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37話 そんな噂

寮に帰って来る頃には外は夕陽で真っ赤になっていた。


「ジェジェただいま〜」

「お帰り〜」


ベッドで本を読んでいたジェットはあやめが帰ってくると、今日の試験の事を聞いてきた。


「合格したよ、そっちは」

「もち、ところで試験の後見なかったけど、何処に行ってたの?」

「神谷さんとメリー君と一緒に買い物に街に行ってたよ。 ほらこの前一緒に朝御飯食べた男の子達」


私は椅子に座ってデバイスを弄り、ジェジェは本を読みながらそんな会話を続ける。


「あ〜あ、そう言えばあの二人結構有名らしいよ」


どう有名かと云うと、神谷さんはどんな凶暴な種族に対しても気にせず話しかけることから恐れ知らずの神谷と呼ばれているらしい、おそらく本人は特に何も考えてないだろうけど。 

 一方でメリー君は巨人潰しメアリーと、随分物騒な名が付いているみたいだけどなんでだろう。 巨人潰し、その名前の通りの意味なら巨人を倒したとかそんな意味になるのだろうけど、でもそれは考えられない。


「メリー君が巨人をねぇ」

「普通ならそうだよね…私もチロッと聞いただけだし。 確かあれは一年前、私が中等部だった頃にあの子は小等部だったんだけど、頭が良くて飛び級することになって、上級生達とちょくちょく遊んでもらったらしいだよね」


ごく普通の男の子に見ていたがそんなに頭が良かったのか。


「その中で一番遊んでたのが銀狼三姉妹って呼ばれワーウルフの三つ子で、美人でファンが沢山居たんだってさ。 それで三つ子に告白した三つ子の同級生の男子生徒が居たんだけど断られて、ピース君に因縁付けて決闘をふっかけたらしいのよ」


「なんで?」


「なんでも自分に振り向かないのはお前が居るからだってピース君を攻めたらしいよ。 その男子生徒の家は代々男爵でおまけにプライドも高くて、自身満々だったから告白を断られた原因がピース君だと思ったじゃないの」


なんかラノベでよくある展開だけど、おおよそ決闘でその男子が巨人で倒したから、巨人潰しって呼ばれてるかな。


「ただピース君はなんで決闘するか分かってなかったから断ったみたいだけど」


そもそも決闘してなかった、まあ普通は意味解んないよね。


「断ったら断ったで今度は挑発してきたらしいけど、全部無視したみたい。 だけど最後に自分の名前が女の子みたいって呼ばれてカチンってなったみたい」


メリー君、自分の名前気にしてたんだ、可愛いと思うけどな。


「怒ったピース君は男子生徒の脛にドロップキック決めて、膝を抱えているところに頭に回し蹴りで倒しただって」


うっそでしょ! メリー君そんなに強いの想像できない、思わずデバイスを弄るのを止める。


「それで自分より大きな巨人を倒したから巨人潰しのメアリーって呼ばれてるだって」

「にわかには信じられないけど、それでそのあとどうなったの?」

「そのあとピース君に瞬殺されたのが悔しかったみたいで、鍛えて何度か挑戦したらしいけど勝てなかったみたいだよ。 最後はズッ友になったみたい」


なんかヤンキー漫画みたいな展開になってる。


「そんな過去があったんだ」

「あくまで噂だけどね、ところでその格好どうしたの?」


ジェジェが本を読むのを止めて、私の格好を聞いてきた。 可笑しなところはないと思ったが、自分の姿をクローゼットの大きな鏡に映すと服が薄茶色に汚れ、髪もボサボサになっていた。 

 いったい何時から、そう思い返すと今日は一日中走り回ってボール追いかけて狭い場所も行ったから汚れたんだろう。 でもコニーさんに会った時になんにも言われなかった、いやそもそもあの人は服着てないから気にならなかっただろう。


「先にシャワー浴びてきたら」

「そうする」


洗面所に行って脱ぐ前にポケットから記録石を出して洗面台に置いて、浴室で服を叩いて埃を落とす。 粗方埃を落とし、腕輪を操作しマギアにして小さくすると、何か落ちた音がした。 足元を探すと記録石が落ちていたので拾ってまた台に置こうとすると何故かそこには石が有った。


「なんで増えてるの?」


よく分からないけど先に床に落とした埃をシャワーで流し、2つの腕輪と下着を脱いで籠に入れ、そして巻いていた包帯を取ると怪我はすっかり治っていた。 


「うわっやだ、白髪が生えてる」


髪を洗っていると一本だけ白い髪を見つけた。 ストレスなのかな、最近何度か死にかけたからな、でもそれだったらもっと生えてそうだけど。 そして体を洗って浴槽に浸かる。 

 寮の個室に風呂があるってなんだか贅沢な気がする、なんて事を考えていると洗面所にあるピューパに電話が掛かって着た。


「このタイミングで」


浴槽から上がって電話に出る。


「もしもし」

「あやめちゃん俺だけど、今から3階の共有スペースに来れる?」

「あ~神谷さん…良いですよ」

「良かった、じゃあ後で」


電話が切れるとさっさと着替え部屋を出て共有スペースに向かった。

ジェッド・ハミング ビートハーピィ ♀

身長120cm 羽根・緑と赤 年齢15


あやめの友人で寮の同居人で甘い食べ物が好き。


愛称はジェジェ

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