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4話 人間さん

「えっと君達は誰」

「俺たぬたぬ」

「オイラはジャスパー」

「私はあやめ、よろ「これEFでしょ」多分ね「なんのEF!」さあ「なんでこんなに大きいの!」なんでだろうね「これ動くの!」動くよ」


突然現れた二人に若干疲れ気味で雑な返事を返すあやめ。


「そんなに一度に言われたらあやめが困っちゃうよ」

「ごめんごめん、でもこんな見たことないEF見たらだれでも気になるよ。これコニーが造ったの?」

「違うよ、造れそうだけど」

「よく分かんないけど分かった。またなんか見つけたら教えろよ」


ロボットから飛び降りて二人は元気よく走って去って行く、嵐の様な二人だった。

 しばらくするとプロメが帰ってきた。


「調べるのは後にして村長に挨拶しに行くぞ。メリーお前もだ」


村長の家に向かう。


「待っていたわ、貴方があやめね、いらっしゃい」

鴉の濡れた羽のような髪をした女性が出迎えてくれた。


「自分の家だと思って寛いで」


ソファーに腰を掛ける。そしてテーブルには人数分の紅茶と菓子が並べられている。


「初めまして、私はアイビー、この村で村長をしています。話しはある程度はプロメとスキッドから話しは聞いたわ、大変だったそうね。貴方が倒れていた近くで見つけたEFに何か手がかりはあった?」


あのロボットが自分の世界の物だが時代が違う事と、妖精が関係している事を話す。


「元々あのEFの中に妖精が敵として登録されていたみたいですけど、ほとんどデータが壊れていて分かりませんでした」

「そのデータってなに?」

「あっデータって言うのは本のページみたいなもので、それが破けていた感じです。今日会った妖精だけ見られるようになっていました」

「なるほどね、そのEFになにかトラブルがあって、そのデータが壊れてしまったということね。でっその妖精が分かるようになったのは戦ったからなのかな?

 でもどうして貴方はそのEFの近くで倒れていたかしら、ただの偶然じゃないと思うのだけれど」


私が倒れていた場所からあのロボットのところまで痕跡が続いていた。いや違う、ロボットの方から歩いて来たって感じだった。


「まあどちらにしてもあの森で手がかりを探したいと思うけど、しばらくはあの森に入るには許可がいるわ」

「それさっきプロメさんにも言われました。その許可ってどこで貰えますか?」


早くあの場所で私がどうして倒れていたのかが知りたい。


「許可が必要なのは今だけ。それにあの森は元々、人がよく遭難して帰れなくなるから危ないのよ」


私一人だったら森を抜けられなかったかもしれないのか。


「許可はギルドに入って依頼で貰うか、一定の階級の冒険者になるかのどっちかよ」

「そうですか、ギルドに入るにはどうしたらいいですか?」

「貴方、歳はいくつ?」

「15です」

「そうね、ギルドに入るには18歳以上か、ある程度学を持つ人じゃないといけないの。冒険者の仕事は危険なことが沢山あるからね」


危険な仕事もあるなら仕方がない。


「でも危険がない仕事ならある程度の知識さえあれば入れるわ。でも貴方はこの世界のこと全然知らないでしょ。だから学校に行くと良いわ、それに帰る手段が見つからなかったらずっとこの世界で暮らすことになるだろうし、行って損じゃないと思うわ」


この世界ずっと暮らすかもしれないから学校に行くのは悪くないが一つ問題がある。


「でも私この世界の文字わからないと思うですけど」

「あら、貴方は文字が分からないの?こっちの言葉が通じるからてっきり」

「あっそういえば」


私は今まで普通に会話していたけれど、なぜ言っていることが分かるのだろ?明かに此処は日本じゃないのに日本語が通じてるから不思議に思わなかったけど。


(あれかな、ここ異世界だし異転物でよくある私は実は転生者で言語わかるご都合主義てきな?)


そんなことを考えていると。


「ちょっとこれ読めるか見てみて」


アイビーが本棚から一冊の本を渡してくる。本には謎の文字が載っている。


「あっなんとなく読める」

「そう良かった。この本に書かれている文字はリーファス文字と云ってね、この文字で知らなくても読めるの」

「それどうゆう原理なんですか?」

「さあ?魔法は神秘そのものだからわからないわ。ただこの文字は大昔の人間の魔法使いが文字や言語が違う種族の意思疎通の為に作ったらしいの」


魔法だから原理とか分かんないけど、文字の心配はこれで無くなった。


「これなら学校に行けるでしょ、学費は学校で受けることが出来る依頼で稼いでいけばいいわ、ただ高額な依頼は上級組しか受けられないけど」


(時間が掛かるけど学校に行けば帰る方法が早く見つかるかもしれない。それにプロメさんにずっとお世話になるわけに行けない)


「私は学校に行きます」

「そう決まりね、丁度良かったわ、今から一周間後に入学式だから急げばまだ間に合うわ、急いで書類用意するから明日また此処に来てね」


アイビーが家を飛び出し、呆然とするあやめ。


「え、えっと何処に行ったんですか」

「おそらく郵便局に書類を速達で頼みに向かったのだろう。あの人は思った事を直ぐに行動するからな」


慣れている顔で何処か遠くを見る。


「郵便局って結構近くにあるんですか」

「此処から歩いて行くとそうだな4時間かかる隣村にある」

「えっえぇ、あの人走って行きましたけど」

「サキュバスは戦闘民族だけど、あの人は中でもかなり異質な存在だからな、一時間くらいしたら戻って来るだろう」


(あの人サキュバスだったんだ、う~ん、私が思っていたサキュバスと違う)


「アビー玄関が開けっぱなしだったぞ、どうした」


玄関からさっきの大きな鎧を着ていた男が入ってきた。


「ああ、スキッド邪魔しているよ。アビーなら今さっきこの子が学校に入る事が決まって書類を取りに向かったよ」

「まじかよ、まあアイツなら直ぐ帰って来るだろうがよ。おっさっきの嬢ちゃんが行くのか」

「僕もいるよ」


自分の存在をアピールするメアリー。


「メリーお前も居たのか小さくて分からなかったわ」

「むぅ」


不貞腐れるメアリー。


「すまんすまん、そうすねるなって、そういや自己紹介がまだだったな、俺はスキッドだ、よろしく」


そう言って右手を差し出し握手を交わす。


「あーそうだ俺から一つだけ言っておくぞ。嬢ちゃんが行く学校は学園都市って言われるほど広い。広過ぎて警備ギルドの目が届かないところがある。

 そんなところには、ろくでもない奴も居るから気を付けな。嬢ちゃんの容姿は珍しいからそんな奴らに目を付けられたら面倒な事になるぜ」


容姿か、人間で黒髪は珍しいと言っていたな。


「黒髪の人間は珍しいんですか?」

「そうだな~俺は40年生きてきたが黒髪の人間は3人くらいしか見たことないな」


確かにそれだったら目立つな。


「う~ん」


黒髪の人がここまで珍しいとは。


「もう夕方か…メリー、あやめ帰るぞ。邪魔したなスキッド、明日また来るよ」


プロメにそう言われ窓を覗くと、外が夕日で赤く染まるのが観える。長い時間お邪魔したようだ。


「おう、じゃーな」


スキッドと別れ、私達は家に向かう。



ジャスパー 種族:ゴブリン 性別♂ 身長110cm 髪色・茶色 年齢11


メアリーの友達


たぬたぬ 種族:コボルト 性別♀ 身長70cm 毛色・栗色 年齢10


メアリーの友達


アイビー・ハースビット 種族:サキュバス 性別♀ 身長180cm 髪色・黒色 年齢40


ケルシー村の村長でメアリー達にとっては母親のようなもの。


スキッド・ハースビット 種族:人間 性別♂ 身長190cm 髪色・銀 年齢42


アイビーの夫、普段は村の警備と農業をしている。

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