1.22
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「こんなとこだ。どうだ? 思い出したか? 」
「ああ」
銀髪の少女が真実のことについて話していた時のアリセナは、紫蓮の右腕をぬいぐるみを抱いているかのように抱きしめていた。
今は恥ずかしくなったのか離してしまったが..
「まぁ、2人はさっさと現実に戻れ。ここにいても邪魔だけだ。」
「て言われても....。 」
アリセナか、銀髪の少女から紫蓮の方に視線を変えた。
「帰れと言われてもさ、帰り方知らないんだが...」
「ん? あー。」
銀髪の少女が二人の周りに何らかの魔法陣らしきものを床に描き始めた。
手には、何も持っていない。
人差し指指で、丁寧に描いていた。
何を書いてるんだ? と気長に見ていると形が完成していく。
「これでいいだろ? 」
銀髪の少女が立ち上がり、床に描かれた魔法陣が完成していた。
「そういえば、君の名前は....」
「私はエル。記憶の巫女だ。て早く消えろ! このバカマスター! 」
気がつくと保健室のベッドで眠っていた。
以前のように嫌な気配を感じなかった。
ベッドから出ようとして布団をめくると銀髪の少女が真横で眠っていた。
え? ちょま....。
コンコン。
保健室の扉から扉をノックする音が聞こえた。
「失礼します。」
「もう起きてると思うわ。さっき布団をめくる音が聞こえてきたから」
「そうですか、」
アリセナと保健室の先生との話が終わるとベッドを囲んでいるカーテンを開けた。
「おはよう。よく眠れた? 」
「まぁな。あのことは夢だったのか? 」
「夢じゃないよ。ね、エルちゃん。」
隣で眠っていたエルのことを、教えてないのにアリセナがエルの名前を言って驚いた。
「なんだ? まだ眠いんだが....」
かけてあった布団を除けて布団から出てきたエルは、大きくあくびをしながら言った。
「早く下に降りて来て。朝ご飯珍しくお母さんが作ってくれたんだから!」
何の変りもない日々が戻ってきた。
偽りはもうないのだと安心した途端、1階から悲鳴声が聴こえた。
「な、なんだ! 」
制服のベルトを締めながら階段を一段一段降りていくと、先に降りていたアリセナが待っていた。
ここまで読んでくれてありがとうございます
・私はエル。記憶の巫女だ。
・夢じゃない。あれは現実に起こったこと・・・





