39話 バブみ
「う〜んう〜ん?」
あれだわ…絵だけあっても説明ないからさっぱり分からない。 ここはもう自分のすんっばらしい直感(漫画知識)で行こう。
先ずこのスーツを着た人間はサラリーマンで魔法陣の上に座っているから召喚されたとかそんなパターンで、この王様が呼び出しただろう。
次のページではサラリーマンが鎧を纏い、剣や魔法で城に迫り来る軍団を一人でバッサバッサときりふせる、その姿はさながらスターを得た配管工。
そしてまた捲ると場面が変わり、結婚式で王の娘と結婚して王になる。
「神谷さんがこれにタイトル付けるなら何にします?」
「ブラック企業で社畜だった俺が異世界に召喚されて勇者に!?とかどうよ」
「それっぽい」
「でしょ」
ドヤ顔を決める。
それにしても表紙だけなら王道異世界物だが、これにも異常性を感じる。
「この人にも巻き付いてますね」
「多分その糸が転生者、この場合は転移者を判断するものなんだと思う」
そして話の途中からページの端っこに黒い鳥が登場し、その鳥によって命を落とす終わり方で幕を下ろす。
「う〜んバッドエンド…」
「他に載ってる話も似た内容なんだけど、何故かこの最後の話だけどっちも登場しないで終わんだよね」
最後の話は、とある国のお姫様が悪そうな国の王様に捕まった場面から始まり、お姫様がその国の王を暗殺し、王になって終わる。
どうしてか、この話だけ他の物と方向性が違う。
「そういばさっき彼奴等と遊んでた時、この本のこと聞いただけど、この本は結構有名な絵本らしいよ」
「インパクトはありますからね、ところでこの本の通りなら彼奴等の狙いは転生者なんですかね」
「だろうね、でもそれ以外にも条件があると思うけど」
他の条件か一体なんだろう…そんなことを考えてると部屋の時計のチャイムが鳴り響く、ふと時計を見るといつの間にか10時になっていた。
就寝時間になったので話はまた今度ということにして、お互い部屋に戻ることにした。
時間なので廊下の照明は落とされ、足元にある小さい光だけが道を照らす。
「えっなにこれ夜の学校ってこんな暗いの」
デバイスを手に持ってライトを使い暗い廊下を進む。
「・・・」
部屋に戻るだけなのに廊下がいつもより長く、そして少し前から後ろに誰かが居る気配を感じる。 こんな時は何も考えずに先に進むことが良いのだか、私は立ち止まって振り向くことなく背後を手探りで探る。 すると何か弾力がある布地の様な感触がした。
どうしても気になったので振り返ってしまった。
「はぁい♡」
「びゃあっ!」
驚いてデバイスを落とすと後ろに居た誰かが拾い、それを受け取って照らすと、そこにはパジャマ姿のアグネスが居た。
「こんな時間に何をしてるの?」
「いえ…ちょっとお散歩してたら遅くなっちゃて…さよなら」
よりによって苦手な人に会ってしまった。
取り敢えず適当に誤魔化してさっさと進む。
「・・・」
「・・・」
(あれ〜おっかしいぞ〜後ろにずっと居るよこの人、いやきっと同じ階に部屋があるんだ、そうに違いない)
お互いに何も話さないでいるとアグネスが話しかけてきた。
「ねえ」
「なんでしょう」ビクッ
「私のこと恐い?」
「いえ」
「そう良かった」
それ以降何も話すことはなくアグネスの部屋は隣だったので、部屋に着くまで離れることはなかった。
夜が明けて
一週間ぶりに教室に来た。 教室では生徒同士が試験で手に入れたマギアの数をお互いに自慢しあい、賑やかで活気あふれていた。
「早く昼にならないかな」
教室で話す相手が居ないあやめにとって朝のこの時間は苦痛だった。
「あらもうお昼の心配」
「いえ…まあ」
やって来る彼女はこんな私に対していつも挨拶をしてくれる。 そんな彼女もっと愛想を良くした方が良いかもしれない。
「アプ…アプリコットさん」
「アグネスで良いよあやめちゃん、それで何かしら?」
「いや…アグネスさんはどれくらい集めたのかなって」
良いぞ自然な言い方だ。
「12枚よ、あやめちゃんは」
「20枚…です」
自慢みたいになってしまった。
「あら沢山取れたの、頑張ったわね」
優しい目でこちらを褒めてくれる。
「へへありがと(なんだろうこの感じ、お母さん?)」
そんなほのぼのした時間を過ごしていると、担任の教師がやって着た。
「皆さん試験お疲れさまです」
ホームルームが終わり一限目の授業が始まると、試験で受け取ったマギアの説明とマギアを装填しておけるマギアホルダーが配布された。
試験で受け取ったマギアにはEFを魔術式で収納しピューパで召喚するできるらしい、ただEFを収納したマギアには魔力量が高いのでピューパに収納できないことがある。
そのためマギア専用のマギアホルダーはマギアのみ多く収納できるようになっている。
マギアホルダー
マギア専用で沢山収納できる。




