表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/65

26話 落下

「いきなり何するんだ、ぶっ殺すぞ!」


コーランの罵声を無視して足下に転がっている石を拾い、宝箱に向かって思い切り投げつけるが反応を示さない。

 あやめは音を殺し近付き、銃を構え徐々に箱を開け中を確認する。


「…あっすみません。本物でした」


中には2枚のマギアが入っていた。どうやら思い込みが過ぎたようだ。


「ったくよ、ミミックがこんなところにいるわけねぇだろ。あん?奥にもあるぞ」


二人はマギアを抜き取り部屋の奥にある大きな宝箱に近付く。


「こっちは何が入っているんですかね?」

「予備のマギアじゃねえの、それか宝かもな」


コーランが箱を開けようとすると蓋が一人でに開き勢い良く閉じようとし、コーランがそれを両手を使い止める。まるで箱がワニの様に噛みつこうとしているように観えた。

 お互い突然の事に動揺しつつ箱の中を覗くとぞっとするような目玉がこちらを覗いていた。


「うあぁぁ!」

「あぁぁ本物だ!」

「おい、なんとかしろ!」


 ミミックだと分かったあやめは動揺し即座に弾丸を撃ち込む。弾は爆発し、爆風はあやめ達を巻き込み吹き飛ばす。


「お前なんてもん使ってんだ!」

「すみません、爆発するの忘れてました」


爆煙により一瞬、姿を見失うがすぐに煙の中から飛び出してくる。だが姿が先程の宝箱ではなく、全身に棘が生えた蛸のようなおぞましい姿をしていた。


「うわっキモい」


ミミックは怒りの咆哮を上げあやめに襲いかかり、それを銃で反撃するが躱し近付かれる。あやめが剣銃を抜くよりも先にコーランが動きレイピアを呼び出しミミックを串刺しにし、地面に叩き付けた。


ギニャァァァ


絶叫を上げ逃げ出そうとするミミックをコーランが容赦なく踏み潰し、肉片が辺りに飛び散る。


「あっやばい、吐きそう」 

「たく靴が汚れちまった。あん?」


靴に付いた汚れをレンガの道で擦って剥がしていると大きな物が落ちた音がした。音がした方向を見ると、ミミックが潜んでいた箱の残骸に巨大な鍾乳石が刺さり地面に亀裂が走っていた。

 そしてこれが合図かのように次々と鍾乳石が降り注ぎ地面の亀裂が広がる。


「おい、逃げるぞ!」

「なんで落ちてくるんですか!」

「アホか、お前があんなのぶっ放すからだろ!」

「すみません!」


泣きそうになりながら此処に来た時の入口に戻ろうと急ぐがそれと同時に地面が陥没し始める。地面が崩れるのは早くコーランの後ろを走っているあやめに追いついてしまいそうだ。


「あっ…」


 コーランが先に入口にたどり着きあやめに向かって手を指しだすが、取ることがかなわず、あやめは奈落に引きずり込まれてしまう。


「…あぁクソッ」


腕輪からロープと剣を呼び出し、剣にロープを巻き付けて地面に突き刺し固定し、奈落に向かい光る石をばら撒き高さを測る。


「そこまで高くないか」


そして自分にロープを巻き付けて奈落に降り始める。


「死んでたらぶっ殺してやる」







底に着いて光の魔法で辺りを照らすと、自分が奇妙な場所に降りたのが分かった。


「なんだ此処は周りが鉄で出来ているのか」


明らかに人工的に造られた通路の壁に触れると錆が付着する。


「こんなのがなんでダンジョンにあるんだ。いやそれよりアイツは」


瓦礫を避けて辺を探すと何か光っている物を見つけ、手に取るとそれは蓮根の様な銃だった。


「アイツのか」


そしてその周りを探すと近くに血溜まりを見つけた。


「この量はやばいな、でもアイツがいねぇ」


血を流しているはずの本人が見当たらない事を奇妙に感じたコーランは血痕を調べ、踏んだ痕を見つけ、その先を照らすと通路に血が付いた靴跡と垂れた血が転々としているを見つけた。


「これで動けるのか?」


靴跡を追いかける。靴に付いた血は途中で途切れてしまうが血痕は続いている。しかし徐々に間隔が広くなる。


「ポーション使ったのか、いやあの血の量は一本だけじゃ足りないはず」


通路の先には錆だらけで読めなくなったプレートが付いた扉があった。扉には取っ手は付いておらず、取り敢えず押してみると扉が簡単に外れ倒れ、入口から注ぐ光が部屋の入口付近を照らす。

 

「なんだこの部屋は」


この部屋まで続いていた通路とは違い、中はそこまで劣化していない。

 部屋の中を照らし見渡すと椅子に座り机に足を組んで乗せ、地下で何も見えない窓を光無き眼で見詰めているあやめが居た。


「おいおい随分元気そうだな」

「・・・」


皮肉に反応を示さない事に気になり、近寄って様子を見る。

 先程から窓を眺め動くことなく、制服は血で紅く染まり床に血が垂れ死んでいた。


「お…おい冗談だろ、起きろよ」


肩を掴み大きく揺さぶる。


「うわぁぁぁ!」

「あぁぁぁ!」


いや死んでいなかった。


「なななんですか、えっどこ此処!」

「…元気そうだな、さっさと戻るぞ」


拾った銃を返し、上に向かう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ