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41話 ライオンVSユニコーンVS

「痴話喧嘩かしら?」


此処からだと遠くて話している内容は聞こえないが、私の根拠が無い推測ではあの女子生徒にパツキンにーちゃんが迫って、それをあの男子生徒が止めようとしてるとこだろう。

 そして言争いの末にーちゃんが負かされたのか、立ち去ろうとすると男子生徒が肩を掴み押し止めるが両手で優しく払い除け、周りの野次馬を押し退けて何処かに行ってしまう。 


こうして呆然とした空気を置去りにし授業は終了した。 













「開幕アタック!」


放たれた弾丸は相手を一撃で仕留め勝者が決まる。


「勝った!」


私は勝利をアリーナの中心で叫ぶ。 何故こんなことになっているのか、それは今から少し前に遡ることになる。


「四時限目の授業は上級生の試合の模擬戦見学です」


三時限目が終わってアリーナと呼ばれる場所に来た。 此処はEF同士で闘い訓練したり大会を開く場所らしいが、今日は上級生の模擬戦見学だけなので下級生は参加しないようだ。

 クラスごとに観客席に移動し、そこで始まるのを待つ。




そして闘いが始まると観客席に居る皆が歓声を挙げ、会場のボルテージが上がる。 それもそのはず模擬戦とは言え、EF同士の闘いは映画のアクションシーンを観ているかの様に私達の心を揺さぶったからだ。


一人はまるで切り出した岩を強引に、武器の形に落とし込んだ無骨な二対の大斧を軽々と振り回し、大地を砕く獅子。

もう一人は薄く透き通る刃に繊細な彫刻が施されたガラス細工の様な刺突剣で飛んでくる岩を撃ち落とし、空を駆ける一角獣。


対照的な二人の闘いは雷鳴轟く嵐の中に居るようで、傍観者である私はその中で吹き飛ばされる蟻ってところだろう。


「怪獣が戦ってるみたい、凄いねアグネ…すぅ」


あやめはアグネスに同意を求めようとしたが止めた。


「ふぅ…ふぅ…ふふ♡」

(目がやべぇ)


前にサキュバスは戦闘民族と聞いたがこれで納得した。 

 傍から見たら妖艶的な微笑みを浮かべ観て楽しんでいるだけだが、あやめには闘いたくて興奮しウズウズしているだけにしか見えず、現に彼女の目は獲物を前にした空腹な獣の様だったからだ。


(実はアビーさんもこんな感じなのかな)


見なかったことにして続きを観よ。


獅子は咆哮と共に飛びかかり斧を振り下ろすと一角は斧を蹴り逸らす、逸れた斧は大地を砕き地に深々と食い込み、一角は剣を顔めがけて突き刺すと獅子は剣を噛み砕き、もう一つの斧で薙ぎ払う。 

 二撃目の攻撃を後ろに体を反らして躱し、両手を地面に着き腕をバネにして獅子を遠くまで蹴り飛ばし、すかさず横に突き刺さっている斧を蹴り上げ、サッカーボールの如く倒れている獅子に向かってシュート。 


だが獅子は飛んできた斧をもう一つの斧ごと砕き、両者は武器を失うと同時に試合の終わりを告げる鐘がなった、つまりタイムアップ。


「これって引き分け?」

「ふぅっふ…ここから楽しなるわよ♡」


アグネスがそう言い放った通り、あの二人はまだ突き出した矛を収めようとしているようには見えなかった。

 

「いやあの人に駆け寄って起こそうとしてるじゃないですか」

「いえあれはただ起こして分けじゃないわよ」


獅子を起こしお互いに握手し…頭突き交わす。 その際、一角の角はへし折れ獅子は額から血を流す。


「獣声って言って獣人特有の力なんだけど、発動すると身体能力を上げるらしいけど相手を食い殺す間で暴れるのよ」


一角は転がっている角など気にも掛けず蹴りのラッシュ繰り出し、獅子は拳のラッシュで対向する。


「つまりどちらか死ぬまで止まらないってこと?」

「普通はそうだけど、よくある事だから直ぐに仲裁が入るじゃないの」


あれが珍しくないってやばいな、それにしてもあの二人を止められる人なんて居るのだろうか、そんなことを考えているといよいよ終わりに近付く。 

お互いのラッシュで勝負が着かなかった両者は距離を取り、 一角は足、獅子は自分の拳に魔法を掛け力を高める。

 そして目の前の敵、一直線に飛んで行き最後の一撃を放とうとした直前、何処からか飛んできた竜は二人とも頭を掴み勢いを利用して地面に叩き付け、頭を隠したダチョウ状態になりようやく停止する。


「はい、二人とも引き分けで終わりましたね。 皆さんも全力で闘う際は必ずアリーナを利用して下さいね。 では今からお昼休みです」


こうして四時限目が終わった…なんだか疲れた、こうアクション映画を続けて三本観た位のカロリーを使った気がする。


「楽しかった、じゃあまた後でね」


席から立ち上がって体を伸ばし、別れを告げ去って行く。


「お昼行こうかな」


観客席の出口の人集りを待つまであの二人を観ていると、さっきの殺伐とした雰囲気は無く自分達の壊れた武器の破片を回収し、肩を並べステージの出口に消えて行った。

 そろそろ空いてきたのでアリーナから出ようとすると誰かに呼び止められ、振り返るとあのパッキンが居た。


「おい決闘しろよ!」

「いやだ!」

獣声


獣人族特有の能力で、身体能力を高めるが獣部分が剥き出しになり相手を食い殺すまで暴れる。 これは本能とは違い格上相手でも噛みつくらしい。


元々は獣人の男性限定の能力であり、自分以外の男を殺して女性を伴侶にする為の生存能力だったが、他種族との交流と極端な男性獣人の減少により能力は退化していき、今この能力を持っている若い男性は極稀である。 


だが反対に今度は女性獣人で獣声を持つものが現れた。 なので浮気をすると色んな意味でボッコボコにされる。



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