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10話 普通の世界

「妖精の事は大体分かったよ。ありがとう」

「えっそう?」

「うん!本当に助かった。また聞くね」


何だか少し喉がから湧いたので紅茶を飲む。


「どうさっき買ってきたのだけど美味しい?」


アイビーが全員に感想を聞いてくるのでそれぞれ応える。


「えっと美味しいです(分からん)」

「凄く美味いです(なるほど分からん)」

「美味いぞ(熱くて飲めん)」

「分かんない!」


それぞれ感想を言う。


「あら良かった。ところで砂糖とミルクあるけど入れないの?」


そんな会話をして時間が過ぎて行き、外はすっかり暗くなっていた。


「今日は此処に馬車を停めて、朝になったら出発するそうだ」


道から少しそれた場所に馬車を停める。


「夕飯は用意が出来たら呼ぶそうだから、それまで時間を潰すか」

「じゃあ私は今のうちに洗濯してくるわ」


アイビーは脱衣所に向かう。


「じゃあ私も書類を片付るか、用があったら呼んでくれ」


奥の部屋に消え、部屋には3人だけが残される。


「「・・・」」


何も話さない間々、時が流れる。


「そうだ!あやめちゃんってゲームやるの」

「えっああ、ソウルライク系とか結構やりますね。神谷さんは」

「俺はRPGとかFPSをよくやるよ。転生する前はアーミーレジェンズやってたな」

「私もリアフレとやってましたよ」


同じゲームをやっていたことで、ゲーム談義に花を咲かせ、しばらく語り合う。


「いやーまさか異世界でゲームの話をすると思わなかったよ」

「そうですよね。まぁそもそも異世界来るなんて普通のことじゃないですし」


異世界で異世界をテーマにしたゲームの話をするのは中々に非現実的なのだろう。


「そうなんだけどさ。でも俺、本当にあやめちゃんとゲームの話が出来て良かったと思ってんだ。転生してからろくなことなくて、この世界が嫌いになりそうだったんだ」


さっきのまでの明るい彼と違い、表情が暗くなる。


「特典は使えない、金は無い、おまけに盗賊に捕まる。本当に散々だった。

 最初は嬉しかったよ、物語の主人公様になって無双しまくって冒険したかったけど、このザマ」


私をメリー君達と出会っていなければどうなったか想像するのが怖い。


「だがしかしこれからは違うぞ。学校行って無双しまくってやる」


しかし彼がそんな決意を改めていと。


「皆さん夕食の支度が出来ましたよ。外に出てきてくださーい」


夕食のお知らせが来る。

 外に出ると大きなテントが張られており、その下にあるテーブルの上にはとても豪華な料理が並べられている。


「ハァーイ☆本日の料理を作ったシェフで〜す。沢山作ったから沢山食べてね」


変わった耳が生えた謎のイケメンのおねぇさんが現れる。この人は何処から来たのだろうか。


「「・・・」」


このおねぇさんのテンションについていけず表情が固まるあやめと神谷。


「あんら〜どうしたの?そんなところで立ち止まって」

「当然だろ、いきなり知らねぇキモい野郎が話しかけて来たんだからよ」


謎のボーイッシュな娘も出てくる。


「ひどいわ、私達は朝に会ったじゃない、坊やは寝ていたから覚えてないでしょうけど」


おねぇさんは涙を流す。


「おいおいさっき俺らは馬だった、だから分かる訳ねぇだろ」


馬?どうゆう事だろう?


「ルーちゃん、あまりお父さんをいじめちゃ駄目よ」


馬車の御者が現れる、やっと知っている人だ。


「自己紹介していませんでしたね。私がこの馬車のオーナーのクロエ・ユニコールです」


帽子を取り挨拶を交わす。

 緑色の肌をしているが人間、いやゴブリンだろうか。


「あのその二人はいったい?」

「二人はさっきまで馬車を引っ張っていたユニコーンとバイコーンですよ。今は人間になっているだけです。ちなみに、こっちが夫のマリーでこっちが娘のルリです」


どうやら親子らしい。


「まあ、そんな些細なお気になさらず、料理が冷めてしまいます。ささ」


テーブルに案内される。


「本日はお肉メインにしました。料理の説明は長くなるので食べてあと感想を聞かせてください」


・・・


「うま何この肉柔らか」モグモグ

「それは豆肉だな」

「豆で作った肉の事ですか」うまうま

「いいえ、肉の様な豆の事よ」


豆肉、わりと何処にでも生息しているまるで肉の様な豆、大きい物はソフトボールくらいの大きさになるという。


「それにしても異世界最初の飯がこんな豪華になるとは思わなったよ。2日も盗賊に捕まってたからね。あはは」

「・・・そうか沢山食べなさい」


夕食後しばらくして、あやめとメアリーは自分達の寝室へ、神谷も自分の部屋に行きプロメとアイビーはリビングで晩酌をしていた。

 あやめはキングサイズのベッドの上で天井を見上げ、神谷との会話のことで考え事をしていた。


(あれだな〜私も神谷さんと同じく神転だったら、戻っても死んでいる扱いになるのか)

「ねぇ‥」

(いや待てよ、転移の場合でも3日もコッチに居るから行方不明になってるのか)

「ねぇ‥き」

(そもそも帰る方法が見つかるかもまだ分からないし)

「とりゃ!」

「うっ!?」


突然、腹部に衝撃が走る、お腹の上にメリー君が飛び込んで来た。


「い、いきなりどうしたの…」

「さっきから話し掛けてるのに聞いてくれないだもん。それよりもほら」


私の左腕を掴んでデバイスを見せようとする、デバイスのランプが緑色に点滅しており何かの通知のようだ、今日の朝、色々いじってそのまま忘れていた。


デバイスを開くと通知が沢山表示される。


「システムの一部が復旧が完了しました…

これにより一部のシステムドライバーが利用可能です…

現在利用可能なシステムドライバーは…

地形マッピング機能…E.Fシステム…

ゲームモード…ムービーシアター…

録画機能…天気予報…画像加工機能…

ラジオ…お財布携帯…懐中電灯…の10個です」


「これもしかしてただのスマホでは」


最初の2つ以外は全部スマホのアプリにありそうだ。

 とりあえず何の映画があるか探すとサメ映画がやたら多い。ゲームも何があるか観てみるとアクションやシューティングなどの様々ジャンルが揃っているが、2020年以降は存在しない。


「う〜ん、私の世界と同じゲームが結構あるから、やっぱり私の世界の未来から来たのかな…うん!?」


ゲームのタイトルを流し見していると、あるゲームタイトルに目が釘付けになる。ゲー厶名はアサルト・コア6と書かれている。


「いや〜焦った、あれだけ新作でないのに出てるとか、やっぱ別世界か」

「・・・」


メアリーがあやめの顔を不思議そうに覗く。


「なに?」

「んーん、ただ独り言多いなって」


その後は一緒にゲームでもして時間を過ごそうかと思ったけど、不安が一つ消えてそれに安心してそのまま寝てしまっていた。

 目が覚めると部屋は暗く消灯時間になっていた。隣にはメアリーが寝ている。

 ベッドから降りて、歯を磨きに洗面所に行き、部屋に戻ろうとするとリビングの窓から沢山の星が視える。


「こんなに星が多いと星座とか分からないな」


自分の寝室のドアを開けるとそこは…

鉄の壁の部屋だった。


「ああ、またこのパターンか」


部屋の中には人間サイズのロボットが何台も列んでおり、此処は格納庫だと分かる。

 適当に辺りを探索するのと部屋の奥に5台だけ他のに比べて、サイズが明らかに倍以上あり、見覚えがあるロボットが列んでいる。

 見た感じは、私が持っているEFと同じ種類のロボットのようだ。ただ違うところがあり、こっちの方が新しい感じがするし、それに右腕もちゃんと付いている。

 しばらくロボットを観察していると、右腕にNo.5と刻まれている、コックピットの中から謎の光が漏れているのに気づく。

 ハッチを開けて中を覗くとすると中から沢山の蝶が飛び出して来た。私はそれに驚きバランスを崩してロボットから落ち、床に叩き着けられた。

衝撃で床に亀裂が走りガラスの様に砕け、私はそのまま下に落ちてゆく。降り注ぐ光が破れた跡を照らすと、その影が大きな蝶に観えた。

クロエ・ユニコール 種族:ゴブリン 性別♀ 身長120cm 髪色・灰 年齢34


移動レストランラピスのオーナー


マリー(マリアン)・ユニコール 種族:ユニコーン 性別♂ 身長180cm 髪色・銀 年齢27


レストランラピスのシェフ、腕は良いがキャラが濃い。娘との仲は悪くない。


ルリ・ユニコール 種族:バイコーン 性別♀ 身長152cm 年齢13


豆肉

肉の様な食感の豆、だが芋科である。


アーミーレジェンズ

あやめ達の世界で流行っていたバトルロワイヤルのFPSゲーム


アサルト・コア6

新作が出ないロボゲー

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