないかい!三種神器を皇族を守る守護刀や天下をとる刀と言われている伝説級の宝具!

最後まで抜か無かったのは抜け無かったからなのか?ならこいつは天下の器でも、将の器でも無い小物か!フッはははははは」

大笑いする草彅でした・・・・


勝どきをあげ、泉平ヘと凱旋する!!


ユリカ教団

  ユリカを崇める狂っている集団


八重桜

  ユリカ教団に協力をお願いする


泉平勢

 酒呑童子

   現在の六奥の妖かしの頭目



百鬼王勢

 餓鬼大将

  人界の鬼の中で百鬼に選ばれた六鬼の大将達で

 「六鬼将」の一鬼 


 骸鬼

  地獄の鬼で「六鬼将」の戦略等のアドバイザー


 鬼将軍

  剣技に優れた鬼の将軍  

誤字などありますがどうか宜しくお願いします。


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