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3話 お姉さん

その後、妖精に遭遇することはなく無事に森を抜ける。


「着いたぁ」


慣れない操縦で神経を使い、座席にもたれかかる。


「お疲れさま」

「うん…」


覇気が無い声でメアリーに答える。

あやめが一息ついているとプロメが外から降りるよう急き立てる。

 ハッチを開けメアリーを降ろす。


「怪我はないか?」

「うん!怪我してないよ」

「そうか、私は彼女に要あるから先に帰ってなさい」

「分かった」


メアリーを先に帰らせたあとプロメが腕輪を操作する。すると鎧がプロメの身体から離れバラバラになり、魔法陣が現れ吸い込まれて行く。

 鎧を纏っていない姿は雪の様な肌をした女の人だった。


「私はプロメ、あの子の姉だ。お前には聞きたい事がいくつかあるが、まずこいつを何処で見つけた。なぜお前が持っている」

「えっと…森で放置されているのを見つけました。なんかいじったら動きました」


慌てて答える。


「そうか…本来E.Fにはブランドの刻印が入っているはずだがコイツにはない。それにこんなものは見たことがない、E.Fなのかも怪しい」


何かよく分からないことを言っているが、取りあえずこのロボットはE.Fと言うらしい。


「そもそもこんな状態で放置してあることが可笑しい。かなり損傷しているがあれだけ動ければ十分だ。もう一度言う、コイツを何処で見つけた」

「そんなこと言われてもさっき話した通りで」

「そうではなく…いや説明不足だったな、これ見つけた時の状況を教えて欲しい」


このE.Fを見つけた時の状況を聞く。


「森で帰り道を探していた時、あれを見つけました」

「その後、妖精に遭遇して私が来たと」

状況を説明したが大きな収穫はない。


「なるほど大体分かった、だが最後に一つだけ、森で帰り道を探していたと言ったがどうゆう事だ」


「信じて貰え無いと思いますが、目が覚めるとなぜか森の中で倒れていて、どうして私が彼処にいたのか分からなくて最初は夢だと思いました。だってドラゴンですよ、THEファンタジーて感じのやつ、そんなゲームやアニメにしかいない生き物がいたら誰だって夢だと思いますよ。 

 リアルにあんなのいたらヤバイですし、その後はメリー君に合って異世界だと分かった上に現実だと気づいたらもう大変、こんな引きこもりの私が異世転の特典無しにこの世界で生きていているはずがない。

 朝急いで倒れていた場所で帰り道探そうと思ったらロボットに乗って妖精と戦う事になるとは考えてもみませんでした」


私は段々口調が速くなり興奮した勢いで話していく。


「あ…それは大変だったな」


あやめのマシンガントークに押される。


「まあ、つまりお前は気が付くと森にいて、なんで居るか分からず、帰り方も分からないと」

「はい!そういうことです」

「そうか…お前が帰り道を探すのは勝手だが、今はあの森は妖精が出るから危険だ。許可が無いと入れない」

「許可?あの森にさっきのヤバイの居るから分かりますけど、あの妖精って結局何だったんですか?」


妖精について聞く。


「妖精を知らない?お前の故郷では見たことないのか」

「私が知っている妖精はあんなのじゃないですし、そもそも現実に存在しない生き物なので」


私が知っている妖精は小さくてイタズラが好きな生き物で、断じてあんなメカメカしい目玉ではない。


「あ〜まぁ、お前が異世界から来たと言うことは信じよう。妖精を知らないのは生まれたばかり赤子くらいだ。それと帰る方法見つかるまで私の家にいると良い」

「えっ良いんですか」

「気にするな、子供を放っておくのは目覚めが悪いだけだ。それにメリーも気に入っているようだ」

「ありがとうございます」

「それに気になることがあるしな…戻ってきたか」


プロメが森の方を向くと、森から重い足音が近づいて来るのが分かった。


「あん?なんだそのデカイやつは、まぁいいや先に戻ってたようだな」


厳つい鎧を着た男が森からやって来る。


「さっき着いたところだ。でっこの娘がメリーの友人だ」

「そうかい良かったな〜嬢ちゃん、もう森は危ないから近づくのはやめておきな。それとプロメ、アビーには報告しておくけどよぉ後でお前からも言っておけよ。じゃーな」


鎧を消し立ち去る。


「さて、コイツは此処にあると邪魔だから私の家まで動かすぞ。ぶつけるなよ」

ロボットを操縦して家に向かう。


「そいつはそこに停めとけ」

家の前に停め、家に上がる。


「メリー帰ったぞ」

「お邪魔します」


また此処に来るとは思ってなかった。


「お姉ちゃんお帰り、あやめはさっきぶり」

「うん、さっきぶり」


メリー君がお出迎えをしてくれる。


「お話終わったの?」

「ああ、聞きたい事は大体聞いた。それと喜べあやめがしばらく一緒に暮らすぞ」

「ほんと!やったー」


あやめに抱き着く。


「そんなに嬉しい?」

「うん、ずっと一緒にいたいくらい。あやめは嬉しくないの?」


顔を見上げそう言ってくる。


「うん、私も嬉しいよ」


・・・


「あやめ、私は村長にさっきの事を報告しに行くから、また後で」

「分かりました」

「あとお前はアレに何か手がかりがないか探してみろ。もしかしたらお前の世界の物かも知れないからな」


そう言い残し出ていく。


(確かにアレはこの世界観に合わないからこっちの世界の物だとは思いますけど、アレを作れる技術が有ったら、かなり未来だろし。

少なくとも私が居た時代にはあんなゲームに出てくるようなロボットは作れないけど、そもそもアレ調べて何か分かるのか…うん?)


メアリーがあやめの服を引っ張る。


「どうかしたの?」

「早くさっきの調べよ」


すごいグイグイくる。


「そうだね、調べようか(やっぱり男の子なんだな」

「うん、行こ行こ」


メアリーは行き良いよく家を飛び出し、ロボットに登りコックピット内を調べる。


「取り敢えず一通り捜したけど、乗ってた人の私物は見つからないな。せめて取説が有ったら良かったけど」


このロボットが地球産かどうか調べるが文字が書かれている物が見つからない。


「そのテレビに何か書いてないの」

「テレビ?ああ、このモニターか」


モニターの電源を入れると英語で社名が表示される。


(英語だ。これ地球産か)


モニターに触れるとメニューが表示される。


「これタッチパネルか、うわっ英語だ全く分からない。え〜とオプションで日本と」


設定を日本語にしていじくりまわす。


「何でもいいからこのロボットのことが書いてあればいいんだけど」


エネミーと書かれたファイルを見つけなんとなく押してみる。


「これさっきの奴か」


倒した妖精の詳細が一部だけ載っている。名前はゴブリンと書かれている。


「他にもなんか載ってるけど、データが壊れてるみたいで、押しても表示されないし、コイツはさっき見つけたから直ったのかな」


ふと、あやめの脳裏にとある疑問が浮ぶ。


(あれ、メリー君はなんでテレビのこと知ってんの?)


「どうしたのあやめ」

「ちょっと聞きたいことがあ」


突然…ロボットが揺れる。


「なにこれなにこれ」

「デケェな」


なんかよく分からん喋る犬と緑色の肌をした子供がよじ登ってきた。


プロメ・ピース 種族:人間 性別♀ 身長173cm 髪色:金髪 年齢22


メアリーの唯一の姉


妖精:ゴブリン

よく見かける目玉に4本の足が生えた中型の妖精


妖精:ピクシー

虫のような形をした小型の妖精


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