2.12
ここにいるだけで頭が痛くなる。
何故か日本語の本が1つもない。
すべて英語やフランス語、スペイン語なので書かれておりちんぷんかんぷんだ。
そんな本たちをパラパラと読んでは紙にメモを取りながら他の本を開いて古文書のようなものを解読していく二人。
俺は、そんな二人に頼まれた本を机まで運ぶ役をしている。
呼んでもちんぷんかんぷんだし。
「むむむー。あ、これこれ」
「ここはこの文字かな?」
「うん。あとこれもね」
「よく飽きないよなぁ〜」
「楽しいから仕方ないね」
「やってみる?」
「遠慮しとく、読めねーし」
「勉強不足!」
「ぐぬぬ…」
「うーん。この文章はこれあれ、これ古代魔法の書物?」
「ん? 古代魔法だから覚えてみるのもあり」
「ふむふむ。覚えた」
「即暗記…その能力普通に欲しいわ…」
「ふふふ、あげないよ〜。そのまえに実力だからあげれない」
「ですよねぇ〜」
翻訳された紙には水属性の魔法と書かれていた。
しかし、魔法の呪文が恐ろしい言葉ばかりだった。
あまり良くない魔法なのだろう…。
熱心に二人は翻訳と解読を行っているので俺はいつの間にかエリシアにキッチンの場所を教えて貰い勝手に紅茶を入れていた。
エリシアが真横にいるが…。
じっと俺の手を観ていた。
「そんなに珍しいか?」
「その手際の良さは一体どこから…」
「母さんのコーヒー入れてたからその時かな」
ポットに紅茶の葉とリンゴの皮を少し入れ、その中に熱々のお湯を入れた。
湯気が立ち上りポットの蓋を閉めた。
「お二人は一体何をしているのですか?」
「あー。来てみればわかるよ」
図書館に誘うとエリシアは俺の後ろについてきた。
扉を開けるとお菓子がテーブルの上に置かれており俺達を二人が待っていた。
「終わったのか?」
「一応?」
「色々覚えすぎて頭パンクしたの」
「あーね」
周りの本をどかして、中央に持ってきたポットとティーカップを四つ置いた。
カップの中に紅茶をそれぞれ入れ、ポットの横に角砂糖が入った入れ物を置いてそれぞれのコップに一つずつ入れた。
「でも問題はこれらを詠唱して発動出来るかどうかなんだよね〜」
「忘れちゃダメなとこ」
「詠唱しなくても魔法発動出来ませんか?」
「簡単な魔法ならいけるけど…こうも複雑な魔法になると…」
「なるほど…じゃあここを少し変えてみれば?」
「あれ、効力かなり上がってて凄いことに…」
「相変わらずの天才…」
「いえいえ、私はまだまだです」
紅茶を飲みながら彼女達は楽しそうに話している。
一方俺は、あちらこちらと図書館内を探索していた。
「ここか…」
目の前の本棚に一冊だけ表紙の色が違う本を押すと、スイッチが入ったような音がした。
すると、本棚が透明になって消えており本棚があった場所には隠し階段があった。
「たしかこの奥だったけなぁ…」
俺が探してる物。記憶には一応あるがなんとも言えない感覚だった。
隠し階段を降りていく途中トラップが仕掛けられていた。
うわぁーこれ通ることが出来ねー。触ったら絶対トラップ起動してあたりドカンといきそうだし…。
しかし…
『白松紫蓮…合格…先にどうぞ』
変なロボットがトラップを解除し先に案内してくれた。
二本の足で歩き人間のような格好をしながら俺を招いたのは、ある部屋だった。
その部屋は、俺が探していた物がある場所。
部屋には木製のテーブルと椅子。本棚が一つ。パイプのベッドが置かれた小さな部屋だった。
「ほんとにあったのか……」
「もうそれぐらいにしてくれるか?マスター」
部屋の入口に、寝てたはずのエルが立っていた。
「ああ、あるものだけ見つけたらな」
「あるもの? あーこれの事?」
本棚の奥の方から小さい箱を取り出し見せてきた。
何故、これを探していたのだろう。何も変哲もない箱なのに…
「それそれ、なんで隠し場所分かったんだ?」
「それは聴かないで欲しい…」
受け取った小さい箱を開けると、その中にはある日の物体が入っていた。
黒い球体。禍々しく美しい…。
黒い球体をズボンのポケットの中にしまい、部屋から出た。
「何にも聴かないのか…あれだけ気になっていたくせに…」
「これ以上知ったらまずいと思ってな」
「そっか、なんでここの部屋の存在知ってたのか知らないけど、ルルには言わないで欲しい。あの子はあの時のことを今でも思い出して泣いてるから」
「ああ、分かった」
その時のエルは、虚ろな目をしていた。
それだけ恐ろしかったのだろう。ここに姉妹で幽閉されていた事のことを…
ここまで読んでくれてありがとうございます!
次回フラグ回収するための過去編になります!乞うご期待
・全く読めない…
・エリシアに色々見られる。
・隠し部屋…





