24話 夢を探検
通路を抜けるとやっと二人の元に辿り着いた。
「おかえぇどうしたんだその怪我」
「階段で転んだそうだ」
鴉のことを話そうと思ったがプロメさんに止められた。
「これポーション」
メリー君からポーションを貰い飲み干す。
「おっちょこちょいだな、じゃあ帰ろうぜ」
プロメさんに寮まで送ってもらう。寮は男女と巨人種で別れ二人部屋になっている。死んだように眠っている同居人を起こさないように静かに入り、シャワーを浴びて寝る。
そして目が醒めると何処かの研究室の椅子で寝ていた。
「またこの夢か、唐突に見るのやめて欲しいな、こんな気分じゃ探索する気にならなし二度寝し…うん?」
もう一度眠ろうとすると何処から変な音が聞こえる。次の瞬間、壁をぶち破って目玉が入って来る。
「ぎゃあああ妖精」
急いで部屋から飛び出すと、ホラー映画に出てきそうな薄暗くて先が見えない不気味な廊下に出る。本来なら懐中電灯を持って恐怖するのだろうが、背後から壁を破壊し迫りくる妖精がその雰囲気もぶち壊す。
「そうだ武器…あれ腕輪がない。そもそも服が違う、なにこの白衣!」
研究員の様な格好をしていた。ただしかなり大きため袖が余り垂れる。
「アァァァ!」
廊下を奇声上げ走る。
「出口何処だ!」
走りながら奥に進むと非常口と描かれの扉が壁と天井、床に大量に現れるようになり妖精が距離を詰めてくる。
「こんなに出口いらない!」
迷っていると妖精が扉を破壊しながら迫って来る。こちらに近付いて来ると何故か次第に動きが鈍くなり動かなくなる。よく見ると妖精の脚が破壊された扉の奥から出てきた透明の糸に絡まっている。
「よし終わった。さっさとあの蝶を見つけて起きるか、もう追いかけて来ないだろうし」
突然何かが外れる音が聞こえ、振り返りたくはないが仕方なく振り返る。
「ヨシッ動いてない…あれ脚外れてない?」
もう一度同じ音がするともう一本脚が外れる。
「・・・」
あやめはなにか察すると全速力で廊下を駆け抜ける。そして妖精の脚が全て外れると、その球体ボディを利用し転がり追いかける。次々と扉を破壊し出てくる糸が毛糸玉のように絡まり次第に大きくなっていく。巨大な玉に追われている姿は考古学者のインディだろう。
廊下の一番奥にある他のものと明らかに違う扉に飛び込む。
「今度は大丈夫そうかな?」
妖精は絡まった糸で大きくなり過ぎて廊下に引っ掛かって動かなくなってしまった。
扉を閉めると扉が消え後戻り出来なくなる。
「此処は資料室か」
部屋には大量新聞や雑誌、DVDがそこら辺に散らばっており、今回もその中に分かりやすく一つだけ光っている物を見つけた。
「何これ?」
あやめが見つけたのはビデオテープと呼ばれている物だが、世代ではないため分からない。
「うん?う〜ん、この分厚いテレビに丁度いい穴が」
ビデオをテレビに挿し込むと映像が流れる。内容は5分程の遺跡調査のドキュメンタリー番組で、遺跡の奥で光る何かを見つけるところでテープは終わってしまう。ビデオを取り出そうと、リモコンで取出しボタンを押すが反応がない。
「電池切れかな」
直接ボタンを押そうと近づくと画面の中から大量の蝶が飛び出し、そこで目が醒める。
「はっ…不意打ちは辞めてほしい」
「あっおはよう」
朝から嫌な夢を見てしまった。
「そうなんだ、気分変えに朝ご飯一緒に行く?」
夢の愚痴をこぼすと気を使ってしまったのか、朝食に誘われ一緒に食堂に行くことになった。
昨日から始まった試験で学内はお祭りのようになっており、食堂も混んでいた。
「凄い混んでるね」
「この時期は試験以外にダンジョンに籠もる生徒が居るらしいから、携帯食料を大量に頼んでいるでしょう」
ダンジョンとは世界各地に定期的に出現する謎の空間の事で、中には海や森、砂漠など様々な世界が広がっていて、そこには宝や未知の生物が沢山居るらしい。
そうこうしている内に順番が周ってきたので注文する。
「マッハドードーハニーオムレツ」
「それ共食いにならない?私はバハムートフライ」
「いや卵食べるくらい普通だよ。そっちこそ竜か魚か分からないの食べるじゃん」
「竜は食べたことない知らないけど、地元だと毒がある魚わざわざ食べるからそれに比べたら全然平気」
美味いと言う理由だけで毒もっていても食べれるようにする国出身なので、食べる事が出来れば魚と竜の些細な違いなんて存在しない。
「ようあやめじゃねぇか、こっち来て食おうや」
「おはようございますあやめさん、そちらは友達ですね。一緒にどうですか?」
料理が出来上がり席を探していると、同じテーブルで食事をしているコニーとソニアが居た。
「お久しぶりです」
「あやめちゃん知り合い?」
簡単な説明をした。
「へぇソニアさんがお世話になっている人の娘さんで、コニーさんがあの銃を造った人なんだ」
「そうそう、それでお前は誰だ」
「ジェッド・ハミングです、よろしく先輩。オムレツ美味」
両翼で挟んでフォーク使いオムレツを食べる。
「食いにくそうだな」
「地元だとこんな食器使わないんで」
「これやるよ」
コニーは小さい篭手のような物を渡す。
「えっこれ副腕義手じゃないですか、良いんですかこんな高価な物貰っちゃて」
「ああ新しいの造ったから必要なくなったからな」
さっそく使ってみると義手が独りでに浮かび指先が動く。
「凄い感触がある、フォーク持ちやすい」
「よく分かんないけど凄いね」
「おう!しかもただ小さいだけじゃねえ、擬似神経を造って繋いでいるから感覚はあるし、費用も他のやつより少ないだぜ。特許出願中」
そんなことを話していると神谷達がやって来た。
「凄えマジックハンドだ!」
「誰ですか!ちょっと触らないで、なにこれ未知の感覚」
見たことない魔具に興奮し飛び付き撫で回す神谷は、このあとソニアに叱られました。




