2:誓い
目を覚ますと冷たい床に倒れていた。そこは教室ではなく、天井が高く高そう絵画が飾られている、まるでよくゲーム内で見る王宮だ。
「御前が最後か、まったく我を待たせるとは無礼な勇者もいるのだな。」
起きたばかりで頭が追いつかなっかたが周囲を見て納得する。何が起きたかわからず挙動不審なやつや、異世界キタァァァと叫んでるやつ。そして派手な衣装を纏ったやつに数十人の鎧を装備しているやつら。
(こんにちは異世界さん)
内心喜びながら立ち上がる。
「まあいい。御前もスキル鑑定をするからそこに立て。」
僕は王が指を指した魔法陣の上に立つ。どんなスキルか妄想を広げて待っていると王が突然叫び出す。
「巫山戯るな!!我を散々待たせといて錬金術だとっ!?他の者は皆優秀な戦闘系のスキルだったんだぞ!」
あまりの短気さと理不尽さに「はぁ?」と声が出てしまう。そこで王ブチ切れ。
「ええいこの無礼者!!お前らそいつを牢屋にぶち込め!奴隷商に売ってやる。黒目黒髪は一部の貴族の間で高く売れるんだ。」
ニチャァと笑う王にもう我慢できず押さえつけられながら言う。
「巫山戯てんのはてめぇだろチンピラ野郎!今すぐこいつら引っペがせよ!」
クラスメイトも色々言ってくれているが通じない。
「今我にチンピラ野郎と......許さん!御前らも黙れ!気が変わった、こいつは死刑だ。」
兵士達に武器を構えられ黙るクラスメイト。ここで黙らないとせっかく庇ってくれたクラスメイトもどうなるか分からないのでもういいからと心で思う。
「いや、こいつは貴族に売り飛ばすべきだ。そっちの方がより苦しむだろう。」
そう言ったのは陽キャよりの陰キャの小川冬樹だった。こいつとはまあまあ良い仲だったんだが。と思い冬樹の目を見ると全てを理解した。
(底辺から這い上がって来て見せろとでも?いいねいいねぇやってやりますよ!!)
「それもそうだな、こいつには一刻も早く消えて欲しいからいますぐに売り飛ばそうではないか。」
そう言った王は僕の処理を部下に任せた。僕は部屋を引きずり出された。そして最後に王の目を見て誓った。
『ああ王よ、私はいつかあなたを永遠の苦しみへと案内して差し上げましょう!!』