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第6話

(個人的に)可愛い要素をねじ込みました。

お付き合いいただけると嬉しいです。

 スライム亭を出た私は、バッグの中身を出さずアスタナに渡したことを後悔した。

 売ろうと思っていた素材も入れてきていたからだ。

「後でいいわ」

 そう思い、私は一緒に出てきた男性に声を掛ける。

「ねぇ、アスティエ、街を散策しない? 」

「かまわないがマギー、あそこにいたほうが良かったんじゃないか」

「私にはそうするのがいいと思って。

 ギルドだったかしら。にも、行くつもりだったし」

「そうか」

 2人でなんとなく話しながら、のんびりと街を歩く。

 気のせいか、すれ違う人々に見られているようだ。


「待って下さい」

 大通りのほうに足を向けていた私たちに声を掛けてきたのは、

街に連れてきてくれた若い男性のテレンス。

「すぐにスプラシエンを経つ予定なんですか?」

 先ほどから簡単に服を着替えたらしく、茶色のパンツにローファー、生成りのブラウスシャツを着流している彼は、穏やかに聞いた。

「この街で私は冒険者登録と言うのをしたいの。

 あとは、カリーナのバッグに入れていた素材を売りに行きたいんだけど…… 」

「さっき、マギーがバッグごと渡してしまったんだ。

 今からは少し街を散策しようと思ってる」

 アスティエが、やれやれといった様子で私の話を続けた。


「僕も冒険者ギルドに用もあるんだけど、急いでないならもう一度実家に戻ってきてもらえませんか」

 私とアスティエは見合って首を少し傾げるも、

先ほど出てきたばかりのスライム亭にテレンスと共に戻る事にした。


「2人が食事を済ませてなければ主人が腕を奮うから一緒に食べましょう。

 いろいろ尋ねたいこともあるし、食事しながらどう? 」

 カリーナに少しばかり雰囲気の似た小柄な女性、アスタナの提案で

私たちは一緒に食事と共にして、聞かれたことにひとつひとつ答えていく。


「そう」と一通り私に確認したアスタナは深いため息とともに、その一言だけ吐き出す。

 スキンヘッドの男性はペルポイと言い、アスタナの夫。

 彼はため息をついた彼女に手を重ねた。


「手伝えることがあれば、言ってくれればいいからね」

 と、アスタナは付け加え微笑んだ。

 少しだけ泣きそうになりながらも。


 このスライム亭は一階は食事処兼飲み屋、二階は宿屋になっているのだという。

「カリーナのお願いだし、息子の恩人だから」と、

アスタナとペルポイの求めたこともあり、私たちの宿は決まった。

 

僕はどうしても今日行かなければいけないからと、

テレンスは冒険者ギルドに向かう。

私たちも連れて行ってもらおうとするも、

「今日は休んで明日一緒に行きなさい」と譲らないアスタナ。


「飲み物を出すわね」と彼女に言われ、

 1階のカウンター席に私とアスティエが並んで座る。

「ところで、さっきすれ違う人に見られていた気がするの。

 私があそこを出てきたのが理由かしら? 」

 レモン風味の爽やかな飲み物を頂きながら、気になったことを尋ねる。

「多分だけど、2人に見惚れたんじゃないかな。

 少なくとも誰かに追われている若い女性がいるなんて、

 僕は聞いたことがないから。」

 カウンター横から出てきたペルポイが頭に何かを乗せ、答えづらそうに言った。

 彼は鷲のシルヴァを奥に連れて行き、休ませてくれていたのだ。



「その可愛らしい子が、スライムさん」


「気になるものが突然変わったな、マギー」

 アスティエが冷たく言い放つ。

「この子の可愛さが分かるだなんて。

 流石カリーナの認めた女性だ!!アスタナもそう思うだろう」

「そうね」

 はしゃぎだしたペルポイに、うるさそうにするアスタナ。


「この可愛い私のシロクロがこの店の名前の由来なんだ。

 あ、シロクロというのはこの子の名前だよ!! 」

 先ほどまでの、どっしりとした印象を覆す彼の態度に、私以外の2人がため息をつく。


 白地に末広がりの黒い模様、所謂はちわれ模様のスライムの可愛さ談義をする私たち2人と、首を振る2人。

 この様子はテレンスが帰るまで続いた。

お読み下さりありがとうございます。

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