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9話 転生者

少し前のこと


「た〜だいま」

「おかえりなさい、何か良いことでもあったの」

「ふふ〜ん、内緒だよ!」


ご機嫌にソファーにダイブする。


「ところでその人まだ寝てるの?」

未だに目覚めない青年を横目で見る。


「ええ、でもそのうち起きるでしょ。ちょっと席外すからこの子をお願いね」


アイビーは馬車から出て行き、それからしばらくして。


「そうだ」


突然ソファーから飛び出し、冷蔵庫からポーションを持ってくる。


「えい」


そして寝ている青年の口に一気に注ぐと、傷が治っていくが段々顔色が悪くなる。


「えっちょっ辞めなさい!」


急いで止めに入るが。


「ぶはぁ」

「目がぁ」

「あだぁ」


噎せてポーションをメアリーの顔に吐き出し、それに驚いて空になった瓶を落とし、あやめはその瓶に躓き転び辺りが大惨事になる。


「ぜぇっぜぇ、どこだここ」

「帰ったぞ」


その中で青年が目覚めると丁度、プロメが戻って来る。


回想終了。


「そんな事があったのか(一瞬本気で焦ったわ)もう寝ている人にポーションを飲ませるんじゃないぞ」

「ごめんなさい」

「すいません、早く止めていれば」

「子供がやることは予想が出来ないからしょうがない。ここには風呂が付いてるから入って来い」


二人が風呂に向かった後、部屋にはプロメと青年の二人だけになる。


「そんな格好ですまないが話をしよう」


青年サイド


「私の名前はプロメ、さっき一緒にいた二人があやめとメアリーで、他にもまだ出掛けて帰って来てないがアイビーっていう人がいる。それでお前名前は」

「俺は神谷光輝って言います」


ポーションで服が赤いこと以外は普通の青年だ。


「早速、聞くがなんで捕まってたんだ」

「あの盗賊達を捕まえれば賞金出るかなって。俺、色々あって無一文で」

「事情は知らないが何故出来ると思った」

「いや〜無双出来るかなって」

「・・・うん!?」


返ってきた言葉に度肝を抜かれる。


「でもなんか可笑しいですよね。魔法は使えないし、剣は出せないし」

「・・・」

「万全な状態だったら出来たと思うですけど」


この時、プロメは確信した。コイツを放置したら野垂れ死にすることを。


「そうか、お前はこのあとどうするんだ」

「そうですね。冒険者になろうと思います」

「なるほど、ところでお前は何歳だ」

「18ですけど」

「そうか、ならお前も学校に来い」

「学校ですか?何で」

「あの程度の盗賊に捕まる様じゃ話にならん」

「それに他に行くところ無いだろ」

「じゃあそうします」


あっさり決まり、学校の説明をしていると、アイビーが帰って来る。


「ただいま〜」

「アビーか、おかえり。何処に行ってたんだ?」

「あの子の服がボロボロだったでしょ。だから新しい服を買いに服屋まで」


デバイスから服を取り出す。


「あら、起きてたのね。でも何で吐血した様になってるの?」

「えっと、いろいろありまして」


アイビーは床に転がっているポーションで察する。


「大体分かったわ。はい新しい服、脱衣場はあの奥のドアよ。着替えていらっしゃい」


新しい服を貰い、着替えに行こうとしドアのぶに手をかけようとするが。


「まて、今はあやめ達が風呂場を使ってるからまだ使えないぞ」

「あらそうなの。じゃあ一緒に入ってくれば」

「いえ、遠慮しておきます」


あの女の子二人がお風呂に居ることを思い出し、ドアから離れようとした時。


「ふぅ、結構広いお風呂だったな。今上がりま」ガンッ

「あだ」


ドアが開き神谷にぶつかる。


「あっごめん大丈夫」


倒れている神谷に手を差し伸べ起こすが。


「大丈ブッ」


神谷が落とした服で足を滑らしたメアリーが、その勢いのままで神谷の腹に頭突きをする形になる。


「二人とも大丈夫!?」

「僕は大丈夫。お兄さんは大丈夫じゃ、なさそうだけど」


腹を抱えてうずくまる。


「はぁはぁ、こんな事なら特典は幸運にしてもらえば良かった。全然平気だから気にしないで」

「いや、そんな状態で言われても説得力ないよ!」


息を整え蚊の鳴くような声で応える。


「とっとりあえず俺も着替えたいからそこ通して貰ってもいい」


脱衣所にようやく入り、しばらくして。


「着替え終わりました」


神谷が着替えて出てくる。


「服は後で綺麗に洗っておくわ」


服をアイビーに渡す。


「アビーが帰って来たからもう出発するぞ」


馬車が村を出てしばらくしてから一息ついていた。

 全員ソファーに腰を掛けており、テーブルには人数分の紅茶の入っているカップが置いてある。


「さっきはごめんね。ところでお兄さん名前なんて言うの」

「俺は神谷光輝、光輝って呼んでくれ。君は」

「僕はメアリーだよ。光輝お兄さんも黒髪だけど、お兄さんも別の世界から来たの?」

「そうだけど、どうして分かったの?」


黒髪の事とあやめの事をざっくり話した。


「へぇー俺以外にも転生した人がいるんだ」

「私は死んだ記憶無いから分からないけどね」

「じゃあ転移系か、コンビニ帰り異世界転移する作品があるからあんじゃない」


私はそんな雑に転生してないことを望むよ。それに帰る方法が見つかっても、死を体験した人間に居場所はあるのか…。


「それよりもこの世界にロボットが出てくる方が気になるんだけど」

「私も最初は気になったけど、メカメカしてる虫とか居たし、パイルとか存在するからロボットくらいあっても普通なんでしょ」


少なくともこの世界ではこれが普通ということなのだろう。


「マジで、パイルあんの。あとメカメカした虫ってなに」

「う〜ん私もこの世界に来て3日目だからよく知らないけど、妖精とか虫って言われてるみたい」


妖精と云うよりは虫のように観える。


「元々は虫って呼ばれてたらしいけど、虫に観えない個体もいるから、個体の習性と似ている異種族で名前を付けたらしいよ」

「へぇ〜詳しいね」

「フフ〜ン、それ程でもないよ。

ちなみにあやめが見た目玉から脚が生えてる様に見える妖精がゴブリンって名前で、あまり強くないけど基本的に3〜4匹で群れを作って、最初の一匹が獲物を追跡して仲間に場所を教えて、残りが獲物の能力を分析して、ボスが仕留めるだ。

 あの時は直ぐに倒しちゃたから強くなかったけど、戦いが長引くと動きが把握されて、攻撃しても全部避けられちゃうんだ。でも戦い方を変えると何故か途端に弱くなるんだ。

 それに複数人相手だと対応出来ないみたい、あと不意討ちとか、頭上からの攻撃も駄目みたい。それに」


水を得た魚の様に生き生きと語る。


神谷光輝 種族:人間 転生者 性別♂ 身長173cm 髪色・黒色 年齢18

よくある凄い特典貰ったが使えなくて盗賊に捕まりそこを助けられた。

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