表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/65

35話 膝に悪い着地

学校までの帰り道。


「あぁぁぁ」


結局あの後に店に戻ったが最後の一袋は売り切れだった。


「そんなに落ち込むことか?」

「だってもう二度と食べられないと思うと」

「いや明日になれば入荷されんじゃねえの」


それもそうか、それに気づくとなんだか気分が上がってきた。 思わず舞い上がりスキップしていると街灯にぶつかり倒れる。


「大丈夫?」

「あぁうん大丈夫」


痛みは感じないが周囲の視線が痛い。


「お姉さん前見ないと危ないよ。あとこれ落としたよ」

 

近くに居た小さい女の子から記録石を受け取る。 今のでポケットから落ちたのだろう。 そして受け取ると元気良く走って行ってしまった。


「落とさないように腕輪に仕舞っといたら」

「それは無理だよ、ピューパに仕舞えるのはEFとか登録されてる道具だけだから」


何でも入るポケットではないらしい。 そんなこんなで学校まで戻るとあやめの腕輪に知らない番号の電話が掛かってきた。


「あやめ、おれ…コニーだけどお前何処に居る?」


電話相手はコニーさんだった、番号は教えてないけど多分プロメさんに聞いのだろう。 用件は今すぐに工房に来てほしいみたいだ。 神谷さんとメリー君は今日いろいろあって疲れたから寮に帰るみたい。 私はついでに銃を直してもらいたいから工房に向かった。


「それにしても今日はこの廊下に人多いな」


コニーさんの工房がある廊下は毎日通っているが何故か人とすれ違った事はなかった、それなのに今日は沢山の人とすれ違う。 そしてすれ違う人は全員が似た事を話しており、アイツまたやったのかとか、相変わらず頭おかしいなど、すれ違いざまに聞こえてくる。


「あれ?取手が無い…そもそもドアが半分無い!」


コニーの工房に着くと工房の扉が何故か真っ二つに切断され、切断面がチーズの様に溶け冷えて固まっていた。


「なんだろう前にこんなの見た気がする」

「おっ!来たなあやめ、入って来いよ」


ともかく中の様子を見ようと半分になった扉を跨いで工房に入ると、中は隕石でも落ちてきたかのようにグチャグチャになっていた。 そして部屋の中心にはこれを起こした原因と思われる謎の機械の残骸が転がっていた。


「コニーさんどこ〜」

「上に居るぜ」

「上?…うわぁ」


上を見上げると天井にコニーが居た、いやこの表現は適切ではない。 正しくはコニーが天井から生えていた。


「えっと楽しそうですね」

「そんでもねぇさ、そんなことよりわりぃがそれ取ってくんね」


コニーは床に落ちている鞘に入っているナイフを指差し、あやめはそれを投げて渡す。


「ところでなんで天井に居るんです?」

「ようあるやつさ」


コニーは脱出しようと天井をナイフで切りながら事の経緯を説明した。


今から約30分前、コニーは工房である物を造っていた。


「でけたでけた…でっこれは何でい?」


コニーはあやめから預かったEFを直した後、腕に付いていたレーザーブレードに興味を持ち、この世界の技術で再現しようと試作品を造っていたのだ。 ただし武器ということのみ理解していただけでそれ以外具体的な良く判っていなかった。


「さてと起動実験開始」


試作を的に向けて台に固定し起動する。 するとタービンが回転し、外部の宝石が光を放ち始める。 先端から無数の光の糸が流れ、それが一本に纏まり目標に飛んで行き的を貫く。 そして直ぐに機械を止めて的を確認しに行く。


「上出来、上出来…やっちまった壁に穴があいてら」


壁には的と同じ大きさの焼穴が空いていた。


「後で埋めときゃええだろ」


新しい的を用意して実験を再開しようと機械を起動ボタンを押すが反応しなかった。


「あん?今ので壊れたか、おっ動いた…なんかやべえな」


タービンが逆回転し始め宝石から電気のようなものが放電し、先程と比べ物にならない光が逆噴射して入口の扉に当たり、噴射する力で留め具が外れそのまま扉を焼き切り、最後には爆発して停止する。


「なるほどそれでドアが真っ二つで、爆発で部屋がこうなったと」

「アレはそうだけどよ、こいつはちげぇよっと」


天井から脱出し全裸で三点着地を決める。


「えっなんで裸!?」

「まあ話の続き聞けぇあ分かるさ」 


腕輪であの水着(調節服)に着替えて話を続ける。


「あ〜あ服が燃えてちまった」


何故か爆発に巻き込まれたのに傷一つ無い状態で服のみが燃えてしまった。 幸い爆発は防護壁で囲んでいたので、振動で辺りに積んである物が崩れる程度だった。


「片付けるか、それにしても暑ちぃな」


調整服が無くなった事で体を冷やそうと汗を流し、燃えている試作品の残骸に落る。 

 本来のバニーホイップ族は汗をかかない為、脂を分泌する器官が手に存在し、その脂を体毛に塗って体温を調節する。 そしてこの油は可燃性であり、歯でカチカチすると爆発する。 これは外敵から身を守るためと思われ、自身はその爆発にさらされてもなんともない。 この為、種族の別名として火薬兎または爆弾兎と呼ばれる。

 

これはあくまで純粋なバニーホイップの特徴で、人間の特徴を持つ混血種であるコニーは人間と同じく汗を流し、バニーホイップの特徴を保っている。 つまりこの汗はニトログリセリンと同等に爆発する。

バニーホイップ族の汗


昔この汗は非常に危険だが舐めると非常に甘い他、薬として価値があった為、美食家気取りの貴族や奴隷商人に狙われる事件などがあった。 ただ捕まえても檻を爆破して逃げるため怪我人が続出し始め、ある国の領主の城に捕まり脱走する際、その城を崩落させた記録など存在する。

 なので奴隷商人から不幸の蜜として恐れられた。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ