0.11
「エルちゃん。おはよう」
「ああ、おはよ。紫蓮とアリ姉、私についてこい」
お約束の展開じゃないから良かったかと少しほっとした。
ベッドから起き上がり、ハンガーにかかっていた上着を着て廊下に出た。
アリセナは、俺より一足先に廊下に出ていた。
「来たな、こっちだ」
廊下の突き当りの壁の何も無いところを、人差し指で押した。
すると、横の壁が扉のように、開いた。
「こっちだ。この突き当りから転送して学園長室まで飛ぶからな」
「転送て…。」
奥に段々と見えてきたものは、行きに使った転送装置が置かれていた。
エルは、学園長室と書かれたボタンを押した。
「学園長室前まで転送完了しました」
一瞬の出来事だった。いきに使った時よりも遥かに早い
「ここだ。入るぞ〜」
一声かけて部屋に入ると、学園長の机でへばりついて眠っていた。
「むにゃむにゃ、困りますね~。先生~」
「ほう。またお仕置されたいのか、そうかそうか、」
と言うと、学園長の耳を思いっきり引っ張った。
「いたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた。もげるそれ以上は、本当にもげる」
ぱっと、離すと耳が真っ赤に腫れていた。吹っ切れたように生き返り、
「ごめんごめん、待ってたの暇で寝てたよ」
「はぁ、二人ともそのソファーに座って、私はここに座るから、ベルモットは正座ね」
「そ、そんなぁー。あんまりです先生」
悔しがる学園長を睨みつけるエル。
エルが座っている場所は、学園長の椅子に様な気がするが…。
「ふふふ、それはだな、なんかそこで正座してるやつが私に、学園長やれとうるさくてだな、仕方ないので引き受けたというわけだ」
学園長は、ずっと正座している。
「学園長、座ったらどうですか? 」
「いや、僕はここで十分だ。」
足をピクピクさせながらずっと正座している。
「ここ座りなよ、正座は、俺じゃないのか? 」
「何言ってるんだ?、本当ならそいつが師範代やるのに私に全部任せたのだぞ? 許せるわけないだろ」
「それは、そうですけど…。お願い先生、座らせてください」
一度大きなため息を付き、
「分かったからさっさと座れ、バカ弟子。」
「は、はい‼ 」
すんなりと目の前のソファーに座った。
尻に敷かれるタイプか…。
「とにかくここに連れてきた理由話してくれるかな? エルちゃん」
学園長とエルと俺のコントのようなものを無視してアリセナは聞いた。
「酷いなぁ……。」
「全くだ…。」
「まぁ言われなくてもわかっていると思うが、二人とも常人とは違う存在なんだよ」
「常人とは違う存在て、当たり前じゃないか? 」
「ああ、常人て言ってもここでは、一般生徒の事だ。」
「そっちな、何も使えない奴らたちかと思ったぞ」
「そんなわけないじゃん。バカ」
アリセナが、ツッコミを入れてきた。
やっぱりまだ怒ってます? アリセナさん
気のせい! それより話に集中!!
目で会話をしていると、エルが何もなかったように話を戻し始めた。
ここまで読んでくれてありがとうございます
・エルに案内されて学園長室へ





