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44話 本当の相手

「ヒィーヒィヒヒ」

「いや笑い事じゃないですって」



放課後、あやめは修理した銃を取りにコニーのところに来て、なんやかんやあってエミールに対する愚痴を溢していた。

そして自分に絡んできた理由を聞いた途端笑いだした。



「ヒィ…ヒィ…ま、まぁあれだ、その女の前で恥かいたんだからもう絡んで来ないだろうよ」

「だったら良いですけど、でも貴族ぽかったし殺し屋とか寄越してきたりしませんかね?」



まあ殺し屋が増えたところで普段から死にそうな目に遭うのは変わらないけど。



「お前のその貴族に対するイメージなんだよ?」

「えっ? う〜ん庶民から税金を搾り取って、他人を見下して不倫がバレたら不倫相手に全ての罪を擦り付け、革命が起きたら真っ先に酷い目に遭う人」

「あー多少は当たってる。 まあ安心しろって、他所ならともかくこの国じゃ好き勝手できねぇから、それよりもほれ直ったぞ」


修理に出した銃を受け取る。


「あと爆発しないようにレバーで調整出来るようにしといた」

「あっどうも…爆発しなかったら普通の銃じゃないですか?」

「仕方ねえだろ不安定で過剰の魔力はホーンバレルに負担かけんだから」



単3電池使うラジコンに雷のような過剰な電気を使うようなものか…ホーンバレルってなんだろう?



「あん?ああホーンバレルってのはこれだ」



コニーは机に置いてある箱からスティックノリの様な部品を取り出し、下の部分を回すと二本の捻れた角が出てきて元の倍位の長さに伸びる。



「魔力を飛ばす道具ってのは宝石の他にこうゆう螺旋状の角を使うんだ。 これに使ってんのはおれ特製だから特殊だけどな。

 まぁともかくまた壊しても良いから持ってこい、改良してやるから」

「ありがとう、でも良いですか?毎回タダでやってもらって」

「構わねぇよ趣味でやってるだけだし、それにこの国じゃ銃は売れないからな」



そういえば用意されていた銃は他に比べて少なかったし、弓と同じ理由なんだろう。



「ともかく私はこれで」

「おう!」


あやめは工房から出て行きコニーだけになる。



「あやめ…恋に必死になれる人は愛らしいと思うよ…私は」





外に出るともう夕暮れになっていた。

寮に戻ろうと近道である校庭裏にある庭園を通って行こうとしたら庭園のベンチにあのエミールが居た。 本来ならエミールの前にある道を通りたいのだが今、通ると面倒な事になるかもしれない。 

 下を向いているが落ち込んでいるのだろうか? 音を立てずに通れば行けそうだがどうしよう。


そんなことを考えている誰かの気配を感じ咄嗟に物陰に隠れる。



「あぁお前か…なんのようだ」


多分あの二人のどちらかだろう。


「笑いに来たのか…そうだよな自分から吹っかけておいて…ダセーよな」

「・・・」

「なんか…言ったらどうピギュッ」


(なんだろう急に静かになったけど)



バレないようにこっそり覗くと・・・エミールの胸ぐらを掴んでズキュゥゥゥンの効果音が似合いそうなキッスをしたていた。

そしてその相手はあの黒髪の男子生徒だった。



(えっえっこれはもしかしてBL!?)


「待っ待ってちょっと待って」


エミールをベンチに押し倒し無理矢理脱がそうと服のボタンを引き千切り、自らも服を脱ぎ捨てる。 そしてここからはお子様には見せられない状況になった。


そしてあの二人が去った後は辺りはもう真っ暗になっていた。

寮に帰った後に就寝時間になっても、この日あやめは眠れなかったそうな。

ホーンバレル


魔力に方向性を持たせる螺旋状の部品。


主に魔法の杖に付いており動物の角で作られていることが多い。

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