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16話 認識の違い


「いや大したことじゃないんだけど、なんで俺は特典が使えないのかなって」

「あー言ってましたね。ところで特典て何を貰ったです?」

「武器を造ったりする特典と無制限の魔力だったかな」

「チートですね。じゃあよくある神様転生ですか」


神様転生とは、様々な種類があるが大体は神の原因より転生する際に凄い特典を持って転生系のなんかである。


「あーそれそれ神転。ミスで殺っちゃった、特典やるから魔王討伐しろだと」


どうやら本当に神転だったようだ。ちなみに死因は無人のダンプカーに1時間ほど追われて最後はミンチにされたらしい。


「絶対あの髭が動かしてたんだって、魔王よりあの髭を討伐したいわ!」


これはそうとう鬱憤が溜まっているようだ。


「なんの話をしてるか知らんが、魔王ならとっくの昔に滅んだぞ」


いつの間にか話を聞いていたプロメによると魔王は300年以上の前の戦争でその姿を消したらしい。


「魔王について調べたかったら図書館に行ったらどうだ」

「そうですね、行ってみたいです。魔法の世界の図書館とか絶対面白いだろうし」

「まぁ今日は図書館休みなんだがな」

「まじすか」


明らかにテンションが下がったのが表情に出る。今はともかく買い物を終わらせよう。

 買う物はノートやペンなどの筆記用具、さっきのペン以外は自分の世界にあるアンティーク風の筆記道具に近い。

 ノートを選び終わるとメリー君が何かを持ってくる。


「ねぇねぇこれも買って」


プロメさんに小さな箱を渡す。


「前に同じやつ買っただろ」

「違うよ!これは前に買ったやつ新作なの、それにほら全然違う」


メアリーは腕輪からフィギュアを取り出すと、箱に描いてあるイラストと比べて見せる。


「こっちがラプターハミングでこっちがラプターロード」

「ごめん、お姉ちゃん全然分かんない」


分かりやすく言うと母親にバージョン違いのプラモデルを見せているような。


「なぁ、それ何のフィギュア」

「これは1/12スケールのEFフィギュアで、EFのクラスの一般的なものから個人専用のEFのフィギュアが入ってて、どれもクオリティーが高い上に種類も豊富なんだ。

 ちなみにフィギュアと一緒にEFカードが付いてくるんだ。あとおまけに塩飴が入ってる」


ようするに食玩。


「そう言えば、部屋にいっぱい有ったね」

「うんそうだよ。このシリーズはよくランキングで内容が変わるから一度逃すとなかなか手に入らないだよね」


コレクターアイテムと言ったとこだろう。


「ねぇ良いでしょ」


プロメは仕方ないなとフィギュアの箱と一緒にあやめ達の分も支払いをする。

 支払う際に使用する硬貨は独特な形状をしており、通常のコインの円形ではなくドーナッツ状の楕円形と自分の世界とかなり異なる。

 買った物をしまい店を出る。


「物は揃ったから今日はあとは学校に見学行って、宿に泊まるだけだが何処か行きたいとこはあるか?」

「魔具でも観に行く?ルシファーが新しい魔具出してたし」

「ルシファー…ってあのルシファー!」


ルシファー、旧約聖書に登場する非常に有名な堕天使、作品によっては悪魔だったりガチムチおじさんだったりする。


「ほら、あのポスターの人だよ」 

 

壁に貼ってあるポスターを見るとそこには天使でも悪魔でもなく、ある動物が描かれていた。


「ペンギン…これペンギンじゃん!」


神谷は思わずポスターを二度見する。


「ルシファー会長は海鳥系の有翼人、セイレーンだよ。ちなみにEFと店の名前は会長の出身地の言葉で、自分の名前と同じ金星( ルシファー)


メアリーはEFカードを見せてくる。

カードにはEFと所有者の情報が載っていた。


「へぇー女の人なんだ」

「そうだよ。あとランキングはいつも上位ランクで人気だよ」


追加で別のバージョンを何枚か出してきた。


「凄い人気なのは分かった。ところで他にベルゼブブやマモンって人のカードあったりする?」

「あるよ、はい」


カードを見せてもらう。カードには犬系の3人組とハリネズミの獣人が載っている。やはり偶然、名前だけが同じらしい。


「ありがとう返すね。それでこの人がどう凄いの?」

「えっとね、ほとんどの国で出まわってる7割の魔具を作ってる店を創った人だよ。このEFフィギュアやさっき買った宝石ペンもそこで造ってるんだ」


思ったより凄い人だった。


「じゃあ学校が終わったら行くか」


此処に来た時と同じ扉で地上に戻る。

 地上に戻るとさっき、サキュバスから逃げて来た場所がなにやら騒がしく、兵隊が何かを探し回っている。


「騒がしいな事件か?」

「これはピースさんこんにちわ!」


兵士の一人がこちらに気が付き敬礼をしてくる。


「この人誰ですか?」

「こいつはコボルトのコギー、鑑識兵だ」


見た目は兵士の格好をした犬。


「何かあったのか?」

「そうなんであります。この先の樽置き場で爆発事件が起こったようであります」


ドキッ


「事故か」

「それはまだわかっていませんが、現場には恐らく食用と思われる火薬が詰まった樽が散乱しており、それが原因なのかは調査中であります」


よしバレてない…食用の火薬ってなんだ?


「隊長ー」


兵士が駆け寄って来た。


「どうしたであります」

「これが現場に」


持って来たのはあのサキュバスが羽織っていたマントだった。


「匂いからしてサキュバスの物と思われます」


ドキッ


「ププロメさん!私は今すぐに学校に行きたいです」

「俺も俺も」


どうにかしてこの状況から抜け出さなければ。


「「さあさあ」」


二人でプロメの手を引っ張る。


「二人共挙動不審だけど、どうしたの?」


ドキッ


「いや〜早く学校行きたくて」

「うん、そうだよ全然不審じゃないよ」


メアリーの指摘に動悸が激しくなる。


「え〜と、どうやらお忙しいそうなので私はこれで失礼します」

 

コーギは事件現場に戻ろうとする。


「そういえば最近またカラスの奴らの目撃されてるそうなので気を付けて下さい」


こちらに一言残して去っていく。


「お前達が何かやったのか?」


二人と肩を組み、二人だけに聞こえるように話す。


「ナニモヤッテマセン」

「ソウデスヨ」

「そうか、じゃ何で目を合わせない」


二人は目をそらす。


「あっそそうだ、さっき言ってたカラスって何のことです」グイッ

「うっそう気になってたんですよ」


あやめは肘で神谷に合わせるように支持する。


「・・・」


プロメはカラスの事を聞かられると沈黙した。

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